アコースティックピアノの歴史と今も失われない地位
ピアノの国内販売台数は1979(昭和54)年がピークで約31万台でした。今ではその10分の1もないといいます。ただし、鍵盤(けんばん)楽器に親しむ人がそこまで減ったわけではなく、かなりの割合が手軽な電子ピアノや電子オルガンに移ったようです。ただ、ピアノならではの魅力なくなったわけではなく、今でも必要としている人がたくさんいます。もし、手元に使わなくなったピアノがあるのならば、どこかで生かされる道を探ってみましょう。
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アコースティックピアノと電子ピアノの違い
電子ピアノとしっかり区別する場合は「アコースティックピアノ」といいます。これにはグランドピアノとアップライトピアノが含まれます。
楽器の場合の「アコースティック」とは、電気の力を借りずに音を響かせるものをいいます。ピアノ以外ならば、アコースティックギターがその代表でしょう。
電子ピアノ(デジタルピアノ)の歴史は意外に新しく、原型は戦後すぐに登場したものの、普及し始めたのは1970年代でした。アコースティックピアノと比べると、「場所を取らない」「音程が正確で、調律などのメンテナンスも不要」「スイッチひとつで多彩な音が選べる」といったメリットがあります。
半面、「鍵盤のタッチ感が頼りないので、微妙な音が表現しにくい」「クラシック音楽はアコースティックピアノしかない時代に作られているので、作曲者の意図とは違ったものになってしまう」といった弱点もあります。
このため、「ピアノといえば、やはりアコースティックに限る」といった根強い愛好家がいます。中でも、音の強弱の付けやすさなどの操作性、音の透明感、響きのよさなどに勝るグランドピアノは鍵盤楽器を演奏する人のあこがれではないでしょうか。
アコースティックピアノの構造と歴史
ピアノを最初に作ったのはイタリア・フィレンツェの楽器製作者、クリストフォリで1709年のことでした。それ以前にも鍵盤楽器としてはハープシコードがありましたが、これが弦を爪(つめ)で弾くのに対し、ピアノはハンマーでたたきます。その後、改良が重ねられ、ほぼ現在の形になったのは1800年台の後半でした。以後、独奏・合奏・伴奏のいずれでも最もポピュラーな楽器として親しまれてきました。
日本へ最初にピアノがきたのは1823年で、ドイツ人の医師で長崎に私塾・鳴滝塾を開いたことでも知られるシーボルトが持参しました。国産の第1号は1887(明治20)年ごろとされます。また、山葉寅楠は1897(明治30)年に日本楽器製造(現・ヤマハ)を設立、その3年後にアップライトピアノを、さらに2年後にはグランドピアノの製造販売を開始しています。ライバル会社となる河合楽器の設立は1927(昭和2)年で、累計の生産台数でヤマハが世界第1位、河合楽器が第2位です。
本格的な演奏に使われるのは、弦を水平に張ったグランドピアノです。弦を垂直に張ったアップライトピアノは、グランドピアノを簡略化したもので、主に家庭用・練習用として親しまれています。
使わなくなったアコースティックピアノは廃棄? 売却?
どちらかといえば、「子どものお稽古(けいこ)ごと」のイメージが強いピアノですが、近年では大人の趣味としても見直されつつあります。大人向けのピアノ教室もそれほど珍しいものではありません。何年ぶり何十年ぶりでももう一度鍵盤に触れてみてはいかがでしょうか。
目・耳・指先などを使うので、感覚の維持に役立ちます。なによりも、1人でできるので自分さえ時間の都合が付けばいつでも練習できます。
しかし、本当にもう使わないのならば、いつまでも場所をふさがせておかないで、手放すことも考えましょう。アコースティックピアノは寿命の長い楽器なので、少々古いものでも廃棄する必要はありません。国内に限らず、海外にも欲しいという人がけっこういます。そのため、中古の買い取りでもしっかりとした値段が付くことが珍しくありません。
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(KOBIT編集部:柳本学 KOBIT公式サイト)
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