ルッキズムとは?SNS時代に日本でも深刻な社会問題について考える

今、世界的な社会問題の1として「ルッキズム」という言葉を耳にする機会が増えています。
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日本語では「外見至上主義」や「容姿差別」とも訳されるこの言葉は、私たちの日常や社会にどのような影響を与えているのでしょうか。
若者や子どもだけでなく、さまざまな年代の人にとっても決して無関係とは言えない、現代社会の深い課題です。
ご自身やご家族、ご友人の体験を通じて、あるいはニュースやドラマなどを通じて「外見による評価」の問題に疑問を感じたことはありませんか。
そこで本記事では「ルッキズム」という現象の本質を知り、その背景や影響、そして私たち一人ひとりができる支援について考えてみたいと思います。
ルッキズムとは?意味と社会問題の背景を知る
ルッキズム(英語:lookism)とは、「ルックス(looks)」と「イズム(-ism)」を組み合わせた造語です。日本語では「外見至上主義」や「容姿差別」といった表現が使われることが多く、単なる好みの問題ではなく、社会的な偏見や差別の一種と位置づけられています。
主に人の外見や容姿を基準として価値判断を下し、その人の能力や性格よりも「見た目」で評価する考え方や行動を指しますが、その一方で「美しさ」の基準はとても画一的なことが問題となっています。
たとえば、ある人がどれほど優れた能力を持っていたとしても、外見が「理想」とされる基準から外れているだけで、不当な扱いを受けたり、評価が低くなったりすることがあります。
こうした現象は、近年ではメディアや広告、特にSNSの普及によって、職場や教育現場、日常的な人間関係でも大きな影響をもたらしています。
外見で判断される風潮が強まることで、個人の自己肯定感が損なわれたり、社会全体で本来評価されるべき多様な価値が見過ごされたりするケースも増えています。
私たちが無意識のうちに身につけてきた「美しさ」や「若々しさ」へのこだわりが、社会全体の偏見や差別を助長している側面も否定できません。
ルッキズムは日本ではいつから存在している?
ルッキズムという言葉が日本で一般的に認識されるようになったのは比較的最近ですが、外見至上主義や容姿差別自体は、実は昔から社会の中に存在してきました。
たとえば昭和の時代にも「美人」「イケメン」といった表現が使われ、学校や職場、家庭の中でも外見が評価や扱いに影響を及ぼすことは珍しくありませんでした。
高度経済成長期には、テレビや雑誌といったマスメディアの力が急速に強まり、特定の容姿が「理想」とされる風潮が根づいていきました。
特に1970年代から1980年代にかけて、アイドル文化の拡大とともに、一般の人々にも「見た目の美しさ」への憧れが高まる一方で、外見によるいじりや差別的な言動も日常的に起きており、「容姿いじり」という揶揄も頻繁に使われるようになりました。
21世紀に入り、世界的なインターネットの普及、そして近年ではSNSの台頭によって、人々の間で外見に対する意識がさらに強まったことは間違いありません。
誰もが自分の写真を簡単に公開できるようになり、個人の外見がより多くの人の目に触れる社会になりました。
こうした中で、見た目による評価や差別の問題が改めて注目されるようになり、「ルッキズム」という言葉も広く使われるようになっています。
このように、ルッキズムは決して新しい社会問題ではなく、時代の変化とともに形を変えながら、今もなお私たちの社会に根強く残っているのです。
現代社会で深刻化するルッキズムが若者・子どもにもたらす生きづらさ
現代の日本社会において、ルッキズムの影響は特に子どもや若者の間で深刻化しています。
外見による評価が学校や家庭、友人関係の中で強く意識されるようになり、自己肯定感の低下や生きづらさにつながるケースが増えてきました。
SNSと写真加工アプリの普及
近年、スマートフォンの普及とともにSNSや写真加工アプリが当たり前のように使われるようになりました。
これにより、若い世代を中心に「より美しく」「より理想的に」見せることが重視されるようになっています。
自撮り写真を加工して投稿することで、現実とは異なる自分を演出できるようになりました。その一方で、こうした加工画像が「普通」とされることで、実際の自分とのギャップに悩む若者や子どもが増えています。
自分の容姿に対する過度なコンプレックスが生まれたり、現実の外見を受け入れられなくなったりするケースも目立ちます。
このような環境は、「美しさ」の基準をますます厳しくし、多様な容姿を認め合う風土を損なう恐れがあります。
SNS上での評価や他者からの反応が、自己評価や自尊心に直結する時代になった今、写真加工アプリの使い方やSNSとの向き合い方にも注意が必要です。
「いいね」文化と承認欲求
SNSの普及に伴い、投稿した写真や文章に対して「いいね」やコメントといった評価がすぐに数値化される社会となりました。
とりわけ若者や子どもにとって、この「いいね」の数は、自分の価値や人気を示す指標のように受け止められやすい傾向があります。
たとえば、友人が多くの「いいね」をもらっていると、自分も同じように評価されたいという気持ちが強まります。
その結果、より見栄えのよい写真や「映える」投稿を意識するようになり、外見へのこだわりが自然と強くなっていきます。
こうしたSNS上の評価軸は、単なる楽しみやコミュニケーションの手段を超えて、自己肯定感や人間関係の形成に大きな影響を及ぼすようになりました。
さらに、実際の自分とSNS上の自分とのギャップに悩んだり、「いいね」の数が少ないことで劣等感を感じたりする子どもも少なくありません。
このような現象は、大人世代が若い頃には想像できなかった新しい社会的ストレスの一つと言えるでしょう。
かつては大人の世界で語られることが多かった外見至上主義ですが、今では小学生や中学生など早い段階から、容姿が人間関係や評価に直結するようになっています。
ボディポジティブの潮流に潜む矛盾
近年、ありのままの自分を肯定する「ボディポジティブ」の考え方が日本でも広まりつつあります。
これは、多様な体型や容姿を認め合い、外見を理由に自分や他者を否定しないという前向きな動きです。
特に若者や子どもたちの間で、外見への過度なプレッシャーから解放されるべきだという声が大きくなっています。
しかし、その一方で「ボディポジティブ」を掲げながらも、SNSやメディアでは依然として理想的な体型や美しさが強調され、無意識のうちに新たな美の基準が生まれている現状も見逃せません。
たとえば、「自分らしさ」をアピールする投稿が、逆に他者への比較やプレッシャーを生むことがあります。
「ありのままでいい」と言いながらも、別の価値観に縛られてしまう矛盾が存在しているのです。
このように外見による評価や「いいね」文化の影響は、子どもや若者にさまざまな生きづらさをもたらしています。
たとえば、「かわいい」「かっこいい」といった言葉でクラス内の序列が生まれたり、「太っている」「肌が荒れている」といった容姿いじりが、いじめのきっかけになることも少なくありません。
また、外見に自信が持てないことで友人関係や恋愛に臆病になったりもするのです。
また、差別やいじりが原因で、大人になってもトラウマとして残り続け、精神的なストレスや不安、場合によっては身体醜形障害や摂食障害などの深刻な問題につながることも指摘されています。
こうした現実を見据えると、学校や家庭、社会全体で外見だけに偏らない人間の価値や個性を大切にする意識が一層求められています。
私たち大人が、子どもや若者の健やかな成長を支えるためにも、ルッキズムについて理解を深め、偏見や差別のない社会づくりに協力していくことが大切と言えるでしょう。
ルッキズムの課題に対して、私たちができること
ルッキズムは、誰もが無意識のうちに加担してしまう社会的な偏見の一つです。その問題に気付き、理解を深めることが、変化への第一歩となります。
学校や教育現場では、多様性やメディアリテラシーを重視した教育を進めることで、次世代の子どもたちが自分らしさを大切にできる社会を目指すこともできるでしょう。
それ以前に、私たち一人ひとりが「見た目」だけにとらわれない価値観を持ち、他者の個性や努力を尊重する姿勢を心掛けることが、社会全体の意識を変えていく力につながります。
社会全体の変革には時間がかかりますが、一人ひとりが自分にできることを意識して取り組むことが、ルッキズムのない公平で温かな社会を築くための大切な一歩となります。
日本では子どもや若者の生きづらさに寄り添い、社会に夢や希望を持てる大人へと成長するための支援を行っている下記のようなNPO団体も数多く存在します。
●認定NPO法人フリースペースたまりば
「たまりば」をお宝エイドで見る
公式サイト
●認定NPO法人鎌倉あそび基地
「鎌倉あそび基地」をお宝エイドで見る
公式サイト
●一般社団法人Nancy
「Nancy」をお宝エイドで見る
公式サイト
私たちができることとして、こうしたNPOの活動を支援することで間接的な課題解決にもつながります。
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