メルカリでテレホンカードの出品が禁止されているのはなぜ?

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この記事では、なぜメルカリでテレホンカードの出品が禁止されているのか、その理由や背景について分かりやすく解説いたします。
メルカリでテレホンカードの出品が禁止されているのはなぜ?
メルカリでは、特定のルールに基づいて「出品が禁止されている物」が定められています[1]。
テレホンカードもそのひとつであり、未使用のものはもちろん、残高が残っているものも出品できません。
これは単なるメルカリ独自の制限というよりも、法律や社会的なリスクを考慮したうえで設定されたルールによるものです。
表面的には「プリペイドカードだからダメ」と思われがちですが、実はその背景には、もっと複雑な事情が関わっています。
この章では、まずメルカリの方針と禁止出品物に関する基本的な情報を確認し、それからテレホンカードがなぜ特に問題視されているのかについて掘り下げてまいります。
メルカリの基本方針と「禁止出品物」ルール
メルカリでは、安全で公正な取引を守るために、「出品禁止物」のガイドラインが設定されています[1]。
これはユーザー同士が安心して売買できるよう、一定のルールのもとに管理されているということです。
禁止されているものには、例えば医薬品や動物、偽ブランド品などがありますが、その中には「金券類」や「プリペイドカード類」も含まれています。
テレホンカードはこの「プリペイドカード類」に該当するため、規制の対象となっているのです[2]。
特に、未使用のテレホンカードや残高のある使用済みカードは、メルカリの規約上、出品そのものが許可されておりません。
これは利用者全体の安全を考慮したものであり、違反があればペナルティの対象になることもあります。
最大の理由は「金銭と同等に扱われるもの」だから
メルカリがテレホンカードの出品を禁止している最大の理由は、それが「現金と同じ価値を持つもの」と判断されているからです。
テレホンカードは、あらかじめ料金がチャージされており、電話の通話料金として使用できます。つまり、実質的にお金と同じ機能を果たしているわけです。
こうしたプリペイド型のカード類は、場合によっては現金化が可能であるため、メルカリとしても慎重に対応せざるを得ません。
とくに未使用のものや残高のあるものは「金券」としての性質が強く、単なるコレクションアイテムとは扱えないのです。
この判断基準は、メルカリ内部の独自ルールというよりも、後述する法的リスクや監督官庁からの指導を受けた結果として生まれたものです。
したがって、ユーザーの立場から見れば納得しづらい面もありますが、違反すれば重大なペナルティを受けることもあるため、十分な注意が必要です。
メルカリでテレホンカードの出品が禁止された背景とは
メルカリがテレホンカードの出品を禁止するに至った背景には、単なる運営判断だけでなく、法制度や金融業界の動きが深く関係しています。
こうしたことから2021年12月以降、メルカリ側もルールを厳しくせざるを得なくなりました。
ここでは、出品禁止の具体的な背景となった3つの要素を順にご紹介いたします。
資金決済法とマネーロンダリング対策
テレホンカードのようなプリペイドカードは、一定の金額が事前にチャージされているため、資金決済法の対象とされています。
この法律は、利用者の資産を保護すると同時に、不正な資金の流れを防ぐことを目的としています。
とくに近年は、テロ資金や犯罪収益の洗浄を目的としたマネーロンダリング行為が国際的にも問題視されており、日本国内でもその対策が急速に進んでいます。
プリペイドカードは「使い方次第」で資金の出所を隠す手段として使われることがあるため、取引の監視が難しいフリマアプリでは、厳しい制限が求められるようになりました。
メルカリとしても、法律違反に問われるリスクを避けるため、テレホンカードのような「現金に近いもの」は原則として出品を禁止する方針に切り替えたと考えられます。
クレジットカード現金化の温床防止
テレホンカードの出品禁止には、もうひとつ重大なリスクが関係しています。それが「クレジットカードの現金化」です。
これは、クレジットカードで購入した商品をすぐに現金で転売することで、与信枠を現金に変えてしまう不正な手口です。
実際に、テレホンカードはコンビニなどで簡単に購入でき、フリマアプリで高く売れる傾向があるため、現金化目的で利用されやすい商品でした。このような出品が頻繁に行われれば、メルカリの信用問題にも発展しかねません。
また、悪質な業者が複数アカウントを使って短期間に大量出品を行うケースもあり、運営側としては管理が難しくなることも背景にあります。
金融庁の指導による規制強化
テレホンカードの出品禁止には、行政からの指導も大きな影響を与えました。
特に金融庁は、近年フリマアプリやネットオークションにおける金券類の取引に対して、より厳格な監視と対応を求める姿勢を強めています。
その背景には、先ほど触れたようなマネーロンダリングや現金化だけでなく、利用者保護や金融犯罪の防止という観点も含まれています。
とりわけ匿名性の高いネット取引では、カード類の流通経路が不透明になりがちです。
こうした状況を受け、メルカリでは2021年12月に公式ガイドラインを改定し、テレホンカードやQUOカード、図書カードなどの「プリペイドカード類」を一括して出品禁止としました。
これは自主的な対応であると同時に、行政の求める安全基準に沿った対応でもあるのです。
一部例外も?禁止対象と出品可能なテレホンカードの種類
テレホンカードは原則として出品禁止とされていますが、すべてが例外なくNGというわけではありません。状態や用途によっては、出品可能とされるケースもごく一部存在します。
ただし、その判断は非常に慎重を要し、ガイドラインに明記された条件を満たしていなければなりません。
ここでは、出品が明確に禁止されているカードと、例外的に出品が認められるカードの違いについて説明いたします。
完全NGな出品例
まず、以下のようなテレホンカードはメルカリでの出品が明確に禁止されています。
- 未使用で残高が残っているテレホンカード
- 一度使用したものの、残高が確認できないカード
- 残高の有無に関わらず、新品に見えるパッケージ状態のもの
これらはすべて「金銭的な価値がある」と見なされるため、出品すること自体が規約違反となります。
購入者が通話目的で使用できる可能性があるものは、すべてNGと考えて差し支えないでしょう。
出品可能な例外ケース
一方で、出品が許可されるのは「完全に使用済みで、残高がない」と明確に判断できるテレホンカードです。
たとえば、通話料金を使い切ったうえで、デザインや記念品としての価値を持つコレクター向けのカードなどが該当します。
また、カードに「使用済」や「残高ゼロ」であることが明記されている場合や、裏面の印字で利用履歴がはっきりと分かるものなども条件に含まれます。
ただし、出品時には商品説明文にその旨を明確に記載する必要があります。
購入者に誤解を与える可能性がある場合は、出品自体を控えるのが無難です。判断に迷ったときは、メルカリの事務局に事前に確認を取ると安心です。
「メルカリでテレホンカードの出品が禁止されているのはなぜ?」のまとめ
テレホンカードがメルカリで出品できない理由は、単に古い商品だからというものではありません。
その本質は、未使用あるいは残高のあるカードが「現金と同じような価値を持つ」と見なされている点にあります。
とくに近年は、法令や金融庁の指導により、フリマアプリにおける金券類の取引は厳しく制限されるようになってきました。
メルカリもその動きに対応する形で、2021年末にガイドラインを改定し、プリペイドカード類全般を出品禁止とする方針を打ち出しました。
ただし、完全に使用済みで残高がないことが明らかな場合など、コレクター向けの一部カードについては例外的に出品が認められることもあります。
とはいえ、その判断には注意が必要で、場合によっては誤って規約違反となってしまうリスクもあるため、慎重な対応が求められます。
「昔の思い出の品を、誰かの役に立てたい」というお気持ちはとても素晴らしいことです。しかしながら、安易な判断でメルカリを始めとしたフリマサイト等での売買はリスクがあることをこの機会に理解していただければ幸いです。
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<参考文献>
[1]メルカリ,「禁止されている出品物」,available at https://help.jp.mercari.com/guide/articles/259/
[2]メルカリ,「現金、金券類、カード類(禁止されている出品物)」,available at https://help.jp.mercari.com/guide/articles/921/
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