ゲットーとは?未だ世界に多く存在するスラム街・貧困街と現状

最近では「世界三大スラム街」や「世界のスラム街」を取り上げたテレビ番組、あるいはラップ音楽などの文脈でふと出てくる「ゲットー」という言葉を耳にすることがあって気になった方もいらっしゃるかもしれません。
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実はこの「ゲットー」という言葉には、深く重たい歴史と現代まで続く社会課題が潜んでいます。そこで本記事では、「ゲットー」とは何か、その言葉の意味や語源、スラム街や貧困街との違いなどを歴史の流れをたどりながらお伝えしていきます。
「ゲットー」とは
「ゲットー(Ghetto)」という言葉は、ヨーロッパ諸国でユダヤ人が暮らす地区を指すものでした。
もともとは、ユダヤ人が自らの居住区域として形成されたものでしたが、中世ヨーロッパ以降から続く迫害の歴史から、次第に隔離区域としての意味でゲットーと呼ばれるようになり、そこには明確な差別や抑圧の構造が存在していたのです。
とくに20世紀に入り、ナチス・ドイツが支配した地域では、ゲットーはホロコーストの前段階として過酷な現実を突きつける場所となります。
たとえば、ポーランドのワルシャワ・ゲットーでは、数十万人が過密状態で生活を強いられ、栄養失調や感染症で多くの命が失われました。
このように「ゲットー」という言葉には、単なる貧困地域というイメージを超え、歴史的迫害や社会的不公正といった強い意味が込められているのです。
「ゲットー」と「スラム」の違いとは?
「ゲットー」という言葉の意味が理解できると、「スラム(街)」との違いに疑問を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ゲットーとスラムは、どちらも都市の中で経済的に困難な環境に置かれた地域を指すことが多いため、同じような意味で用いられる事もあります。
しかしながら、「ゲットー」は社会的・人種的に“隔離された空間”として、「スラム」は都市開発やインフラが整っていない“居住環境の劣悪さ”という違いがあります。
現代におけるゲットー
現代では、特にアメリカの都市部において、アフリカ系アメリカ人やラテン系住民など、社会的・経済的に不利な立場にある人々が多く住むエリアのことを指して「ゲットー」と呼ぶことがあります。
このように「ゲットー」という言葉には、経済格差や人種差別、教育や医療の格差といった複数の社会問題が複雑に絡み合った地域で用いられる言葉になります。
世界で知られるスラム街
「スラム(街)」は、主に経済的な理由によって形成された不法居住地や極度に貧困な居住エリアを指し、都市の周縁部に広がるバラック群や、衛生環境が劣悪な密集地域などがその典型です。
世界的に知られる場所には、ケニアのキベラ、インドのダーラヴィ、ブラジルのロシーニャがあり、これらは「世界三大スラム街」として知られています。
スラム街は、都市のインフラ整備や経済格差の拡大によって自然発生的に形成された場所であり、人種や宗教による隔離とはまた異なる成り立ちを持っています。
スラム街の事がよく分かるお宝エイド参考記事はこちら
●SDGs11でスラム街の改善を目標とする理由がわかる映画・小説・漫画3選
ゲットーは日本にも存在するのか?
では、私たちの住む日本には「ゲットー」という地域はあるのでしょうか?
結論から言えば、欧米は国家や行政による明確な隔離政策と結びついていたのに対し、日本の場合は文化や歴史、そして地域社会の構造の違いからゲットーと呼ばれる地域はありません。
しかしながら、貧困街という共通点で考えるのであれば、高度経済成長期の日本において存在した「ドヤ街」と呼ばれる場所が存在します。
言葉はあまり日常的には使われません。ただし、差別や社会的排除といった側面から見れば、一定の類似点を持つ地域が存在しているのも事実です。
「ドヤ街」については、下記の記事で詳しくお伝えしていますので、併せて参考にしていただき、ゲットーやスラムとの違いの理解を深めて頂けたらと思います。
「ドヤ街」について詳しく解説したお宝エイドの参考記事はこちら
●日本にスラム街は存在する?「ドヤ街」と呼ばれる場所との違い
ゲットーを取り巻く現状と解決に向けたこれから
「ゲットー」という言葉には、社会の構造的な問題や歴史的な差別の積み重ねが存在していることがお分かり頂けたと思います。
スラム街もしかり、世界には経済的な格差、教育機会の不足、劣悪なインフラなどが複合的に絡み合い、そこに住む人々の生活を長期にわたり制限した歴史が現在もなお続いている場所が存在します。
そうした地域が世界中に存在している現状を目の当たりにすると、私たちがどのような視点でこの問題を捉え、どのように関わっていくべきか、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。
こうした貧困地域や格差課題の解決向けて、各国様々な取り組みをしています。
たとえば、アメリカのいくつかの都市では、ゲットーと呼ばれる地域に新たな学校を建設したり、職業訓練の機会を増やしたりすることで、地域全体の未来を変えていこうという動きが生まれています。
また、地元の若者たちが音楽やアートを通して自分たちの声を社会に届ける文化活動も、外部とのつながりを生む重要な一歩となっています。
その一方で、国や自治体レベルの支援のあり方には慎重さも求められます。
外部からの一方的な“開発”ではなく、地域の住民が自らの意志で未来を形づくっていくプロセスを大切にすること。そのためには、NPO団体の支援や個人間での協力も必要不可欠です。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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