日本古来のSDGs「金継ぎ(kintsugi)」の歴史と魅力
日本は古くからものを大切にする精神がものづくりの文化に反映されてきました。その1つとして、現在海外でも注目されている「金継ぎ(kintsugi)」があります。
今回は日本が大昔から受け継いできた金継ぎについて、歴史を紐解きながら現在なぜ国内外で人気を得ているのか、そしてこの金継ぎを始めとした日本の「もったいない文化」が生み出す新たな価値について迫ります。
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金継ぎとは?歴史からその魅力を紐解く
「金継ぎ」とは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で修復し、金で装飾する技法のことです。
金継ぎの歴史は非常に古く、正確な起源は不明ですが、縄文時代には漆で器を修復していたと考えられています。ただし、この時期にはまだ金は使われていませんでした。
室町時代から、金を使った修復技術が行われるようになりました。15世紀の室町時代、お茶や茶道が盛んになると、高価なお茶の道具を修復するために金継ぎの技術が広まりました。茶道の実践者たちは、美意識と簡素さを重視し、陶磁器を金で修復する文化を育んだのです。
欠けた部分を修復して長く使い続けるという「もったいない精神」は、この時期から始まったといえるでしょう。
金継ぎでは、器の割れや欠けの形をそのまま生かして修復します。偶然できた割れや欠けの形を、唯一無二の美しさと捉えています。修復された部分は「景色」と呼ばれ、割れた器に新しい価値を生み出します。
このように金継ぎは単に優れた修復技術だけでなく、金継ぎの背景にある考え方や意識を含めた魅力があります。
海外からの高い反応も。今「kintsugi」が人気の理由
ここまでお伝えしてきましたように、金継ぎは日本で古くから伝わる伝統技術でしたが、その存在は一部の愛好家を除いて、日本人の間でもあまり知られていませんでした。
しかし、2020年のコロナウイルス感染症の拡大に伴い、ステイホームで楽しめるものづくりの一つとして、30代以降の女性に人気が出始めました。また、SNSを通じて海外にも広まりました。
本記事執筆にあたり、キーワードのトレンドを調査するGoogle Trends[1]を使ってアメリカで「kintsugi」というワードがどれだけ話題になっているかを調べてみたところ、WHOがコロナの緊急事態宣言終了を発表した2023年頃から急激に検索が増加していることがわかります。
なぜ金継ぎがこれほどまでに海外で注目を集めるのでしょうか?
それは、本来なら捨てられてしまうお皿を修理し、傷を「美」としての価値を持たせるという日本人の考え方が非常にユニークだと感じられているからです。
現在、インバウンド需要も相まって、外国人観光客に金継ぎの体験教室やワークショップが人気を集めています。これからも金継ぎの認知度はさらに広がっていくでしょう。
日本古来の「もったいない文化」を支援の力に
現代に金継ぎの認知が広がることは、日本の伝統技術の継承のみならず、本来廃棄をされるはずの物を再生させるというサステナブルな側面でも重要な役割を果たしています。
お宝エイドでも、現在使われずにご自宅のタンスや押入れ、倉庫に眠ったままになっていたり、生前整理や遺品整理を機に処分されてしまう物品について、持続可能な社会の実現につなげるために、新たな価値を与える取り組みを行っています。
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<参考文献>
[1] Google トレンド,available at https://trends.google.co.jp/trends?geo=JP&hl=ja
[2]PR TIMES,『認知度80%増】20代の約半数がコロナ禍に知った「金継ぎ」人気の実態調査結果を公開』-株式会社つぐつぐのプレスリリース,available at https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000076932.html
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