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娘「麗子」を描き続けた孤高の画家・岸田劉生の生涯と作品価値

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日本の美術史において独自の足跡を残してきた孤高の画家、岸田劉生。わずか38歳でこの世を去った彼が何度も描いた娘「麗子」は、国内外で高い評価を得ています。

本記事では、そんな岸田劉生の生涯を紐解きながら、彼の代表作や作品が持つ価値に迫ります。

太く短い人生を絵画に注いだ岸田劉生の生涯を紐解く

若くして画家の才能を発揮した岸田劉生

岸田劉生は1891年に東京の銀座で生まれ、岸田家の9番目の子どもとして育ちました。彼の父、岸田吟香は楽善堂という著名な薬屋を経営しており、裕福な環境で育てられました。岸田劉生は子供のころからやんちゃで知られており、父に特に可愛がられていたと言われています。

1905年に両親が亡くなると、岸田劉生の生活は大きく変わります。楽善堂は規模を縮小し、彼は中学校を中退しました。父の影響で数寄屋橋教会へ通い始め、翌年、15歳で牧師の田村直臣により洗礼を受けクリスチャンとなります。

元々牧師を目指していた岸田劉生でしたが、彼の絵の才能を認めた牧師の勧めにより、17歳で白馬会洋画研究所に入学します。黒田清輝に師事し、1910年には文部省主催の美術展覧会である第4回文展に2作品が選ばれ、彼の才能が広く認められることになりました。

自身の肖像画から娘麗子の作品へ。写実への目覚め

1913年、ヒュウザン会の展示会で出会った小林蓁と結婚した岸田劉生は、翌1914年に長女を迎えます。この時期、彼は北方ルネサンスの画家、デューラーやファン・エイクの作品に触れ、肖像画制作に情熱を注ぐようになりました。

岸田劉生は当時の芸術潮流に逆らう形で、自分の内面に従い描くという方針を掲げ、従来のゴッホやゴーギャンの影響を受けたスタイルから脱却し、より写実的な表現へと移行しました。

そして1918年からは、彼の代表作となる麗子の肖像画の制作を始めることになります。この一連の作品は、岸田劉生の画風の変遷とその芸術への姿勢を象徴するものとして、後に高く評価されることになります。

画家の最盛期からわずか8年で生涯を閉じる

1916年夏、岸田劉生は体調不良に悩まされ、肺結核と診断されます。その翌年、療養を目的に神奈川県の鵠沼へ移住し、そこで6年半を過ごしました。

1920年に30歳の誕生日を迎えた際、「今日より余は30歳となる。新しき心地幾らかする」と日記に記し、その後1925年7月9日まで一日も欠かさず日記を綴り続けたことが知られています。

この期間、岸田劉生は芸術家としての黄金期を迎え、彼を慕う画家や評論家たちが鵠沼に集まりました。草土社の椿貞雄や横堀角次郎もその中に含まれ、中川一政のように岸田家で共に暮らす若者も現れました。

1929年、岸田劉生は南満州鉄道会社の招待で大連への海外旅行に出かけましたが、帰国後1ヶ月で慢性腎炎と胃潰瘍が重なり、その生涯を閉じました。

岸田劉生の代表作と買取価値

このように太く短く画家としての人生を生き抜いた岸田劉生。彼の代表作にはこのような作品があります。

<岸田劉生の代表作>
1914年:自画像
1915年:道路と土手と塀
1918年:麗子肖像(五歳之像)
1923年:童女図/麗子立像

彼の作品は、現在でも数十万円から数百万円の買取価値がつくほど人気で、リトグラフなど版画作品でも、数千円~数万円で取引されています。

特に1918年から1929年6月の「麗子十六歳之像」至るまで、50点近い数を描き続けた長女・麗子をモデルにした肖像画作品は人気が高く、

中でも1920年に制作された「毛糸肩掛せる麗子肖像」は2000年のオークションで3億6,000万円という当時国内最高落札価格を記録した事でも知られています。

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