シベリア・シリーズを描いた香月泰男-驚きの鑑定結果でも有名な作品価値
「シベリア・シリーズ」を代表作として知られる香月泰男(かづきやすお)。
昭和を代表する洋画家の一人として知られていますが、彼が生み出した作品の背景には、壮絶なシベリア抑留での体験がありました。
本記事では香月泰男の人生を紐解きながら、彼が創り出してきた作品価値について迫ります。
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シベリア抑留に翻弄された香月泰男の略歴
1911年(明治44年)10月25日に山口県大津郡三隅村(現在の長門市)で生まれた香月泰男。
幼くして両親が離婚し家を出ていってしまい、代々続く医者家系の厳格な祖父母に育てられることになりました。
両親のいない孤独な幼少期に彼を支えていたのは大好きな絵を描くことで、山口県立大津中学校(現・山口県立大津緑洋高等学校)卒業後に美術の道を志し、1931年に2浪の末、東京美術学校に入学しました。
明るい色調と繊細なタッチで画風の基礎を形成していった若手時代
学生時代はゴッホ、梅原龍三郎、ピカソらに影響を受け、洋画と東洋画を融合した油絵を追求していきました。
東京美術学校卒業後には美術教師として生計を立てながら、結婚と3人の子どもに恵まれるなど温かい家庭を築き、画家としての評価を得た彼の作品は、明るい色調と繊細なタッチの画風が特徴的でした。
画家としての人生を大きく変えた太平洋戦争とシベリア抑留の経験
画家としての人生を順調に歩みだした香月泰男でしたが、当時は世界大戦という激動の時代。
1942年に勃発した太平洋戦争に彼も召集を受けて、満州のハイラルへと派遣されることになりました。
3年に渡る軍人としての勤めを果たし、日本の敗戦を中国で知った泰男は、ようやく画家に戻れると思っていた矢先に、抑留者の一人としてシベリアに送られ、後の壮絶な2年間の経験が後の彼の画家としての人生に大きな影響と転機を与えることになります。
黒と黄土色でキャンバスに表現した「シベリア・シリーズ」
1947年にシベリア抑留から帰還した泰男は教師に復職し、これまで同様に日常のありふれた物や風景をテーマとした作品を制作しました。
しかし、シベリア抑留での過酷な経験は、怒り・悲しみ・罪悪感など、言いようのない記憶が彼の心から消えることはなく、その想いを吐き出すかのごとく、1956年からシベリアの体験を描いた作品を描き始めました。
その色調や画風はこれまでの香月泰男とは180度異なり、黒と黄土色を基調とした暗く重い作風となります。
後にこれが彼のトレードマークとなり、19659年には「シベリア・シリーズ」で第1回日本芸術大賞を受賞。1974年に62歳の若さで死去するまで、57点のシベリア・シリーズを描き続けました。
あの鑑定番組でもその名を知られた香月泰男の作品価値
「シベリア・シリーズ」で名実ともに日本を代表する画家となった香月泰男の作品は、歴史的テーマと芸術性の両面を持ち合わせていることから、非常に高い価値があるとされています。
彼は生涯で大小合わせて数多くの作品を制作してきたと言われていますが、その中でも「シベリア・シリーズ」57点の価値は最高の評価を得ています。
某鑑定番組では、2022年3月と7月に出品された作品に430万円、700万円という驚きの鑑定額がついたことでも、記憶に新しいところではないでしょうか。 香月泰男の座右の銘として知られる「一瞬一生」にある通り、彼の作品1つ1つには彼の一生という価値が詰まっているのです。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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