ワンオペ育児とは?子育てにおける真のジェンダー平等を実現するために
結婚して家を離れたお子様が、お孫さんを連れて帰省してきた際に、ふと告げられた「ワンオペ育児」の悩み。夫婦間の問題ですし、親としてもどのように力になってあげればよいか分からないものですよね。
今回は現代の社会問題の1つとなっているワンオペ育児をテーマに、当事者がどのような事に悩み、第三者である私たちが協力できることについて考えていきたいと思います。
ワンオペ育児とは?引きこもりや育児ノイローゼにつながる問題を知る
ワンオペ育児という言葉は、「ワンオペレーション育児」の短縮形です。もともと「ワンオペレーション」とは、飲食店やコンビニで一人の従業員が店舗運営を担当する状況を指す言葉でした。
この言葉が転じて、家族やパートナーの支援がなく、一人で子育てを行う状況を表すようになりました。この場合、特に多くの母親がこのような育児スタイルに直面しています。
現在の社会において、ワンオペ育児が問題とされる理由は主に3つに分けられます。
パートナーの仕事が多忙
パートナーが単身赴任ではないにも関わらず、仕事が非常に忙しく、朝早くから夜遅くまで勤務していると、ワンオペ育児になるケースが多いです。
パートナーが仕事で不在の時間が長いだけでなく、家に帰ってきても疲労が著しいため、家事や育児を頼むのをためらう人が多いと言われています。
近くに頼れる人がいない
昔の日本では、多くの家庭が三世代同居の形態をとっており、両親だけで手が回らないときは祖父母が家事や育児を支援するのが普通でした。
しかし、現代では核家族が主流となり、多くの家庭が実家から遠い場所で暮らしています。その結果、困ったときに頼ることができる近くの親族がいない夫婦も少なくありません。
シングルマザーまたはシングルファザーの増加
シングルマザーまたはシングルファザーと言ったひとり親になると、当然ながら育児や家事を分担できるパートナーがいないので、ワンオペ育児になります。
2000~2009年をピークに離婚数は減少傾向にあります[1]が、近年では結婚しないで子供を育てる選択的シングルマザーは約2倍近く増加しています[2]。
引きこもりや育児ノイローゼにも。未だ専業主婦なら「当たり前」と言われるワンオペ育児の現実
かつて昭和の時代には、「男は外で働き女は家庭を守る」という夫婦の形が当たり前とされた事もありました。
令和の現代では、男性の育児休暇取得や国際的なジェンダー平等の推進もあってその風潮は消えつつあると思われる一方、未だに子育てにおいては女性への負担が大きいままとなっています。 2024年2月9日に総務省統計局から公表された最新の「労働力調査」によると、以下のようになっています。
この数字を見れば、明らかに女性の方がワンオペ育児を強いられている環境にあるかお分かり頂けるのではないでしょうか。
このように、一方が収入を得るために働き、もう一方が家事や育児を主に担う分業制において、ワンオペ育児は当然とされる考え方がいまだ根強く残ってしまっているのが現状なのです。
もっと言えば「家にいて仕事をしていない専業主婦なら、子育てを主にするのは自然なことでは」という意見も、いまだ多く存在しているのです。
ワンオペ育児の限界を迎える前に「育児支援の力」にSOSを
ワンオペ育児で悩む方の多くは、育児そのものだけではなく、パートナーとの関係性や仕事との両立など、様々な問題を抱えているため、親しい人に相談しても抜本的な解決にはつながらないという理由から、1人で抱え込んでしまうケースがあります。
また、そもそもワンオペ育児に対する悩みをどこで相談したら良いか分からないという声も多いと言われています。
実は行政やNPO法人など、こうしたワンオペ育児を始めとした、子育て支援を行う機関は存在しています。
例えば、特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパンでは、地域の子育て経験者がボランティアとして安心安全に子育て家庭を訪問支援できる「家庭訪問型子育て支援」を行っています。
◆特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパン
・「ホームスタート・ジャパン」をお宝エイドで知る
・公式HP
両親や知人・友人など、自分の性格や家庭環境を知っている人だからこそ育児の相談はしづらいものです。
そのため、こうした第三者の支援の力を借りて、ワンオペ育児の負担や悩みを減らしていく事を考えてみてはいかがでしょうか。
本記事で紹介した「特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパン」をはじめ、お宝エイドでは様々な物品を通じてNPO団体の支援を行うことが出来ます。お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。あなたもお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。
(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1] 厚生労働省,「令和3年(2021)人口動態統計の年間推計について」,available at https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22252.html
[2]こども家庭庁,「令和 3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」,available at https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf
[3] 統計局ホームページ,「労働力調査 主な結果」,available at https://www.stat.go.jp/data/roudou/2.html
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