ウイスキー『山崎』が手に入らない理由とは?その知られざる価値を知る

食器棚の奥から、大事そうにしまわれたままのウイスキーが出てきて、ラベルには「山崎」とある・・・。お酒を飲まない方にとっては、これがどんな価値を持つウイスキーなのか、すぐには分からないかもしれません。
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未開封で長年保存されていたものをそのまま捨ててしまうのは、どこか惜しい気もしますよね。
実は「山崎」は、日本を代表するシングルモルトウイスキーであり、世界的にも高い評価を受けている銘柄です。
種類や熟成年数によっては、驚くような価格で取引されることもあります。しかも近年は品薄状態が続き、「幻のウイスキー」と呼ばれることもあるほどです。
この記事では、山崎ウイスキーの歴史や特徴、なぜ手に入りにくいのかといった背景から、種類ごとの価値まで分かりやすく解説します。
これをきっかけに、手元にある一本の価値を知ることで、捨てるのではなく、必要とする人へつなげる選択肢を見つけていただければ思います。
山崎とは?日本を代表するシングルモルトウイスキー
「山崎」という名前は、ウイスキーに詳しくない方でも耳にしたことがあるかもしれません。
サントリーが手がけるこの銘柄は、日本のシングルモルトウイスキーの中でも特に知名度と評価が高い存在です[1]。
1923年に大阪府三島郡島本町に設立された山崎蒸溜所で生まれ、今では国内外の愛好家から熱い視線を集めています。
日本の自然環境と職人技が融合した、まさに日本ウイスキーの象徴といえる一本です。
山崎は「シングルモルト」という分類に属し、単一の蒸溜所で造られるモルト原酒だけを使って作られます。
この製法は、複数の蒸溜所の原酒をブレンドする「ブレンデッドウイスキー」とは異なり、その土地や蒸溜所の個性が強く反映されるのが特徴です。
つまり、山崎の味わいは山崎蒸溜所にしか出せない味と言えるのです。
山崎の歴史と誕生背景
山崎ウイスキーの歴史は、日本のウイスキーづくりの歴史そのものです。
大正時代の終わり、サントリー創業者の鳥井信治郎は本格的な国産ウイスキーを作るため、スコットランドで学んだ技術者・竹鶴政孝を迎え入れます。
そして選ばれた製造地が、京都と大阪の境にある山崎の地でした。ここは、名水の地として古くから知られ、気候や湿度もウイスキーの熟成に適していたのです。
1929年には、国産第一号のサントリーウイスキー(通称「白札」)が誕生。
その後も改良を重ね、1984年に「山崎」というブランド名で発売されると、国内外の品評会で高い評価を受けるようになりました。
山崎の製造方法とこだわり
山崎ウイスキーは、その製造工程すべてにこだわりが込められています。
まず、仕込みに使われる水は、名水百選にも選ばれた「離宮の水」。この柔らかくまろやかな水が、繊細な風味を生み出す土台となります。
麦芽は厳選されたものを使用し、糖化や発酵、蒸溜の各工程で職人が細やかに温度や時間を管理します。
熟成には、材質や来歴、形状のことなるものなど多種多様な樽を使い分け、それぞれの樽が異なる香味を与え、山崎特有の複雑で奥行きのある風味を形成します。
熟成庫で長い年月をかけて眠る原酒たちは、やがてブレンダーの手によって絶妙なバランスに調整され、一瓶のウイスキーとして世に送り出されるのです。
山崎の味の特徴
山崎ウイスキーは「華やかで繊細な香り」と「なめらかな口当たり」が大きな魅力です。
口に含むと、甘いバニラや熟した果実を思わせるフルーティーな香りが広がり、その後にほのかなスパイスやウッディなニュアンスが感じられます。
味わいは柔らかく、複層的で、ゆっくりと長い余韻が続きます。
このようなバランスの取れた味わいは、日本人の感性や食文化にもよく合い、食中酒としても楽しめるのが特徴です。
そのため、山崎ウイスキーは世界的にも「日本らしいウイスキー」として評価されています。
なぜ山崎ウイスキーが手に入らないと言われているのか?
山崎ウイスキーは、長らく品薄状態が続いており「幻のウイスキー」と呼ばれることもあります。
その背景にはいくつかの理由がありますが、最も大きな要因は急激な需要の高まりと供給の限界です。
ウイスキーは製造後すぐに出荷できるわけではなく、長期熟成が必要なため、一度需要が供給を上回ると在庫不足が長期化します。
原酒不足の深刻化
1983年をピークに2008年までにピークの1/5まで落ち込むほど、日本のウイスキー市場は低迷期を迎えていました。そのため、各メーカーは原酒の生産量を減らしていたのです。
しかし、ウイスキーは熟成に最低でも数年、場合によっては十年以上を要します。そのため、後に需要が急増しても、すぐに生産量を増やすことはできません。
山崎の場合も同様で、特に10年以上熟成させた原酒は限られており、山崎12年や18年などの長期熟成品は慢性的に供給不足となっています。
この原酒不足こそが、山崎が手に入りにくい最大の理由の一つです。
国際的な評価と海外需要の急増
山崎ウイスキーは、国内だけでなく海外の品評会でも数々の賞を獲得しています。
その評価は特に欧米やアジア圏の愛好家の間で高まり、富裕層のコレクション対象として注目されるようになりました。
加えて、中国や中東などの富裕層市場では、日本製の高品質なお酒への需要が拡大。日本国内の限られた生産量に対し、海外からの買い付けが急増したことで、国内市場の入手難度はさらに上がりました。
山崎ウイスキーの種類と特徴
山崎には複数のバリエーションが存在し、それぞれが異なる魅力を持っています。
熟成年数や使用する樽の種類によって香りや味わいが変わり、価格にも大きな差があります。
ここでは代表的な種類をご紹介します。
山崎 ウイスキー ノンビンテージ(NV)
山崎シリーズの中でも最も入手しやすいスタンダードモデルが「ディスティラーズ・リザーブ」です。
熟成年数を明記しない「ノンビンテージ」ですが、若い原酒と熟成原酒をバランスよくブレンドしており、華やかでフルーティーな香りと軽やかな味わいが特徴です。
日常的に楽しむ一本としても人気があります。
山崎 12年
山崎を代表する定番銘柄であり、多くの愛好家が最初に手に取る一本です。12年間の熟成を経ることで、果実やバニラのような甘い香りに加え、オーク樽由来の深みが加わります。
味わいは豊かでありながらも繊細で、国際的なウイスキーコンペティションでも高評価を得ています。
現在では入手が難しく、定価以上の価格で取引されることも珍しくありません。
山崎 25年
25年以上の長期熟成を経た原酒のみを使用した、極めて希少な一本です。
長い熟成によって生まれる重厚で奥行きのある味わいと、熟した果実やダークチョコレートのような香りが特徴。数量が限られているため、世界中のコレクターが探し求める存在となっています。
山崎 50年・55年
山崎シリーズの中でも、数量限定で販売された伝説的な存在がこの2本です。
特に山崎55年は、2020年に発売された際、世界的にも話題を呼び、オークションで数千万円以上の価格がつきました。
50年物も同様に、長期熟成による複雑で深い味わいが魅力で、現存本数が非常に少ないため市場に出ること自体が稀です。
山崎ウイスキーの価値と買取価格
山崎は嗜好品でありながら、資産的な価値を持つ珍しい存在です。
特に長期熟成品や限定品は、時間の経過とともに価格が上がる傾向にあります。
買取価格の相場
一般的な買取価格は、銘柄や熟成年数、状態によって大きく変わります。
例えば、山崎のニュービンテージでも数千円、山崎12年では数万円、さらに山崎18年や25年になると数十万円以上の値がつくことも珍しくありません。
希少な山崎50年や55年は、数百万円から過去には数千万円の取引実績があります。
価格が上がりやすい条件(年代・状態・限定品)
高く売れる条件として、まず熟成年数が長いことが挙げられます。
また、未開封であること、ラベルや外箱の状態が良好であることも重要です。
さらに、限定ボトルや記念モデルはコレクター需要が高く、買取価格が大きく上昇する傾向にあります。
山崎ウイスキーの買取価格で過去最高額は?
過去最高額の取引記録としては、2022年6月17日にニューヨークのサザビーズオークションで、山崎55年が60万ドルで落札された例があります。
これは当時の日本円で約8100万円となり、世界的にも希少な長期熟成ウイスキーの価値は単なる飲料を超え、美術品や宝飾品と同じように扱われた象徴でした。
ウイスキーの価値を新たな人へとつなげるために
山崎ウイスキーは、日本の職人技と自然環境が生み出した、世界に誇る逸品です。
長期熟成や限定生産によって希少価値が高まり、現在では単なる嗜好品を超えて資産的価値を持つ存在となっています。
もしお手元に山崎が眠っていて、この機会に処分しようか迷っていたのであればも、必要とする人やコレクターの手に渡すことで、その価値を次の世代へと引き継ぐことができます。
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<参考文献>
[1] サントリー,「シングルモルトウイスキー山崎」,available at https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/
[2]一橋大学,「日本の酒類のグローバル化--事例研究からみた到達点と問題点--」,available at https://www.ier.hit-u.ac.jp/Common/publication/DP/DPS-A657.pdf?utm_source=chatgpt.com
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