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子どもの学力低下は深刻?現在の日本教育の在り方や問題点を考える

#学力低下#日本の教育#日本や世界の子どもの貧困の現状と課題に関連するお宝エイド記事一覧

ここ最近、日本の子どもの学力低下について耳にする機会が増えてきました。お子さまやお孫さまをお持ちの方の中には、現在の教育の在り方についてご自身が若かった頃と比較してしまうこともあるかもしれません。

しかしながら、今の子どもたちは昔と比べて本当に学力の低下が著しいのでしょうか。

そこで今回は「日本の学力」をテーマに、現在の教育や問題点について考えていきたいと思います。

日本の学力低下が問題視されたPISAとは

教育水準を測る世界的な指標の1つにOECD(経済協力開発機構)が行うPISA(Programme for International Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度調査があり、日本もこの調査に参加しています[1]。

このPISA調査は、義務教育修了段階の15歳児を対象に、2000年から3年ごとに行われており、直近では2021年度に調査が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で1年延期して実施され、今年2023年に調査結果の公開が予定されています。

PISAでは、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について調査が実施されていますが、2018年に実施された調査では数学的リテラシー:1位、科学的リテラシー:2位、読解力:11位という結果でした。

数学的リテラシーと科学的リテラシーは世界でもトップクラスであった一方で、読解力の順位は2000年の調査では8位だったのに対して、2003年には14位に急落してしまい、その後10位以内にはランクインできない状況が続いています。

この読解力の落ち込みが、学力低下や日本の教育の在り方に警鐘を鳴らす1つの要因として上げられています。

グローバルな情報社会で求められるこれからの日本教育のあり方とは

では、日本の読解力リテラシーは、なぜ急激に落ち込むことになってしまったのでしょうか。

1980年代から始まったゆとり教育による影響という声も多くありますが、2008年以降に移行した脱ゆとり教育以後も、この読解力についての大幅な改善は見られていません。

この読解力の低下の要因として、日本のグローバルな情報社会への遅れが指摘されています。

日本におけるこれまでの国語教育の読解力と言えば、小説やエッセイなどの登場人物や著者の心情を読み取るのが一般的にイメージされるものではないでしょうか。

しかしながら、世界的な教育指標として用いられるPISAでは、今後の国際社会で普遍的になるとされている、インターネットを介した情報から価値や信ぴょう性を評価できる読解力へとシフトしています[2]。

2018年の調査では、このPC型と言われる読解力に全面的に移行した内容だったことから、日本の読解力分野がさらに低下してしまったとも言われています。

こうして見ていくと、単純に現代の子どもの学力が昔と比べて著しく低下したのではなく、日本の学校教育におけるICT(情報通信技術)教育の遅れの影響が反映されているとも考えられるのです。

恵まれた教育環境に潜む教育格差の問題

日本は世界的に見れば義務教育制度が確立されており、教育環境は恵まれています。しかしながら、急速に進んでいくグローバルな社会に通用する子どもたちの育成ができているかと言えば、必ずしもそうではありません。

また近年、OECD各国平均に比べると、日本の大学進学率ははっきりと低下しています。これは生活保護を受けている家庭、ひとり親の家庭、養護施設で暮らす子どもなど、子どもの貧困による教育格差の影響が大きくなっていることが一因とされています。

参考:増加する日本の子どもの貧困と現状。支援先におすすめのNPOまとめ 2020年11月度

そのため、現在の日本に求められることは、教育内容を時代にアジャストしていくとともに、子どもが未来に希望が持てる社会の実現も重要と言えるのではないでしょうか。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

<参考文献>

[1] Tokyo Centre – OECD,available at https://www.oecd.org/tokyo/
[2]文部科学省,「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント」,available at https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

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