代表作「記憶の固執」で知られるサルバドール・ダリの人生と作品価値
代表作「記憶の固執」をはじめ、絵画にとどまらず、彫刻、版画、舞台装置や衣装のデザイン、映画制作まで多彩な才能で知られた20世紀を代表する画家サルバドール・ダリ。
今回は彼の画家としての人生と作品価値に迫ります。
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サルバドール・ダリとは?アーティストとしての人生を紐解く
幼少期から目覚めた画家としての才能
サルバドール・ダリは1904年5月11日に、スペインのカタルーニャ地方にあるフィゲーラスという小さな町で生まれました。
父は町の公証人、母親は裕福な商家出身と恵まれた家庭に生まれ、幼い頃から絵画に興味を持ったダリを寛容に後押ししてくれました。
その一方で、ダリが生まれる前に亡くなった兄がいて、その兄と同じ名前を付けられていたことを幼少期に知ったダリは、言いしれぬショックを受け、長きに渡って強い劣等感に苛まれていたと言います。
ダリは6歳の時に油絵で風景画を描き、10歳になるとパブロ・ピカソの友人であったカタルーニャの画家ラモン・ピチョットにその才能を見出され、画家としての歩みをはじめることになります。
最愛の母の死とシュルレアリスムとの出会い
順調に画家として歩み始めたダリが17歳の時、最愛の母が病気でこの世を去ります。
これに大きなショックを受けたダリは、当時通っていた美術アカデミーを退学になるなど、荒れた生活を送るようになりました。
そんなダリに大きな転機が訪れたのは、彼が22歳の時。パブロ・ピカソとジョアン・ミロに高く評価され、シュルレアリスムに参加することになりました。
シュルレアリスムとは、1924年にフランスの作家アンドレ・ブルトンによる『シュルレアリスム宣言』で始まった芸術運動で、後にダリはこの中心メンバーとして活躍することになります。
1931年にはサルバドール・ダリを代表する作品『記憶の固執』をニューヨークのグループ展に出品すると、瞬く間にアメリカ中へとその名が広まり、シュルレアリストの代名詞的な存在として注目されるようになります。
参考:ピカソの絵画など。世界中で高い評価と作品価値を持つ理由とは?
多彩な芸術家・表現者としてのダリの生きざま
シュルレアリスムに大きく貢献したダリでしたが、ダリが自分の作品に定義づけた「偏執狂的批判的方法(Paranoiac Critic)」と称した技法は、次第にその枠に収まりきれず、1939年にシュルレアリスト・グループから除名されることになりました。
より強い自由を求めたダリは、絵画にとどまらず、彫刻、版画、舞台装置や衣装のデザイン、映画制作と幅広い分野に表現の場を広げていきました。
この好奇心とチャレンジ精神がサルバドール・ダリの天才たる所以でありましたが、1982年に妻のガラを失うと、激しく落ち込み、そのショックから翌1983年に筆をおきます。
「サルバドール・ダリ」と聞くと奇行な人というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実は非常に繊細でコンブレックスや愛情に飢えていた人生を送っていたと言われています。
サルバドール・ダリの作品と価値
シュルレアリスム代表し、20世紀を代表する多彩な天才芸術家とうたわれたサルバドール・ダリ。彼の代表作にはこのような作品があります。
- 「記憶の固執」(1931)
- 「メイ・ウエストの唇ソファ」(1937)
- 「聖アントワーヌの誘惑」(1946)
- 「レダ・アトミカ」(1949)
- 「十字架の聖ヨハネのキリスト」(1951)
- 「最後の晩餐」(1955)
- 「かたつむりと天使」(1977)
彫刻や版画など、様々な作品を手掛けてきた中でも、油絵の作品は入手困難とされ価値が高く、オークションに出品された際には、数億~数十億円の価格が付くことも珍しくありません。
ダリは、リトグラフやエッチングといった版画作品も多く残していますが、作品によって数万~数十万円で取引されているため、ダリの作品に魅了された方は、お気に入りの1品をお持ちかもしれません。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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