サーキュラーエコノミーとは?リサイクルとの違いを知って不要品を支援の力に
最近耳にする機会が増えてきたサーキュラーエコノミーという言葉ですが、まだ詳しく理解されていない方も多いかもしれません。
今回はサーキュラーエコノミーについて理解を深め、年末と言うご自宅や実家の大掃除をするこの機会に、長年使わずにしまっておいたお役目を終えた不用品の数々から、持続可能な社会につながる行動のきっかけとして頂ければと思います。
お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。この機会にお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。
※もし、ご支援される際に「譲渡所得税」や「寄付金控除」についてご心配の場合は、ご支援される団体様までお問合せください。
サーキュラーエコノミーとは?
サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、製品や素材、資源が一度使われた後に捨てられる一方通行のリニアエコノミー(線形経済)とは異なり、特にヨーロッパで強調されている持続可能な経済モデルです。
この経済モデルは、資源や素材の価値をできるだけ長期間維持し、廃棄物を最少に抑えることで、資源使用が環境に与える影響を軽減することを目指しています。
サーキュラーエコノミーの実現が必要とされる理由
現代の大量生産・大量消費型の社会活動は、大規模な廃棄物を生み出し、健康な物質循環を妨げています。これにより、気候変動、自然資源の減少、生物多様性への影響など、多くの環境問題に直接的な影響を及ぼしています。
また、資源やエネルギーの需要が増加し、廃棄物の量も世界規模で増加しているため、持続可能な資源利用を目的とした「循環型経済」への移行が、世界的な傾向として認識されています。
サーキュラーエコノミーとリサイクルとの違い
ここまで話を聞くと「リサイクルとはどう違うの?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リサイクルを含め、日本の環境政策として3R(スリーアール)を推進してきました。
・リデュース(Reduce):物を大切に使い、ごみを減らすこと
・リユース(Reuse):使える物は、繰り返し使うこと
・リサイクル(Recycle):ごみを資源として再び利用すること
(一部参考引用:環境省[2])
3Rは、リニアエコノミーを基にしており、廃棄物の発生をある程度受け入れつつ、リサイクルなどを通じて廃棄までの期間を延長する考え方です。
一方で、サーキュラーエコノミーは廃棄物や汚染の発生を根本から防ぐことを核としており、廃棄物の発生自体を抑制する製品ライフサイクルの設計が求められます。
この経済モデルでは、製品が再利用やリサイクルしやすいように設計すること、製品の耐久性を高めるメンテナンス、さらにはリースやシェアリングを通じた利用効率の向上も大切にされています。
サーキュラーエコノミーの対応事例
では、具体的にサーキュラーエコノミーの仕組みを取り入れた事例にはどんなものがあるでしょうか。
お宝エイドでは、過去に自治体や企業が取り組む3つのサーキュラーエコノミー事例について触れています。
鹿児島県大崎町:大崎リサイクルシステム
「大崎リサイクルシステム」は、住民、企業、行政が協力して運営する、平成10年から鹿児島県大崎町で始まった、焼却炉を使用しない廃棄物処理システムです。
およそ20年以上実施されたごみの分別回収により、大崎町では埋立ごみが80%以上削減されました。これにより、当時からもうすぐ満杯になると予想されていた埋立地は、現在でも約40年間使用可能と見込まれています。
参考:リサイクル率日本一!SDGs未来都市・鹿児島県大崎町の取り組みに学ぶ
岩手県小岩井農場:循環型農場
岩手県雫石町に位置する総合生産農場、小岩井農場は130年以上の歴史を持ち、創業以来、自然と共生することに注力してきたことで知られています。
小岩井農場はこれまで様々な技術を開発し、多くの団体と連携しながら自然環境を整備してきました。
サーキュラーエコノミーへの取り組みとして、農場内の家畜からの排せつ物や近隣の食品工場からの加工残渣を活用してメタンガスを発生させ、これを使った発電や堆肥作りを行い、その過程で得られる液肥を農地に戻すことで、持続可能で循環型の農業を実践しています。
参考:岩手・小岩井農場が取り組むSDGs15につながる循環型農業とは?
宮崎県霧島酒造:サツマイモ発電
宮崎県にある霧島酒造は、10年連続で焼酎の売上高日本一を誇ります。
年間に10万トンの芋を使って5,000万本の一升瓶を製造する中で、製造過程で発生する焼酎かすが長い間課題でした。
この問題に対処するため、2003年から焼酎かすの廃液処理に着手し、2006年には焼酎かすをリサイクルするためのプラントを設立しました。
このプラントは2012年には国内最大級の規模に拡大し、焼酎かすからメタン発酵を行い生成されたバイオガスを、焼酎製造のボイラ燃料として利用するようになりました。
そして、2014年にはバイオガスの利用率を100%にすることを目標に「サツマイモ発電」事業をスタートしました。
現在、このプロジェクトは年間850万kWhの発電量を達成しており、これは一般家庭約2,400世帯分の電力消費量に相当します。
参考:霧島酒造の「サツマイモ発電」にヒントを。SDGsで私たちができること
自宅に眠っていた「不要品」から支援の力につなげよう
サーキュラーエコノミーという取り組みは一見すると壮大なプロジェクトのように思えますが、私たちの日々の生活の中でも意識して取り組めばできることはたくさんあります。
その一例として、冒頭でもお話した年末の大掃除などの機会に「不要品」に目を向けてみましょう。
「ふようひん」という言葉には「不用品」と「不要品」の2種類の漢字が充てられると思います。
「不用品」は壊れてしまったり修復できない物なので捨てなければいけませんが、「不要品」は、あなたにとってお役目を終えたものであって、他の人や社会にとって価値が眠っているものもたくさんあります。
お宝エイドではそうした価値が残されている「不要品」をNPO団体の活動へと循環する取り組みを行っています。
お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。
あなたもお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。
※もし、ご支援される際に「譲渡所得税」や「寄付金控除」についてご心配の場合は、ご支援される団体様までお問い合わせください。
<参考文献>
[1] 環境省,「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」,available at https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html
[2] 環境省,「3R推進キャンペーンを実施しています」,available at https://www.env.go.jp/recycle/3r/campaign/campain.html
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