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ビオトープとは?意味や役割、作り方、生息する生き物をわかりやすく解説

ビオトープとは、生き物が暮らす場所のこと

ビオトープとは、動物や植物などが互いに関わりながら暮らす場所を指す言葉です。

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簡単に表すと、さまざまな生き物の生活を支える小さな生態系といえます。

一般には、学校や公園に作られた小さな池、睡蓮鉢でメダカや水草を育てる環境などがビオトープとして知られています。

しかし、本来は人工的な池だけを意味する言葉ではありません。

湿地、草原、雑木林、川辺、水田なども、特定の環境と生き物のまとまりが保たれていればビオトープに含まれます。

ビオトープの語源は、ギリシャ語で生命を意味する言葉と、場所を意味する言葉を組み合わせたものです。

ドイツ語のBiotopとして広まり、日本でも自然保護や環境教育の分野で使われるようになりました。

ビオトープで重要なのは、単に水や植物があることではありません。

生き物が餌を得る、外敵から隠れる、休む、産卵する、成長するといった生活を続けられることが大切です。

ビオトープにはどのような役割がある?

生き物のすみかになる

ビオトープの基本的な役割は、生き物にすみかを提供することです。

水辺があればトンボなどの昆虫が産卵に訪れ、水草はメダカの隠れ場所や産卵場所になります。

周囲の草木も、昆虫の餌や鳥の休憩場所として利用されます。

都市部では、開発や舗装によって自然の水辺や草地が減っています。

庭、学校、公園などに設けられたビオトープは、失われた環境を完全に再現するものではありませんが、生き物が立ち寄ったり暮らしたりできる場所を補う役割を果たします。

離れた自然をつなぐ中継地点になる

小さなビオトープでも、地域に点在することで生き物の移動を助ける可能性があります。

たとえば、トンボや鳥にとって、公園の池と住宅地の庭にある水辺は、餌を探したり休んだりする中継地点になります。

一つひとつは小規模でも、複数の緑地や水辺がつながれば、生き物が移動できる範囲は広がります。

このような自然環境のつながりも、ビオトープが持つ大切な価値です。

自然の仕組みを学ぶ場所になる

ビオトープでは、植物の成長、昆虫の羽化、魚の産卵、落ち葉の分解などを身近に観察できます。

そのため、学校や地域施設では環境学習の場としても活用されています。

水が濁る理由や季節によって現れる生き物が変わる様子を観察すると、自然は多くの要素の関係によって成り立っていることがわかります。

子どもだけでなく、大人にとっても身近な自然を見直すきっかけになります。

生物多様性を守る助けになる

生物多様性とは、多様な生き物が存在し、それぞれが関係しながら生態系を形作っている状態のことです。

地域の自然に配慮して作られたビオトープは、昆虫、植物、小動物などの生活を支え、生物多様性の保全に役立つ場合があります。

ただし、水を入れた容器を置くだけで自然保護になるわけではありません。

地域にいなかった生き物を持ち込むと、かえって在来の生態系へ悪影響を与える可能性があります。

自然を守るには、その地域にもともとある環境との調和を考えることが重要です。

ビオトープと池・水槽・アクアリウムの違い

池との違い

池は、水がたまっている場所を広く表す言葉です。

農業用のため池、観賞用の池、防災用の貯水池など、設置目的はさまざまです。

一方のビオトープは、生き物の生活空間としての働きに重点を置いています。

そのため、池とビオトープは完全に別のものではありません。

観賞用に作られた池でも、多様な生き物が利用できるように管理されていれば、ビオトープとして機能することがあります。

水槽との違い

一般的な水槽は、特定の魚や水草を飼育・観賞するための設備です。

人が餌を与え、ろ過装置や照明、ヒーターなどを使って環境を整えることがあります。

ビオトープでも必要に応じて人が手入れをしますが、日光、植物、微生物、雨、生き物同士の関係などを生かし、自然に近い循環を目指す点が特徴です。

ただし、自然に近いからといって、まったく管理しなくてよいわけではありません。

アクアリウムとの違い

アクアリウムは、水中の景観や飼育生物の美しさを楽しむことに重きを置く場合があります。

ビオトープも見た目を楽しめますが、美しく配置することだけでなく、生き物が暮らせる環境を作ることが主な目的です。

ただし、両者の境界は明確ではありません。

水草や生き物の関係を重視した屋外アクアリウムが、小型ビオトープとして紹介されることもあります。

ビオトープで見られる生き物

メダカなどの小型水生生物

家庭用のビオトープでは、メダカがよく親しまれています。

メダカは屋外でも飼育できますが、容器の水量に対して数を増やし過ぎると、水質悪化や酸素不足を招きます。

隠れ場所となる水草を用意し、少数から飼育することが大切です。

タニシなどの小型生物が暮らすこともあります。

ただし、種類がわからない生き物をむやみに採取して入れるのは避けましょう。

採取が禁止されている場所や、保護の対象になっている種類もあります。

トンボや水生昆虫

屋外に水辺を作ると、トンボが訪れて産卵することがあります。

その後、水中で幼虫のヤゴが育つ可能性もあります。

アメンボなどの水生昆虫が自然にやって来る場合もあるでしょう。

ビオトープの楽しみは、すべての生き物を人が用意することではありません。

訪れた生き物を観察し、季節による変化を待つことも大きな魅力です。

水草や水辺の植物

植物はビオトープを支える重要な存在です。

水草は生き物の隠れ場所や産卵床になり、葉が作る日陰は水温の上昇を和らげます。

水中に根を張るもの、水面に葉を浮かべるもの、水辺から茎や葉を伸ばすものなど、種類によって育ち方は異なります。

成長が速い植物は環境に適応しやすい反面、増え過ぎる場合があります。

水面をすべて覆うほど繁殖すると、水中に光が届きにくくなるため、適度な間引きが必要です。

微生物

目には見えにくい微生物も、ビオトープの構成要素です。

土や水中にいる微生物は、生き物の排せつ物や枯れ葉などの有機物を分解します。

魚や昆虫だけに注目しがちですが、自然の循環は小さな生物の働きにも支えられています。

容器を洗い過ぎたり、頻繁に水をすべて交換したりすると、形成されつつある環境を大きく変えてしまうことがあります。

家庭で作れるビオトープの種類

庭に作る池型ビオトープ

庭の地面を掘り、防水シートや専用の池を使って水辺を作る方法です。

広さや深さを確保しやすく、複数の植物を植えられます。

その一方で、漏水、排水、子どもの転落などへの対策が必要です。

睡蓮鉢を使う容器型ビオトープ

睡蓮鉢や大型の園芸容器を使えば、地面を掘らずにビオトープを始められます。

庭や玄関先などにも設置しやすく、初心者が取り組みやすい方法です。

ただし、容器が小さいほど水温や水質が変化しやすくなります。

設置できる範囲で、なるべく水量に余裕のある容器を選びましょう。

ベランダの小型ビオトープ

条件が整えば、ベランダでも容器型ビオトープを楽しめます。

設置前には、建物の管理規約、避難経路、排水方法、床の耐荷重を確認してください。

水は見た目以上に重く、容器自体の重量も加わります。

強風による転倒や、夏の照り返しによる水温上昇にも注意が必要です。

落下の危険がある場所には設置しないなど、安全を最優先にしましょう。

初心者向けの基本的な作り方

1.設置場所と容器を決める

植物が育つ程度の日当たりがあり、状態を観察しやすい場所を選びます。

一日中強い直射日光が当たる場所では、夏に水温が上がり過ぎることがあります。

容器には、水を入れても変形や破損を起こしにくいものを使います。

薬品、農薬、油などを保管していた容器は、成分が残っている可能性があるため使用しないでください。

2.底土と植物を入れる

必要に応じて赤玉土などを敷き、水草や水辺の植物を配置します。

植物はたくさん入れればよいわけではありません。

成長後の大きさを考え、余白を残して植えることがポイントです。

3.水を張って環境を落ち着かせる

水を入れた直後に魚を放すのではなく、水温や環境が落ち着くまで待ちます。

水道水を使用するときは、飼育する生き物に合わせてカルキ抜きなどの処理を行います。

4.生き物は少数から迎える

メダカなどを入れる場合は、水合わせをしてから少しずつ迎えます。

多くの生き物を一度に入れると、水質が急に悪化するおそれがあります。

餌の食べ残しも水を汚すため、与え過ぎには注意しましょう。

不要な鉢や容器は再利用できる?

使わなくなった睡蓮鉢や丈夫な園芸容器は、状態がよければビオトープに再利用できる場合があります。

保管したままになっていた道具に、生き物の生活空間という新しい役割を持たせられる点は、リユースならではの価値です。

ただし、再利用では安全性の確認が欠かせません。

ひび割れ、水漏れ、紫外線による劣化、鋭い欠けがないかを調べましょう。

過去に何を入れていたかわからない容器や、塗料、洗剤、農薬などを入れていた容器は避けるのが無難です。

リユースは、すべてのものを無理に使い続けることではありません。

素材や状態を見極め、安全に使えるものへ新しい用途を与えることが大切です。

ビオトープを作る際の注意点

外来種を自然に放さない

飼育している魚、カメ、水草などが不要になっても、川や池には放さないでください。

外来種が増えると、地域の在来種を捕食したり、生息場所を奪ったりする可能性があります。

一度迎えた生き物は、最後まで責任を持って管理することが基本です。

放置された水たまりにしない

水をためた容器を放置すると、蚊の幼虫が発生することがあります。

枯れ葉や餌の食べ残しを取り除き、水面や生き物の状態を定期的に観察しましょう。

自然に近い環境を目指すことと、何も管理しないことは異なります。

必要以上に手を加えず、異常があれば対応する姿勢が求められます。

水温と水質の急変を防ぐ

容器の水が減ったときは、環境に配慮しながら足し水をします。

水の汚れが気になる場合でも、一度にすべて交換すると水温や水質が急変するため、部分的な換水を基本にします。

夏は高水温と蒸発、冬は凍結に注意してください。

特に浅く小さな容器は外気温の影響を強く受けます。

ビオトープに関するよくある質問

メダカ鉢もビオトープですか?

メダカを入れただけの鉢が、必ずビオトープになるわけではありません。

しかし、水草や微生物が存在し、複数の生き物が関わりながら暮らせる環境になっていれば、小型のビオトープとして捉えられます。

ポンプやフィルターは必要ですか?

小型ビオトープでは、必ずしも必要ではありません。

十分な水量と適切な数の植物・生き物が保たれていれば、設備を使わずに維持できる場合があります。

ただし、生き物の数や設置環境によっては、補助的な設備が必要になることもあります。

ビオトープは放置しても大丈夫ですか?

完全な放置は適切ではありません。

水の蒸発、植物の増え過ぎ、容器の破損、生き物の異変などを見逃す可能性があります。

毎日大がかりな作業をする必要はありませんが、定期的な観察と最低限の手入れは必要です。

まとめ

ビオトープとは、植物、魚、昆虫、微生物などが関わり合いながら暮らす場所のことです。

大規模な池だけでなく、庭やベランダに置いた睡蓮鉢も、整え方によっては小さなビオトープになります。

大切なのは、見栄えや飼育数だけを重視せず、生き物が隠れ、餌を得て、成長できる環境を考えることです。

使わなくなった安全な鉢や容器を活用すれば、モノを捨てずに生かしながら、身近な自然と触れ合う場所を作れます。

一方で、外来種を放さない、生き物を入れ過ぎない、容器の安全性を確認するといった配慮は欠かせません。

小さな水辺を丁寧に観察し、季節とともに変わる様子を楽しむことが、ビオトープを長く維持する第一歩です。

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