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能登のあばれ祭りとは?能登半島地震を乗り越え受け継がれる日本遺産

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令和6年の能登半島地震から復興へと懸命な足取りを続ける石川県能登地方。

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そんな能登であばれ祭りと呼ばれる、350年以上続く夏祭りがあることをご存知でしょうか。

本記事では、あばれ祭りの歴史や見どころを紐解きながら、震災を乗り越えて能登に熱い灯りをともし続けてきた日本遺産の神事をご紹介します。

あばれ祭りとは?能登を代表する勇壮な夏祭り

あばれ祭りは、石川県能登町宇出津地区で毎年7月第1金曜日と土曜日に行われる、能登地方を代表する伝統的な夏祭りです[1]。

正式には「宇出津八坂神社祭礼」と呼ばれますが、神輿や灯籠が激しく扱われる様子から、いつしか「あばれ祭り」という名で親しまれるようになりました。

能登には数多くのキリコ祭りがあり、その先陣を切って行われるあばれ祭りは、最も勇壮で荒々しい祭りとして知られています。

巨大なキリコが火の粉を浴びながら町を進み、神輿が海や火の中へ投げ込まれる光景は、初めて目にする方に強烈な印象を残します。

観光としての華やかさだけでなく、地域の信仰と暮らしが色濃く反映されている点も、この祭りの大きな特徴です。

単なるイベントではなく、土地に根差した祈りの場として、今もなお大切に受け継がれています。

あばれ祭りの最大の特徴「キリコ」とは

あばれ祭りを語る上で欠かせない存在が「キリコ」です。

キリコとは、能登地方の祭りで用いられる大型の灯籠のことで、夜の町を幻想的に照らします。

あばれ祭りは、能登のキリコ祭りの先陣を切る存在としても知られており、高さおよそ7メートルにもなる大型のものが中心で、大正以前には高さ10メートルを超えるキリコが20数本巡行していました[1]。

例年約40基が町に繰り出し、大松明の火の粉を浴びながら担ぎ手たちの掛け声とともに進む様子は非常に迫力があり、遠方から見ても存在感を放ちます。

光と炎、そして人の熱気が一体となった光景は、あばれ祭りならではの象徴的な場面といえるでしょう。

あばれ祭りはいつから始まった?歴史と由来を紐解く

あばれ祭りは、単なる観光行事ではなく、長い年月をかけて地域に根付いてきた信仰行事です。

ここからは、あばれ祭りが始まった時代や、その後の歩みを見ていきましょう。

あばれ祭りの始まり

あばれ祭りの起源は、今からおよそ350年前、江戸時代の寛文年間にさかのぼります。

当時、この地域では疫病が流行し、多くの人々が不安な日々を過ごしていました。

そこで、京都の祇園社から須佐之男命(すさのおのみこと)、通称牛頭天王を勧請し、疫病退散を願う祭礼を行ったことが始まりと伝えられています。

牛頭天王は、天照大神の弟神であり、災厄を払い人々を守る神として信仰されてきました。

あばれ祭りの見どころと言われる神輿が「日本一荒い」と言われる理由

あばれ祭りを象徴する存在として、多くの人の記憶に残るのが神輿の激しい動きです。

初めて映像や現地で目にすると、その荒々しさに驚かれるかもしれません。

しかし、この神輿の扱い方こそが、あばれ祭りの本質を表している重要な要素です。

あばれ祭りでは、神輿が激しく扱われるほど神が喜び、願いが叶うと考えられてきました。

神輿が壊れることすら、決して不吉なことではありません。それだけ神の力が発揮された証と受け止められてきたのです。

この考え方の背景には、疫病退散や災厄除けを強く願ってきた地域の歴史があります。

神輿を荒々しく扱うことで、神の力を最大限に引き出し、人々の暮らしを守ってもらう、その切実な祈りが、今も祭りの所作一つひとつに息づいています。

その神を呼び寄せる行為として、神輿を海や川の中、火の中に投げ込み、叩いたり、壊したりするなど荒々しく扱う独特の信仰観が、あばれ祭りの原型となりました。

あばれ祭りの歴史と受け継がれてきた意味

時代が移り変わっても、あばれ祭りは単なる娯楽行事になることなく、地域の祈りの場として守られてきました。

災害や疫病、厳しい自然環境と向き合ってきた能登の人々にとって、祭りは心をひとつにする大切な機会だったのです。

神輿やキリコが壊れるほど激しく扱われるのは、決して乱暴さを競うためではありません。

神を敬い、地域を守ってほしいという切実な願いが込められています。

その精神があるからこそ、現代においても多くの担い手が集い、祭りが続いているのだといえるでしょう。

日本遺産に認定されたあばれ祭りの文化的価値

あばれ祭りは、その迫力だけで注目されているわけではありません。

能登の暮らしや信仰を今に伝える貴重な文化として、高い評価を受けています。

その象徴が、日本遺産に認定されていることに他なりません。

日本遺産「灯り舞う半島 能登」

あばれ祭りは、日本遺産「灯り舞う半島 能登 〜熱狂のキリコ祭り〜」の構成文化財の一つに認定されています[2]。

この日本遺産は、能登半島各地で行われるキリコ祭りを通じて、人々の祈りや生活文化を物語として捉えたものです。

巨大な灯籠が夜の町を照らし、人々が一体となって神を迎える姿は、能登ならではの文化といえます。

あばれ祭りは、その中でも特に象徴的な存在として位置づけられています。

あばれ祭りが持つ地域文化としての意義

あばれ祭りは、観光資源であると同時に、地域の人々が誇りを持って守り続けてきた行事です。

世代を超えて受け継がれることで、地域のつながりを保ち、人と人とを結び付ける役割を果たしてきました。

外から訪れる人にとっては迫力ある祭りでも、地元の方々にとっては日常と信仰の延長にあります。

その積み重ねこそが、あばれ祭りを単なるイベントではなく、文化遺産として価値あるものにしているのです。

能登半島地震とあばれ祭りの現在

令和6年に発生した能登半島地震は、能登地域に暮らす人々の生活や文化にも大きな影響を与えました。

あばれ祭りも例外ではなく、開催の可否や継続のあり方について、地域内で多くの議論が重ねられてきました。

ここでは、地震後の祭りの状況と、その意味について考えていきます。

能登半島地震後のあばれ祭り

地震によって、宇出津地区を含む能登町でも建物や道路に被害が出ました。

そのため、あばれ祭りの開催については、地震のあった安全面や準備体制を慎重に見極めながら判断されました。

祭りを完全に途絶えさせないことを大切に考える声も多い一方で、反対の声も当然のごとくありましたが、能登半島地震から半年後にあばれ祭りは例年通り開催。しかしながら、参加を断念した町会もありました。

翌令和7年(2025年)は地震前に迫る36町会が参加し町は活気を取り戻しましたが、その背景には「傷ついた町に祭りが必要なのか」という声はいまだ消えることはありません。

祭りが持つ「つながり」と「再生」の力

災害の後、人と人とのつながりはこれまで以上に重要になります。

350年以上、何世代にも渡って受け継がれてきたあばれ祭りには、地域の人々が顔を合わせ、力を合わせる場としての役割があります。

準備や運営を通じて自然と生まれる協力関係は、復興への大きな原動力となります。

また、外から訪れる人が祭りに関心を持ち、現地に足を運ぶことも、地域を支える力になります。

祭りを見ること自体が、能登を応援する行動の一つにもなっていることは間違いありません。

あばれ祭りは、過去から続く祈りであると同時に、未来へ進むための再生の象徴ともいえるでしょう。

あばれ祭りは能登の魂が体感できる祭り

あばれ祭りは、激しさや迫力だけで語り尽くせる祭りではありません。

その根底には、疫病や災害から地域を守りたいという切実な願いと、人々の強い結びつきがあります。

巨大なキリコや荒々しい神輿の背景を知ることで、いざ現地に足を運んだ時の祭りの見え方は大きく変わるはずです。

能登半島地震を経験した今だからこそ、あばれ祭りが持つ意味はより深まっています。

現地を訪れ、祭りの空気を感じることは、能登の今と向き合うことにもつながります。

現在、被災地では様々な支援が行われていますが、一例として下記のNPO団体が災害発生直後から避難所で水や衛生用品等の物資配布をはじめとした支援活動を行っています。

いまだ被災地の混乱は収まっていないため、個人としてどのような支援をするのが良いのか、自分には何ができるのか、とお考えの方も多いかもしれません。

お宝エイドでは、上記でご紹介したような、被災地で復旧活動や被災者のサポートを行っているNPOの活動を支援する形で、能登半島地震への支援へとつなげています。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

<参考文献>
[1] 【公式】あばれ祭公式サイト,available at https://abarematsuri.jp/
[2]文化庁-日本遺産ポータルサイト,「あばれ祭(宇出津のキリコ祭り)」,available at https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/433/

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