家庭ごみ削減で私たちにできること 海外のごみを減らすユニークな事例に学ぶ
可燃ごみや不燃ごみ、ビンやペットボトル、ブラスチックごみなど、私たちは毎日のように家庭ごみを捨てています。
このように私たちが排出するごみは地球温暖化や天然資源の減少、海洋生物への影響など、地球上に様々な問題を与えることから、世界的にごみの削減は、持続可能な社会にとって大きな課題の1つとなっています。
今回は、海外で取り組みが行われているごみ削減のユニークな事例をご紹介しながら、日本のごみ問題の課題を知り、私たちができる行動を考えていきたいと思います。
家庭ごみ削減で効果が見られたフランスの事例
現在フランスでは、家庭ごみ削減の仕組みづくりとして「pay-as-you-throw(PAYT)」という取り組みが書く地方自治体を中心に広がっています。
PAYTとは、ごみを捨てた量だけを支払う制度で、一定量を超えると料金が発生して、量が多くなるにつれて料金が高くなる仕組みです。
収集の際にマイクロチップを活用することでスマートフォンのアプリとの連動が可能となっていて、ごみを捨てる住民および地方自治体がどれだけのごみを排出しているのか簡単に把握できるシステムとなっています。
2022年時点ではフランス国内の640万人がPAYTの対象となっており、フランスの環境・エネルギー管理庁(ADEME)の公表によると、一般廃棄物の排出量の削減を30~50%実現できたとされています[1]。
日本の家庭ごみ削減の取り組みと課題
こうしたフランスの取り組みは、フランスの他にも欧州諸国を中心に広まっています。
一見するとユニークな家庭ごみ削減のアイデアのように感じますが、日本に目を向けて見ると、私たちも「自治体指定のごみ袋の購入」という形で手数料を支払っている方も多いのではないでしょうか。
環境省の調査によると、2021年時点で1154の自治体ごみ袋が有料化されています。これは全国の自治体の約66.3%にあたります[2]。
この割合が多いか少ないかの議論はひとまずとして、現状私たちが住む日本では、1人1日当たりのごみ排出量は890グラム(2021年データ)となっており、年々減少傾向にあるものの、最終処分場の確保は引き続き厳しい状況に変わりないとされています[3]。
同じ従量課金制でありながら、PAYTと違うのは、私たちが「ごみの量を減らそう」という意識につながるか、つながらないかという点であるのかもしれません。
ごみ問題の現状を知り私たちができるごみ削減の行動を
ごみ削減の意識という点では、日本各地で実際にどのようなごみ問題があるのかを知ることも重要です。
一例として、河川・海洋ごみの課題解決に取り組むNPO法人荒川クリーンエイド・フォーラムによると、埼玉県から東京都の都市部を流れる荒川では、約300㎡エリアにペットボトルを始めとした人工系のごみが、推計5万本が漂着・体積していると言われています。
◆NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム
・お宝エイドで見る
・公式サイトで見る
こうした人工系のごみは、河川や海に住む魚介類や鳥類にからみついたり、誤飲・誤植したりすることで、個体数の減少や人体への影響にも懸念されています。
また、日本自然保護協会によると、日本では約3,600種もの生き物が絶滅の危機にさらされているとされ、こうした生き物が絶滅することで、日本の生態系のバランスが崩れてしまい、私たちの生活にも影響を及ぼす恐れがあるとされています。
◆公益財団法人日本自然保護協会
・お宝エイドで見る
・公式サイトで見る
このように、私たちがごみを減らしていくためには、私たち自身がそれを意識する機会を持つ必要があります。海外の事例のようにいきなり仕組みを変えるのは難しいですが、今起こっている現状を自ら積極的に知ることは可能です。
この機会に、身の回りに起こるごみ問題を知り、私たちができる「ごみ削減」の行動をはじめていきましょう。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
[1] ADEME,「Observatoire du développement de la tarification incitative au sein des grandes agglomérations – 2ème édition」,available at https://librairie.ademe.fr/dechets-economie-circulaire/5305-observatoire-du-developpement-de-la-tarification-incitative-au-sein-des-grandes-agglomerations-2eme-edition.html
[2]環境省,「令和4年度一般廃棄物処理事業実態調査結果(令和3年度実績)」,available at https://www.env.go.jp/content/900537272.pdf
[3] 環境省,「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について」,available at https://www.env.go.jp/press/press_01383.html
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