恋路海岸と弁天島の地震後の現在は?伝説眠る恋の聖地を知る
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2024年1月1日に発生した能登半島地震から1年が経過しましたが、被害に遭った各所地域では、未だ復旧への道のりを懸命に歩んでいます。
今回は、能登の観光名所の1つとして知られている「恋路海岸・弁天島」を取り上げ、地震による被害と1年経過した現在の姿をお伝えしていきます。
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恋の伝説が語り継がれる恋路海岸・弁天島とは
恋路海岸は、石川県鳳珠郡能登町の七尾北湾に位置する海岸です。
およそ1kmに渡って穏やかに湾曲した砂浜が広がっており、真っ赤な鳥居の先に浮かぶ小さな島は「弁天島」と呼ばれ、恋路海岸を象徴とされています。
恋路海岸と弁天島には、それぞれ古くから言い伝えられてきた2つの恋の伝説があることでも知られており、恋人の聖地として能登の観光名所の1つとして能登半島地震以前には多くのカップルが訪れる場所でした。
天女と若者の悲しい恋の伝説眠る弁天島
弁天島に残る伝説は、地元の漁師である若者と天女の間に生まれた悲しくも、美しさがのこる逸話となります。
若者の妻となった天女が、嵐で遭難した彼を救うため、海に飛び込んで自分の命を犠牲にして若者を救いました。
若者と天女の羽衣が漂着した場所は「はね」と呼ばれ、天女の名を取ってその地域は「小浦が崎」と名付けられました。
これが今の「羽根」「小浦」という地名の由来だとも言われています。
その後、若者は一人で生きることになりましたが、悲しみながらも不思議と続く豊かな漁とともに財をなしていきます。
この話から人々は、天女が海の神様、弁財天になって若者を天から支え続けたものだと信じ、この島を弁天島と呼ぶようになったそうです。
生きているうちに実らなかった悲恋の伝説が残る恋路海岸
かつてこの地に住んでいた助三郎という釣りが大好きな若者が、お気に入りで毎日のように通っていた弁天島。
ある時、海の深みにはまり溺れかけていた鍋乃という女性を助けたことから、2人は恋に落ちますが、鍋乃に行為を抱いていた別の男の嫉妬により助三郎は海で命を落とすことになり、その後を追うように鍋乃も海へ身を投げた、そんな悲しい恋の物語がありました。
やがて、この助三郎と鍋乃の結ばれることのなかった恋の伝説が語り継がれ、いつしかこの海岸を「恋路」と呼ばれるようになったと言われています。
地震による爪痕残る恋路海岸の現在(いま)
2つの恋の伝説が由来の恋路海岸ですが、能登半島地震によってどのような被害を受けたのでしょうか。
恋路海岸のある能登町では震度6弱という強い揺れに見舞われましたが、幸いにも沖合に浮かぶ鳥居や弁天島、海岸にある幸せの鐘や助三郎と鍋乃の像を含め、見附島のように形を変えてしまうほどの大きな被害はありませんでした。
参考:見附島の魅力を再確認!能登半島地震で崩落した現在とこれから
しかしながら、恋路海岸周辺の岩場や国道沿いは崖崩れを起こしており、地震の影響で「恋路ロマンチックパーク」と名付けられた駐車場入口は歩道が通行止めとなっています。
また、恋路海岸近くにあり、2005年に廃止された以降、ロマンチックな駅名として貴重な観光名所の1つとして活用されてきた恋路駅は地震によって大きな被害を受け、惜しまれつつも撤去されてしまいました。
このように地震の前のような穏やかな砂浜の様子を取り戻した恋路海岸ですが、地震の爪痕は色濃く残っています。
※恋路海岸周辺の状況は執筆時点(2025年1月)のものになります。閲覧時の状況と異なる場合がございますので、予めご了承ください。
「幸せの鐘」が鳴り響くかつての姿に。能登の復興のために私たちができること
能登を代表する景勝地の1つである恋路海岸・弁天島。今回の地震では、伝説眠る内浦の海に守られ、他の地域と比べれば大きな被害はありませんでした。
しかしながら、恋人たちの聖地として幸せの鐘が鳴り響いていたこの場所は、地震以降訪れる人が少なくなってしまいました。
これは、この恋路海岸のみならず能登半島全体に通じることでもあります。
いまだ被災地では復興への歩みが続いており、たくさんの支援が必要とされています。
これまでも、災害発生直後から多くのNPO団体が避難所で水や衛生用品等の物資配布をはじめとした支援活動を行ってきました。
- 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン:石川県輪島市を中心に食品・水等の物資配布や炊き出しを実施中
- AAR Japan[難民を助ける会]:輪島市、珠洲市で炊き出し、県内各地の障がい者施設に支援物資配布
- NPO法人フードバンクとやま:水や食品の寄付、現地で炊き出しする団体への食品や備品の寄付
- 公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO):輪島市を中心に生活物資や食料の配布
- 特定非営利活動法人ジャパンハート:能登町、輪島市を中心に要配慮者用支援物資の提供および避難所での医療分野における人的支援
- シャンティ国際ボランティア会:県内で支援物資の配布
いまだ被災地の混乱は収まっていないため、個人としてどのような支援をするのが良いのか、自分には何ができるのか、とお考えの方も多いかもしれません。
お宝エイドでは、上記でご紹介したような、被災地で復旧活動や被災者のサポートを行っているNPOの活動を支援する形で、能登半島地震への支援へとつなげています。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1] 能登町役場,「恋路海岸」,available at https://www.town.noto.lg.jp/www/info/detail.jsp?common_id=2852
[2] 公益社団法人石川県観光連盟,「恋路海岸」,available at https://www.hot-ishikawa.jp/spot/detail_5311.html
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