リエゾン -こどものこころ診療所-から『生きづらさ』を考える。誰も取り残さない支援の輪

子どもたちが抱える「生きづらさ」という言葉を耳にするたびに、胸が締めつけられる思いをなさる方も多いのではないでしょうか。
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自分の子育てを振り返ったり、今の社会を見つめ直したりしながら、何か自分にできることはないかと考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。
『リエゾン -こどものこころ診療所-』という作品は、そんな子どもたちの心、そして大人に成長してからの生きづらさに静かに光を当てる物語です。
本記事では、この作品を入り口に、生きづらさを抱え成長する子どもたちを社会から取り残さないために、私たちができることを考えていきます。
『リエゾン -こどものこころ診療所-』の遠野志保と子どもたちの関わりから生きづらさの正体を見る
『リエゾン -こどものこころ診療所-』は、子どもたちの心に寄り添う医療と福祉の現場を描いた物語です。
発達障害や家庭環境の問題など、見えにくい苦しさを抱える子どもたちと、支える大人たちの奮闘が丁寧に描かれています。
本作の主人公である小児科の研修医、遠野志保(とおのしほ)も、幼少期から生きづらさを感じてきた1人でした。
また、遠野志保を受け入れることになった児童精神科・佐山クリニックの院長である佐山卓(さやまたく)もまた、「発達障害」を抱えながら生きてきた人物です。
そんな生きづらさを抱え成長してきた2人が、子ども一人ひとりの声をすくい上げ、小さな違和感にも気づきながら、関わる大人と一緒に問題を整理していく姿勢が作品の軸になっています。
物語を通じて、子どもが「生きづらさ」を感じる理由と、その苦しさをどう支えるかを考えさせられる作品です。
リエゾンで描かれる子どもたちの「生きづらさ」
リエゾンに登場する子どもたちは、一人ひとり異なる背景を持っています。
発達障害の診断がつかずに苦しんだり、学校での孤立やいじめに悩んだりと、表に出にくい苦しさを抱えているのです。
親との関係がこじれ、家の中でさえ居場所を見つけられない子どもも描かれています。
助けを求めたいのに、どう言えば良いのか分からないまま時間だけが過ぎてしまう場面も少なくありません。
子どもが安心して「助けて」と言える場所があるかどうかが、その後の人生を大きく左右します。
「生きづらさ」はなぜ生まれるのか
子どもが「生きづらい」と感じる理由は一つではありません。発達特性に対する社会の理解不足は、その要因のひとつです。
苦手なことを「努力が足りない」と責められれば、子どもは自分を責めるようになります。
さらに、経済的な困窮や家庭内のトラブルなど、複雑な事情が絡み合うことも少なくありません。
学校や地域が支えになれば理想ですが、実際には孤立を深めてしまう子どもが多いのが現実です。
子どもたちを取り巻く日本の現実
発達障害は決して特別なことではなく、誰もが身近に接している可能性があります。
けれども正しく理解されずに、トラブルメーカーと誤解されてしまうケースが後を絶ちません。
家庭環境もまた、子どもの生きづらさに深く影響します。虐待や育児放棄があっても、外からは気づかれにくく、声を上げにくい状況が生まれてしまいます。
学校や地域社会が子どもの居場所になれれば良いのですが、現実にはまだ十分とは言えません。
その一方で、こうした子どもを育てる両親の苦悩を理解してもらえる場、という面も決して進んでいるとは言えません。
声を上げられない子どもたちの増加
近年、不登校の子どもは増え続けています。令和5年度の文部科学省のまとめによると、小・中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人でした。
前年度から15.9%増と過去最多の数となっており、過去を遡ると実に11年連続で増え続けています[2]。
こうした児童たち制度としては支援窓口が存在していても、どこに行けば良いか分からない、行く勇気が出ないという子どもは少なくありません。
そもそも自分で理解できていない障害を抱えている子どもにとっては、その声をどう上げてよいのかも分からないのです。
単純に数字だけでは見えない一人ひとりの「生きづらさ」を、どのように拾い上げるかが大きな課題となっています。
誰も取り残さないために必要とされる支援とは
子どもが生きづらさを抱えたとき、家庭や学校だけに頼るのは限界があります。
誰かが孤立しそうなときに、支援の手が届く仕組みが必要です。
公的な専門機関や相談窓口はもちろん大切ですが、それだけでは届かない部分を埋めているのが、NPO団体などの活動です。
一例として、精神障害や発達障害のある方や重い病気を抱える子どもたちを対象に支援活動を行うNPOとして、このような団体が日々支援活動を行っています。
●認定NPO法人フローレンス
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●一般財団法人重い病気を持つ子どもと家族を支える財団(キッズファム財団)
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行政の支援には限界があり、制度の狭間に取り残される子どもが必ず出てきます。
そのため、こうした各地域で活動をしているNPOという寄り添う存在が増えていくことで、救える命や未来は確実に増えていくのではないでしょうか。
『リエゾン』の意味を理解し支え合う社会に向けて私たちができること
『リエゾン -こどものこころ診療所-』は、子どもが今抱えている「生きづらさ」と、そのまま大人になって社会に出てしまった時に感じる「生きづらさ」の両面を考えさせられる作品です。
「リエゾン」の語源は、フランス語で「結びつき」「橋渡し」を意味する言葉です。
物語の中の診療所のように、誰も取り残さない場所を現実の社会でどうつくるかは、私たち一人ひとりの関心と行動にかかっています。
身近な誰かの小さなサインに気づき、声をかけられる大人が増えること。
必要なときに必要な支援が届く仕組みを、地域の中でつないでいくこと。
それは決して特別な人だけができることではなく、社会の一員として誰もが担い手になれることです。
何か大きなことをする必要はなく、まずは小さな一歩を知ることから始まります。
身近に活動するNPOの存在を知り、その活動を支援するという形で支えることも一つの方法です。
本作をきっかけに支援の輪に一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1]講談社モーニング公式サイト,「リエゾン-こどものこころ診療所-」,available at https://morning.kodansha.co.jp/c/liaison.html
[2]文部科学省,「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,available at https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf
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