今回は2021年の誕生石改訂で8月の誕生石に新たに追加された「スピネル」の宝石についてご紹介します。

アメリカでは古くから8月の誕生石として親しまれているスピネルですが、どのような特徴があるのか、宝石に込められた意味や石言葉（宝石言葉）を紐解きます。

価値を過小評価されてきた歴史を持つスピネルとは？

スピネルは、八面体の結晶の先端が尖っている見た目からラテン語でトゲを意味する「spinella」が名前の由来とされており、和名は「尖晶石」と呼ばれます[1][2]。

スピネルは、レッド、ピンク、パープル、オレンジ、ブルー、グリーン、ブラック、透明色とカラーバリエーションが豊富な宝石です。しかしながら、産出場所や外観がルビーやサファイアの原石であるコランダムとプロでも判別ができないほど似ており、長い間、代替品として過小評価されてきた宝石です。

1783年になってようやくフランスの鉱物学者のJean Baptiste Louis Rome de Lisle（ジャン·バティスト·ルイ·ローマ·デ·ライル）がスピネルとルビーが別の鉱物であることを鑑別したことで、それまでルビーとされてきた宝石が実はスピネルだったという事実が次々と明らかになりました。

中でも、「黒大使のルビー」で知られるイギリス王室の王冠にあしらわれていたルビーが、実際はレッドスピネルであったことは、当時世界中の大きな話題となりました。

近年では、スピネルそのものの価値が見直されて市場価格は上昇を続けており、ルビーやサファイアと並ぶほどの高値で取引されることも珍しくなくなってきました。

スピネルに込められた意味と石言葉（宝石言葉）

スピネルにつけられている石言葉（宝石言葉）には、このようなものがあります。

同じ8月の誕生石に選ばれているペリドットやサードオニキスは和合や絆を意味が込められていますが、スピネルは、先端が尖った外観が示すように、自身の目標を現実化するためにポジティブなパワーを与えてくれる意味が込められています。

2021年に63年振りの日本の誕生石改訂で、ジュエラーズ・オブ・アメリカの誕生石にならってスピネルは8月の誕生石に追加されましたが、真夏の燃えるようなイメージに1番ぴったりとくる宝石と言えるかもしれません。

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（KOBIT編集部：Fumi.T）

＜参考文献＞
[1] 一般社団法人日本ジュエリー協会，「誕生石」，available at https://jja.ne.jp/aboutjewellery/aboutjewellery_inner04.html
[2] 全国宝石卸商協同組合，「誕生石の改定」，available at https://zho.or.jp/news/566/