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『ピアノの森』の森の端と一ノ瀬海の人生からドヤ街に生きる人の可能性を考える

#スラム#日本や世界の貧困問題に関連するお宝エイド記事一覧

現在、世界的な社会問題として貧困や格差は大きな課題の1つとなっています。

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本記事では、アニメ・漫画作品として知られる『ピアノの森』の舞台として描かれている“森の端(もりのはた)”とそこで生まれ育った主人公一ノ瀬海(イチノセ カイ)の人生を

高度経済成長期の日本における社会問題の1つとして象徴されたドヤ街と重ねながら、貧困・格差問題解決に向けた糸口を考えていきたいと思います。

『ピアノの森』とは?ピアノを通じた人生を描く物語

クラシック音楽と人間ドラマを融合させた異色の漫画作品『ピアノの森』。作者・一色まこと氏によって描かれた本作は、1998年から2015年まで講談社の『モーニング』誌で連載され、全26巻で完結を迎えました[1]。

この作品が多くの読者の心を打った理由は、単なる音楽漫画の枠を超えて、「才能とは何か」「努力とはどうあるべきか」「人はどう生きるのか」といった深いテーマを一貫して描き続けた点にあります。

一ノ瀬海が生まれた街 “森の端”とドヤ街を重ねて

『ピアノの森』の物語の起点とも言える場所が、主人公の一ノ瀬海が暮らす「森の端」という地域です。

作品の冒頭に登場する、この森の端という舞台設定には、強烈なリアリティと詩的な象徴性が混在しています。

森の端が実在する場所をモデルにしているかどうか、作者は明言していませんが、この場所を見れば、高度経済成長期の日本を知る人にとっては、かつて存在した「ドヤ街」と結びつく方もいらっしゃるかもしれません。

ドヤ街とは、大阪の西成や東京の山谷といった、日雇い労働者が多く住んでいた地域を指す言葉で、1970年代から90年代にかけて、高度経済成長期の影に潜む日本の社会問題の1つとして取り上げられた背景を持ちます。

現代で言うスラム街のような「モラル」という言葉がどこか置いてきぼりとなってしまったドヤ街については、下記で詳しくご紹介していますので、併せてご参考ください。

参考:ドヤ街とは?歴史背景から考える日本の住み続けられるまちづくり

そんなかつてのドヤ街のような森の端で生まれたカイは、3歳の頃から森の奥に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育ったことで、後に天才ピアニストとしての才能を開花させていくこととなります。

人の人生は環境に左右されない。人との出会いと想いによって豊かになっていくもの

彼の運命が大きく動き出すのは、カイが通う小学校にやってきた雨宮修平(あまみや しゅうへい)という転校生の存在でした。

誰にも教わらずにピアノと向き合ってきた海とは対照的に、裕福な家庭で育った修平は、幼い頃からピアニストの家系に育ち、一流の音楽教育を受けてきました。

この生まれ育った環境も、音楽との向き合い方もまったく異なる二人の出会いから物語は大きく動き出します。

また、カイの学校の音楽教師である阿字野壮介(あじの そうすけ)という人物も本作の重要なキーパーソンの1人です。

彼は元天才ピアニストとして名を馳せた人物でしたが、事故により演奏家生命を絶たれた過去を持ちます。

そんな彼がカイの非凡な才能を知ったことをきっかけに、師としてカイの才能を開花させると同時に、自身もまたピアニストとしての再生の物語を生きる一人としての道を歩みます。

一ノ瀬海、雨宮修平、阿字野壮介、この3人は年齢も違えば育った環境も違いますが、ピアノという共通の存在を通じて出会い、関わり合いを強めることによって、それぞれの人生を作り上げていくのです。

“森の端”に生きる人には無限の可能性がある。私たちができる支援の力

社会から隔離されたかのような森の端。その対比として描かれているのが、磨き上げられたピアノ、裕福な家庭の中で暮らす雨宮修平の世界になります。

このような構図は、都市の豊かな中心部と、周縁に追いやられた人々との格差構造そのものを映し出しているのかもしれません。

しかし、そんな厳しい環境であっても “才能の芽”が生まれ育つ土壌は平等であることをピアノの森という作品を通じて私たちは理解する必要があるのではないでしょうか。

現在、日本からドヤ街という言葉は影を潜めつつありますが、依然としてその地域や暮らす人々には、目に見えない差別や経済困窮という問題が潜んでいます。

そしてひとたび世界に目を向ければ、至る所にスラム街は現在進行系で存在しています。

一ノ瀬海は、雨宮修平、阿字野壮介という運命的な出会いによって才能が開花し、人生を変えることができました。

しかしながら、現実では、貧困や格差に苦しむ大多数の人は才能や熱意があっても、環境が大きな足枷となって、与えられた人生を必死に生きています。

こうした社会課題は決して他人事ではなく、いつ私たちの身の回りに起きても不思議ではありません。

だからこそ、誰もが平等に生まれ持った才能を発揮できる社会を実現すること、そのために私たちができる支援の在り方について、この機会に考えてみましょう。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

<参考文献>

[1] ピアノの森|モーニング公式サイト – 講談社の青年漫画誌,available at https://morning.kodansha.co.jp/c/pianonomori.html
[2]【公式】TVアニメ「ピアノの森」,available at https://piano-anime.jp/index.html

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