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七夕の由来や意味を再確認。子どもやお孫さまにわかりやすく伝えよう

#ジェンダー平等#七夕#七夕飾り#日本の文化

七夕の由来や意味

毎年7月7日に短冊に願い事を書いて笹の葉につるして、夜空に浮かぶ星にお祈りをする日本の伝統行事「七夕」。

今年はお子さまやお孫さまと七夕の時間を一緒に共有する方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、後世に日本の古き良き行事を次世代につないでいくために、七夕の由来や意味について整理してお伝えします。

また、移りゆく時代の中で考えていかなければならない「日本の伝統行事とジェンダー問題」についても考えていきたいと思います。

七夕の由来や意味について歴史から紐解く

改めて七夕の由来や意味を問われると、答えられないことが多いもの。

ここでは名前の由来、織姫と彦星伝説の話、七夕飾りの意味をそれぞれおさらいしていきましょう。

七夕の名前の由来

七夕は、奈良時代に「乞巧奠(きこうでん)」という、7月7日にはた織りや裁縫が上達するようにお祈りする風習が中国から伝わったことから歴史が始まったと言われています。

当時日本では、秋の豊作を願い、神様に着物を織る風習があり、乞巧奠(きこうでん)の伝来とともに、お盆を迎える準備として7月7日の夜(七夕)に行われるようになったと言われています。

七夕(たなばた)という名前の由来は、神様の着物を織る機械を「棚機(たなばた)」、機を織る女性のことを「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれていたところから、当て字として呼ばれるようになったと言われています[1]。

織姫と彦星の七夕伝説

七夕と言えば、織姫と彦星の星物語が広く知られていますが、この物語は中国の神話が由来とされています。

小学生向けの百科事典である「21 世紀こども百科(小学館」によると、織姫・彦星についてこのように書かれています。

七夕は、昔、中国から日本に伝わった星祭りです。ひこ星と、織りひめという男女の星が、天の川をはさんで向かい合っていて、この2つの星が、1年に1度、7月7日にだけ会えるという言い伝えから、祭りが始まりました。 出典:21世紀こども百科(小学館)[2]

天の川に輝く星座のことを「夏の大三角(形)」と呼びますが、琴座のベガが織姫、鷲座のアルタイルが彦星、白鳥座のデネブが、1年に1度天の川に橋を架けてくれるカササギという鳥を表しているとして、今日まで七夕伝説が伝わってきました。

七夕飾りや短冊の意味

七夕の行事で欠かせないのが七夕飾りです。七夕飾りには祈りや願いを店の神様に向かって届けるために、それぞれの飾りに意味が込められています。

  • 【五色の短冊】古代中国の陰陽五行説では魔除け、「仁=青、礼=赤、信=黄、義=白、智=黒」という五徳の意味もある
  • 【吹き流し】魔除けの意味を持ち、織姫の織り糸
  • 【紙衣(かみこ)】棚機つ女(たなばたつめ)を表し、手芸や機織りの仕事上達や厄払いの意味
  • 【折り鶴・千羽鶴】長寿祈願
  • 【巾着】金運上昇
  • 【網飾り】豊漁祈願
  • 【くずかご】七夕飾りを作った際の紙くずを入れて飾るもので、粗末にしない、整理整頓できるような意味

こうした七夕飾りの意味をお子さまやお孫さまと共有しながら、願いを込めながら、折り紙で七夕飾りを作ってみてはいかがでしょうか。

日本の伝統行事とジェンダー問題。古き良き伝統を未来へつなげていくために

七夕をはじめ、ひな祭りや端午の節句、七五三など、日本の伝統行事には性別を分かつものが多く見られます。

「古くからの言い伝え」という定義に基づけば違和感のないことでも、ジェンダーという側面から見ると、これまで通り一般常識として伝えることによって、違和感を覚える子どもたちが増えていることにも目を向けていかなければいけません。

一方、伝統行事の継承という側面では、ジェンダーニュートラルの実現は非常に難しい問題です。その一例として、福島県昭和村で行われている七夕にちなんだ「からむし織体験生 織姫・彦星事業」があります[3]。

日本最古の植物と言われるからむしの繊維を用いて作られる織物は、現在昭和村と沖縄県宮古島の2か所でしか作られていない、日本の文化遺産となっています。

この貴重な伝統織物を後世に継承するべく、福島県昭和村では1994年から「織姫」と呼ばれる体験生の女性が、「からむし織」の技術を約1年かけて学ぶ事業がスタートし、これまで100名以上が参加してきました。

このように日本の伝統文化には、得てして、「女性だけが担う仕事」あるいは「男性ではないとできない仕事」というものが存在し、その系譜が地域活性化の役割を果たしてきた歴史が存在します。

こうした性別役割の継承は、ジェンダーニュートラルの側面から考えれば現代社会の流れとは逆行しており、文化の消滅だけでなく、その地域の消滅をも招いてしまうことをことになりかねないという見解もあります[4]。

これらを考えると、日本の古き良き伝統文化を次世代につなげていくためには、ジェンダー問題をどのように消化していくのかも重要な課題となっているのです。

七夕を通じて次世代の明るい未来をつなぐ役割に

本記事を通じて、改めて七夕という行事について理解が深まると、興味関心の希薄以外にも、現代ゆえの理由や課題が見えてくることもあります。

これからの未来を創る次世代へ、これまで私たちが築いてきた価値をどのようにしてつなげていくべきなのか。

お子さまやお孫さまと七夕という時間を共有する機会を通じて、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

<参考文献>[1] 京都地主神社,「七夕の歴史・由来」,available at https://www.jishujinja.or.jp/tanabata/yurai/
[2]小学館,「21世紀こども百科」,available at https://www.shogakukan.co.jp/books/series/B40007
[3] 福島県昭和村 からむし織体験生「織姫・彦星」事業,available at https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/supporter/pdf/katsudo_dento_02.pdf
[4] 久島桃代(お茶の水女子大学基幹研究院),「農山村に移住する女性たちの経験と場所感覚」,available at https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj/92/4/92_224/_pdf

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