地震のときブレーカーを落とすべき理由とは?正しいタイミングと通電火災を防ぐ安全対策
地震が起きたとき、「すぐにブレーカーを落とさなければ」と考える人もいるでしょう。
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しかし、強く揺れている最中に分電盤まで移動するのは危険です。
家具の転倒や落下物、割れたガラスなどでけがをするおそれがあるため、まずは自分と家族の身を守らなければなりません。
ブレーカーを落とす主な目的は、地震後の復電によって起こる「通電火災」を防ぐことです。
揺れが収まり、安全に操作できる状態で、自宅を離れて避難する場合には主幹ブレーカーを切ることが推奨されます。
ただし、津波や火災が迫っている場合は、操作に時間をかけず直ちに避難してください。
本記事では、地震発生時にブレーカーを落とす理由や適切なタイミング、避難するときの手順、電気を戻す際の注意点を解説します。
感震ブレーカーや日頃の家電点検など、平常時にできる備えも確認しておきましょう。
地震が起きたらブレーカーを落とすべき?
結論からいうと、地震が発生した瞬間にブレーカーを落としに行く必要はありません。
揺れている間は安全な場所で頭と体を守り、揺れが収まってから周囲の状況を確認します。
そのうえで、自宅を離れて避難する場合は、分電盤まで安全に移動できることを確かめ、可能であれば主幹ブレーカーを切ります。
避難せず自宅にとどまる場合も、転倒した家電や損傷したコードがないかを確認してください。
揺れている最中は身の安全を優先する
地震の揺れで家具や家電が移動すると、廊下や分電盤までの経路が危険になることがあります。
照明器具や食器が落下したり、窓ガラスが割れたりする可能性もあります。
特に、分電盤が高い位置に設置されている住宅では、揺れの最中に踏み台へ乗る行為は危険です。
ブレーカーの操作よりも、丈夫な机の下などで頭部を守り、転倒しやすい家具や窓から離れることを優先しましょう。
避難するときは安全を確認して主幹ブレーカーを切る
大きな地震の後に自宅を空ける場合、復電後に電気機器の異常が起きても、その場で気づくことができません。
そのため、安全に操作できる状況であれば、避難前に主幹ブレーカーを切ることが通電火災対策になります。
ただし、津波警報が発表されている、周囲で火災が発生している、建物が倒壊する可能性があるなど、一刻を争う場面では避難が最優先です。
ブレーカーを切るために室内へ戻ったり、避難を遅らせたりしてはいけません。
自宅にとどまる場合も家電を確認する
避難しない場合でも、電気ストーブ、ヒーター、照明、電子レンジなどが転倒・落下していないか確認しましょう。
家電の電源コードが家具に挟まれている場合や、プラグが変形している場合は使用を中止します。
焦げた臭い、煙、火花、異音などがあるときは、異常が出ている機器に直接触れないでください。
安全に分電盤を操作できる場合はブレーカーを切り、火災が発生している場合は避難して消防へ通報します。
地震後にブレーカーを落とす理由
地震後にブレーカーを落とす最大の理由は、停電から電気が復旧したときに発生する可能性がある通電火災を防ぐためです。
停電しているから安全とは限りません。
通電火災とは
通電火災とは、地震などによる停電が解消して電気の供給が再開された際、損傷した配線や倒れた電気機器へ電気が流れることで発生する火災です。
たとえば、電気ストーブが倒れ、その上に衣類やカーテンがかぶさっていても、停電中は加熱されません。
しかし、その状態で電気が復旧すると、ストーブが発熱して周囲の可燃物に着火する可能性があります。
また、家具に押しつぶされた電源コード、被覆が破れた延長コード、地震で損傷した壁内配線などへ通電すると、ショートや異常発熱が起きることもあります。
住人が避難した後では発見が遅れやすいため、避難前のブレーカー操作が重要になります。
漏電ブレーカーだけでは地震対策にならないことがある
分電盤には、契約容量を超える電気の使用などに対応するブレーカー、漏電を検知する漏電ブレーカー、部屋や設備ごとの分岐ブレーカーなどが収められています。
ただし、住宅によって分電盤の構成や表示は異なります。
漏電ブレーカーが付いていても、地震の揺れを検知して必ず電気を止めるわけではありません。
また、転倒した電熱器具が正常に作動しているような状態では、漏電として検知されない可能性があります。
地震による通電火災への備えとしては、揺れを検知する感震ブレーカーが別途選択肢になります。
ブレーカーでは防げない火災もある
主幹ブレーカーを切ることは電気に起因する火災リスクを減らす対策ですが、すべての火災を防げるわけではありません。
ガス漏れ、燃料機器、ろうそく、損傷した蓄電池やモバイルバッテリーなどによる事故には、それぞれ別の対応が必要です。
ガス臭がする場合は、電気スイッチやブレーカーの操作によって生じる小さな火花が着火源になるおそれがあります。
火気を使用せず、電気設備にも触れないで安全な場所へ移動し、ガス事業者や消防などへ連絡してください。
地震発生から避難までのブレーカー操作手順
緊急時には、ブレーカーを切ること自体が目的にならないよう注意が必要です。
次の順番を基本に、周囲の危険や自治体からの避難情報を踏まえて行動しましょう。
1.揺れが収まるまで身を守る
揺れている間は、机の下など安全性の高い場所で頭を守ります。
家具、テレビ、冷蔵庫、窓ガラス、吊り下げ式の照明などから離れましょう。
慌てて屋外へ飛び出したり、分電盤へ走ったりすると、落下物や転倒物によってけがをする可能性があります。
2.火元と電気機器の状態を確認する
揺れが収まったら、調理器具や暖房器具などのスイッチを切ります。
転倒した家電、外れかけたプラグ、破損したコード、濡れたコンセントがないかも目視で確認してください。
ただし、煙や火花が出ている場所、床が水浸しになっている場所へ近づいてはいけません。
暗い室内には割れたガラスなどが落ちている可能性があるため、底の厚い靴を履くことも大切です。
3.安全に操作できる場合は主幹ブレーカーを切る
自宅を離れて避難するときは、分電盤まで安全に移動できる場合に限り、主幹ブレーカーを切ります。
一般的には分電盤内の大きなレバーが主幹ブレーカーにあたりますが、設備によって形状や配置が異なります。
地震が起きてから探すのではなく、平常時に主幹ブレーカーの位置と「切」の方向を確認しておきましょう。
家族全員が操作方法を把握しておくと、在宅している人が違っても対応しやすくなります。
4.操作が危険ならそのまま避難する
次のような状況では、ブレーカーに触れず、すぐに避難してください。
- 津波や火災が迫っている
- 建物の傾きや大きな亀裂があり、倒壊のおそれがある
- 分電盤や周囲の床が水に濡れている
- 分電盤から煙、火花、異音が出ている
- ガス臭がする
- 分電盤までの経路が家具や割れたガラスでふさがれている
ブレーカーを切れなかったとしても、命を危険にさらしてまで戻るべきではありません。
地震後にブレーカーを戻すときの注意点
地震後に帰宅した際は、すぐに主幹ブレーカーを戻さないでください。
外観だけでは分からない配線の損傷や、家電内部の故障が生じている可能性があります。
家電のスイッチを切り、プラグを抜く
まずは電気製品のスイッチが切れていることを確認します。
特に電気ストーブ、アイロン、ドライヤー、電子レンジなど、熱を発する機器は入念に確認してください。
転倒・落下した家電、濡れた家電、強い衝撃を受けた家電は、見た目が元どおりでも使用を控えます。
安全に触れられる状態であればプラグを抜き、メーカーや修理事業者に点検を相談しましょう。
コードやコンセントを目視で確認する
電源コードの被覆が破れていないか、家具に挟まれていないか、プラグに変形や焦げがないかを確認します。
コンセントのぐらつき、壁や天井の大きな亀裂、漏水なども要注意です。
分電盤や電気配線に被害が疑われる場合は、自分で復電させず、電気工事業者、管理会社、電力会社などへ相談してください。
水に濡れた電気設備は、表面が乾いているように見えても安全とは限りません。
異常がなければ回路を段階的に戻す
設備の安全が確認できる場合は、家電のスイッチを切った状態で復電します。
分電盤の仕様が分かる場合は、分岐ブレーカーをいったん切り、主幹ブレーカーを入れた後、分岐ブレーカーを一つずつ戻すことで、異常がある回路を把握しやすくなります。
ただし、分電盤の構成が分からない場合や、操作に不安がある場合は無理をしないでください。
取扱説明書や管理会社の案内を確認し、必要に応じて専門家へ依頼します。
ブレーカーが落ちたら何度も入れ直さない
復電後にブレーカーが再び落ちる場合は、漏電、ショート、家電の故障、電気の使い過ぎなどが考えられます。
原因を確認しないまま何度も入れ直すのは危険です。
焦げ臭さ、煙、火花、異音、異常な発熱があれば、使用を中止してください。
安全に操作できる場合はブレーカーを切り、専門家による点検を受けましょう。
感震ブレーカーで地震後の通電火災に備える
避難時に必ず手動でブレーカーを切れるとは限りません。
外出中に地震が起きたり、夜間で分電盤の場所が見えなかったりすることもあります。
そこで役立つのが感震ブレーカーです。
感震ブレーカーとは
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを検知したときに、住宅への通電を自動的に遮断する機器です。
住人がブレーカーを操作できない状況でも電気を止められるため、通電火災を防ぐ対策の一つになります。
主な種類には、分電盤へ内蔵または後付けするタイプ、特定のコンセントへの通電を止めるタイプ、揺れによって重りなどが作動し、ブレーカーのレバーを切る簡易タイプがあります。
それぞれ遮断できる範囲、作動方法、設置工事の要否が異なります。
感震ブレーカーを選ぶときの注意点
感震ブレーカーが作動すると、住宅の照明も消える場合があります。
夜間に強い地震が起きても避難できるよう、懐中電灯や自動点灯する足元灯を準備しておきましょう。
医療機器など、常時電源が必要な機器を使用している家庭では、電源が一斉に遮断されることで別の危険が生じる可能性があります。
バックアップ電源や対象回路の設定について、医療関係者、機器の事業者、電気工事業者などへ事前に相談することが重要です。
また、分電盤へ取り付ける製品は、種類によって電気工事が必要です。
住宅の設備に適合するかを確認し、資格が必要な作業を自分で行わないようにしてください。
平常時にできるブレーカーと家電の防災対策
地震時の事故を防ぐには、発生後の行動だけでなく日頃の備えが欠かせません。
家電や配線の状態を整えることは、モノを安全に長く使うことにもつながります。
分電盤の場所を家族で共有する
主幹ブレーカーの位置、切る方向、感震ブレーカーの有無を確認し、家族で共有しましょう。
分電盤の前に家具や荷物を置かず、すぐに近づける状態を保つことも大切です。
暗闇でも場所を把握できるよう、分電盤の近くに懐中電灯を用意する方法もあります。
ただし、懐中電灯は落下しにくく、すぐに手が届く場所へ置きましょう。
家具と家電を固定する
テレビ、電子レンジ、冷蔵庫などの大型・重量家電が転倒すると、製品本体が壊れるだけでなく、コードが引っ張られて配線やコンセントを損傷することがあります。
製品や設置場所に合った固定器具を使い、コードへ無理な力がかからない配置にしてください。
電気ストーブなどの周囲には、衣類、カーテン、紙類といった燃えやすいモノを置かないことも基本です。
地震で少し移動しただけでも接触しないよう、普段から余裕のある距離を確保しましょう。
古い電源コードや電源タップを点検する
被覆が破れているコード、変色したプラグ、差し込み口が緩い電源タップを使い続けると、地震時の衝撃で損傷が悪化する可能性があります。
ほこりがたまったプラグも清掃し、異常があるものは使用を中止してください。
地震で落下・浸水した家電は、電源が入るという理由だけで再利用したり、ほかの人へ譲ったりしないことが大切です。
内部部品や絶縁性能の異常は外観から判断できないため、再利用や売却を検討する場合も、メーカーなどによる安全確認を優先しましょう。
処分する際は、自治体の分別ルールや小型家電回収、家電リサイクルの対象を確認します。
地震とブレーカーに関するよくある質問
震度いくつからブレーカーを落とすべき?
震度だけを基準に、一律でブレーカーを落とすものではありません。
住宅の被害、家電の転倒、避難の必要性などを踏まえて判断します。
どの震度であっても、揺れている最中に無理をして操作しないことが基本です。
停電しているならブレーカーを落とさなくてもよい?
停電中でも、後から電気が復旧する可能性があります。
配線や家電が損傷したまま復電すると通電火災につながるおそれがあるため、自宅を離れて避難するときは、安全に操作できる場合に主幹ブレーカーを切りましょう。
地震でブレーカーが勝手に落ちることはある?
漏電やショートなどが発生すれば、地震後にブレーカーが落ちる場合があります。
また、感震ブレーカーが設置されていれば、一定以上の揺れを検知して遮断されることがあります。
ただし、通常のブレーカーが地震の揺れだけで必ず落ちるとは限りません。
ブレーカーを落とせば家電は壊れない?
ブレーカーを切ることは通電による事故を抑える対策ですが、転倒、落下、浸水、強い衝撃による家電の破損は防げません。
家電を守るには、平常時の転倒防止や適切な設置、コードの点検を組み合わせる必要があります。
まとめ|揺れている間はブレーカーより身の安全を優先する
地震が起きたら、すぐにブレーカーを落としに行くのではなく、揺れが収まるまで身の安全を確保してください。
その後、自宅を離れて避難する場合は、分電盤まで安全に移動できることを確認したうえで主幹ブレーカーを切ります。
津波や火災が迫っている場合、分電盤が濡れている場合、ガス臭や煙がある場合は操作せず、直ちに避難することが大切です。
帰宅後もすぐに復電せず、家電、コード、コンセント、建物の状態を確認しましょう。
感震ブレーカーの設置や家電の固定、古い電源コードの点検を平常時から行っておけば、通電火災のリスクを減らせます。
ブレーカーの位置と操作方法も家族で共有し、いざというときに命を最優先した行動ができるよう備えておきましょう。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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