お宝エイド

新着記事

NEW ENTRY

社会課題

日本のインパクト投資の現在とこれからを5つの具体例で知る!

#インパクト投資#社会貢献の理解が深まるお宝エイドの記事一覧

現在、持続可能な社会の実現のために、新たな投資の在り方として積極的な動きが見られているインパクト投資。本記事をご覧の方も、社会的な課題解決にもつながる、このインパクト投資について興味をお持ちのことと思います。

● お宝エイドのワンポイント

お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。この機会にお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。


寄付できる物品一覧を見る


支援先のNPO一覧をみる


寄付方法を見る


※もし、ご支援される際に「譲渡所得税」や「寄付金控除」についてご心配の場合は、ご支援される団体様までお問合せください。

ただ、日本国内においてはインパクト投資はどの程度浸透しているのかは、今ひとつ耳に入ってこないように思います。

そこで今回は、具体例を交えながら、日本のインパクト投資の取り組みについてフォーカスを当ててお伝えしていきます。

インパクト投資とは?基本的な定義

インパクト投資とは、単なる経済的な利益の追求ではなく、社会的または環境的な課題を解決することを目的とした投資のことを指します。

投資によって生まれるリターンが、企業や社会全体にポジティブな影響を与えることが特徴です。

例えば、気候変動への対応、貧困地域の支援、教育の充実など、持続可能な社会の実現に向けた事業を支援するための資金が、インパクト投資によって提供されます。

この投資手法は、個人の寄付や社会貢献活動とも密接に関わっており、「お金を活用して社会をより良くする」という考え方に基づいています。

インパクト投資について、より詳しく知るならお宝エイドの過去記事から!
インパクト投資をわかりやすく解説!注目集まる新たな企業の社会貢献

日本ではまだインパクト投資について、まだ認知が進んでいるとは言えないものの、2023年度の日本のインパクト投資残高が11兆5,414億円と昨年比197%の成長を見せています[1]。

このように徐々に企業や団体のインパクト投資への関心が高まり、実際に取り組みが拡大している事が各所数字にも反映されはじめています。

持続可能な社会の実現に向けた日本におけるインパクト投資の具体例

では、具体的にインパクト投資がどのように社会や環境を良くすることにつながっているのか。

ここでは日本国内における具体的なインパクト投資の事例として5つご紹介しながら見ていきたいと思います。

経済的自立への金融支援(マイクロファイナンス)

発展途上国を中心に、銀行からの融資を受けることが難しい人々が多くいます。実に14億人が銀行口座を持っていないと聞くと驚く方も多いのではないでしょうか。

こうした現状に対して、マイクロファイナンスと言われる貧困層を対象に少額融資を行うインパクト投資があります。

このマイクロファイナンスという仕組みを生み出したのは、バングラデシュのグラミン銀行で、2006年にノーベル平和賞を受賞した事で知っている方もいらっしゃるかもしれません。

このグラミン銀行のビジネスモデルを参考に、2018年に一般社団法人グラミン日本が設立され、経済的に苦しい方に低金利・無担保の少額融資や就労支援、自立支援などを行っています[2]。

グラミン日本は、2024年に公開されたドキュメンタリー映画「取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境」の後援を行うことを発表しました[3]。

本映画は、日本に22年在住する豪州出身の映画監督ライオーン・マカヴォイによる、シングルマザーの苦境と子どもの貧困を描いた作品です。

現在、全国の大学や自治体から上映や講演依頼が来るなど、本映画を通じて日本における「隠された貧困」の真実と必要とされる支援の認知を広げる活動を積極的に行っています。

再生可能エネルギーの普及促進

環境問題への対応として、再生可能エネルギーへの投資もインパクト投資の大きな柱の一つです。島の8割が海抜1メートル以下であるモルディブをはじめ、国土の多くが水没の危機に瀕する国もあります。

例えば、明治安田生命保険相互会社は、2021年にカーボンニュートラルの実現を目指し、再生可能エネルギー関連のプロジェクトに資金を投じています[4]。

2050年までに、化石燃料への依存を減らし、地球環境の改善につなげる脱炭素社会の実現に向けて、世界120以上の国と地域が取り組みを行っています。

こうした再生可能エネルギーへの事業に資金を投じるインパクト投資の動きも広がっています。

参考:脱炭素社会(カーボンニュートラル)の取り組みと私たちができること

グローバルヘルスの実現

気候変動による自然災害や、新型コロナウイルスのようなパンデミックなど、私たちの健康を脅かす課題は世界中に存在します。

こうした問題に対処するために、医療や公衆衛生分野へのインパクト投資が積極的に行われはじめています。

例えば、2023年にG7広島サミットのフォローアップとして日本政府が共催したイベントでは、「グローバルヘルス」の分野において、インパクト投資の促進が課題解決に重要な役割を果たす取り組みとして伝えられました。

インパクト投資による資金調達によって、気候変動により発生する感染症対策や、新興国における医療インフラの整備が後押しされ、健康被害を未然に防ぎ、人々の生活の質を向上させることが期待されています。

教育機関としてのインパクト投資の拡大

教育機関を通じて、気候変動対策や貧困地域への支援プロジェクト、その利益を学生支援に活用するというサステナブルな仕組みを構築する形も広まっています。

その魁として、学校法人上智学院では、国連の責任投資原則(PRI)に署名し、大学資産の運用においてインパクト投資を積極的に取り入れています。

2018年には、貧困地域等の生活改善を明確に投資目的として据えた社会的インパクト投資(ベンチャーキャピタルファンド<Aavishkaar社・インド>)を開始し、その収益の一部を奨学金や教育支援に充てています[5]。

また、上智大学では、社会的課題に取り組む起業家を支援するプログラムも実施。学生がインパクト投資の概念を学びながら、実際のビジネスで活用できる機会を提供しています。

こうした取り組みは、教育機関としての責任を果たすだけでなく、未来の社会を支える若者たちにインパクト投資の重要性を伝える役割も担っています。

持続可能なソーシャルビジネスを目的とした企業協働のかたち

社会的インパクトを生み出す事業に特化した投資を目的とした新たなファンドの形も生まれています。

1982年生まれの各分野の事業家9名を中心に2024年に設立された「1982インパクトファンド」は「経済的リターン(見返り)はなくてもいい」と標榜し、オリンピック水泳金メダリストの北島康介氏も参画企業家の1人となっている事でも注目されています[6]。

1982インパクトファンドは、地域活性化や環境問題の解決に重点を置き、地方創生を支援する企業や、環境負荷の少ない技術を持つスタートアップに投資することで、社会的課題の解決と経済的成長の両立を目指しています。

こうした単なる金融投資にとどまらず、投資先の企業と共に社会課題の解決に取り組むファンドの役割は、今後、日本国内でインパクト投資が広がるにつれて、ますます重要になっていくでしょう。

インパクト投資だけでは実現が難しい。私たちだからできる社会貢献も重要

ここまでインパクト投資について、具体例を挙げながら理解を深めてきましたが、国や企業の取り組みが主となっていることから、あまり身近な社会貢献には結びつかないイメージを持たれたかもしれません。

そのイメージは間違っておらず、すべての社会貢献活動がインパクト投資の対象になるわけではありません。

インパクト投資は、財務的リターンが期待できる事業への投資を基本とするため、経済的な見返りが少ない小規模な活動や、特定の地域に限定されたプロジェクトは投資の対象になりにくいのです。

例えば、地方の小さな福祉団体や、障害者支援のための活動、災害復興支援などは、社会的に重要な役割を果たしますが、投資の視点から見るとリターンが見込みにくいため、資金が集まりにくい課題があります。

インパクト投資は社会を大きく動かす力を持っていますが、それだけでは解決できない課題も多く存在しています。

どちらかと言えば、そうした問題こそ、私たちの身近な問題であり、その解決のためにNPOなどの民間団体が必死に活動していることにも目を向ける必要があります。

お宝エイドでは、こうしたNPO団体に対して、様々な物品を通じた活動支援を行っています。

お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けています。

この機会に、私たち個人1人1人ができる社会貢献活動を、お宝エイドを通じて始めてみてはいかがでしょうか。

寄付できる物品一覧を見る

支援先のNPO一覧をみる

寄付方法を見る

※もし、ご支援される際に「譲渡所得税」や「寄付金控除」についてご心配の場合は、ご支援される団体様までお問い合わせください。

<参考文献>
[1] Global Steering Group for Impact Investment (GSG) 国内諮問委員会,「日本におけるインパクト投資の現状と課題 -2023年度調査-」,available at https://www.siif.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/ImpactInvestmentReport2023.pdf
[2] 一般社団法人 グラミン日本,available at https://grameen.jp/
[3] 取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境,available at https://onesleftbehind.com/indexjp.php
[4] 明治安田生命保険相互会社,「カーボンニュートラルファンドへのインパクト投資について」,available at https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20211217_01.pdf
[5]学校法人上智学院,「貧困地域等の生活改善を投資目的として据えた社会的インパクト投資の開始について」,available at https://www.sophia.ac.jp/jpn/article/news/announcement/20181029esg/
[6]1982インパクトファンド,available at https://1982impact.jp/

そもそもお宝エイドとは?


寄付先のNPOを調べる

あわせて読みたいおすすめ記事

RECOMMEND