平山郁夫は何がすごい?シルクロード・薬師寺・法隆寺など代表作と作品価値
「平和」や「仏教」をテーマとした作品を数多く残した日本画家の平山郁夫。そこには彼が15歳で受けた原爆被爆の経験が背景にあると言われています。
今回は、平山郁夫の人生を紐解きながら、彼が残した作品価値に迫ります。
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平山郁夫の人生を紐解く。平和への祈りが生んだ日本画家
平山郁夫は1930年6月15日に広島県豊田郡瀬戸田(現在の尾道市)に生まれ、子供時代から瀬戸内海の美しい風景に触れ、これが後の平山の美的感覚に深い影響を与えました。
しかし、彼が15歳の時、広島に原爆が投下され、平山も被爆者となりました。被爆後、彼は体調を崩し、心と体に深い傷を負いました。奇しくもこの体験こそが、後に「仏教伝来」や「シルクロード・シリーズ」の制作につながる原点となったのです。
東京美術学校入学から日本画家としての大成へ
平山は17歳で東京美術学校(現在の東京藝術大学)日本画科予科に入学しました。卒業後、彼は美術学校の日本画科で前田青邨に師事して、助手として働きます。
1952年には日本美術院公募展(院展)に応募しますが、落選します。しかし、翌年同じテーマ「家路」で入選し、その後も入選を重ねます。1959年頃から、平山は原爆の後遺症で白血球が通常の半分になり、貧血状態が続いていました。
この死をも覚悟した中で描きあげたのが、後に彼の代表作となる「仏教伝来」でした。この作品はシルクロードの砂漠を旅する中国・唐代の僧、玄奘三蔵法師が描かれていることでも知られています。
以降、平山は東西の交易路であり、異文化交流の道であったシルクロードの人々や風景を連作で描くようになります。そこには被爆体験から平和を祈る気持ちを仏教伝来の道であるシルクロードに重ねたとされています。
世界に向けた文化活動を生涯続けた平山郁夫
平山郁夫は1962年にユネスコ・フェローシップの初回受賞者として、半年間ヨーロッパを学びの場としました。
彼の研究テーマ、「東西宗教美術の比較」を探求する旅で、彼はイタリアからドイツまで5ヶ国を巡り、教会を訪ね、スケッチを重ねました。ヨーロッパの宗教美術に触れ、平山は日本画の道を進む上で、仏教と東洋の厚い伝統を背負うことの重要性を感じました。
1966年6月、彼は東京芸術大学の調査団として、トルコ・カッパドキア地方の洞窟修道院で壁画の模写を行いました。
このイスラム文化圏での初めての経験は、彼の「シルクロード」シリーズのスタート地点となりました。
その後も、彼の取材の旅は中近東から中国まで160回以上に及び、旅の距離は40万キロを超えました。そして、200冊近くのスケッチブックと4,000点以上のスケッチが、多くの作品を生み出しました。
平山郁夫は1966年から逝去するまで、世界各地を訪れ続けました。彼の旅は単なる取材だけでなく、バチカン宮殿への作品寄贈、日中文化交流のための要人との会合、個展出席、海外芸術家の招聘、そして「平山奨学金」の設立など、多岐にわたる文化交流を推進する“民間使節”としての役割も果たしていました。
また、ユネスコ親善大使として、彼は北朝鮮の高句麗古墳の世界遺産登録推進や、アフガニスタン・バーミヤンの大石仏の保護活動にもリーダーシップを発揮しました。
彼はまた、作品制作の一方で、東京芸術大学学長として(1989年12月から95年12月、そして2001年から06年まで)、ユネスコ親善大使、日中友好協会全国本部会長、芸術研究振興財団と文化財保護振興財団の理事長など、国際文化交流に関わる多くの重要な役職を務めたことでも知られています。
世界の文化財保護を訴える講演やシンポジウムにも積極的に参加するなど、2009年に生涯を終えるまで、世界に向けた文化活動を通じた社会貢献を続けたのです。
平山郁夫の代表作と作品価値
画家として、文化人として大きな功績を残した平山郁夫。彼の代表作にはこのような作品があります。
- 仏教伝来
- 入涅槃幻想
- 大唐西域壁画
- シルクロードを行くキャラバン
- 薬師寺の森
- 絲綢之路天空
- 交河故城トルファン
- 法隆寺
- 北京の夕
- アンコールワットの朝
彼の作品は、国内外を問わず現在でも高く評価されており、原画であれば平均数千万円、リトグラフやシルクスクリーンでも、本物であれば数十万円から作品によっては100万円以上で取引されています。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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