「スーパーフラット」と呼ばれる新たな芸術様式を確立し、世界的に高く評価されている現代アーティストの村上隆さん（以下、本記事では村上隆と敬称略で表記）。

時として揶揄の対象になるほどのインパクトの強い彼の作品にあなたは強く惹かれ、そのいくつかを手にしたかもしれません。

今回は、そんな村上隆の作品価値をテーマにお伝えしていきたいと思います。

世界にその名を轟かす「村上隆」という芸術家とは

現在、現代美術家としてだけでなく、ポップアーティストや映画監督など、芸術世界で多岐に渡って活動する村上隆。

アニメが大好きな青年だった彼は、高校卒業後にアニメーターを志すも挫折。その後、同じく興味を持っていた日本画を学ぶため、2浪の末に東京藝術大学美術学部日本画科で日本画を学んだ経歴を持ちます。

村上隆が世界的な評価を受けるに至った「スーパーフラット」という芸術様式は、ハイカルチャー（社会において高い達成度を示した伝統的な文化）とポピュラーカルチャー（大衆文化）の共通項を抽出した概念と言われていますが、

これは村上隆が若くして没頭したアニメというポップカルチャーと伝統的な日本画の融合から生まれたと言う、いわば村上隆の人生そのものから生まれたものと言っても過言ではありません。

村上隆の作品の評価と買取価値

新たな芸術様式を打ち立て、現在も第一線で活躍する村上隆。彼がこれまで生み出してきた作品には、一体どのくらいの評価と価値が付けられているのでしょうか。

例えば、村上隆の代表作として、このような作品があります。

• AND THEN Pink/AND THEN Red：村上隆を代表するメインキャラクターDOB君
• Ko²ちゃん：メイド型の日本初の等身大フィギュア
• Eye Love SUPERFLAT/Sphere：ルイヴィトンとのコラボレーション作品
• 「お花」シリーズ
• スーパーフラットドラえもん
• めめめのくらげ

村上隆の作品にはオリジナルだけでなく、世界的なファッションブランドから日本を代表するアニメまで、コラボ作品が多いことでも知られていますが、作品によって数万円～数十万円、中には数百万円の値が付くものと、買取価値が非常に幅広いことが特徴です。

最高落札価格としては、2008年5月にアメリカで行われたサザビーズのオークションで出品された「マイ・ロンサム・カウボーイ」で、これは日本人美術家のオークション落札記録のTOP3に入る2330万ドル（約18億円）で落札されています。

彼の作品が世界的にここまで評価されている背景には、他の現代アーティストとは異なる目線があるからと言われています。

それは、緻密なマーケティングを行いながら評価される作品を創り出すという、アートをビジネス的な位置づけとして捉えていることにあります。

世界的なブランドや国内外のアーティストとコラボしているのも正にその1つですが、こうした考え方は、日本の現代美術からは受け入れられないこともあり、批判の矢面に立つ場面もたびたびあります。

しかしながら、それこそが村上隆であり、唯一無二の現代アーティストとして多くのファンを魅了しているのだと思います。

●現代アートや日本画の価値についてはこちらの記事もご参考ください。

役目を終えた絵画に支援寄付という新たな価値を

2022年で還暦を迎える村上隆。彼の芸術家としての足跡は、まだこれからも長く続き、世界中の多くのファンの心を掴んでいくことと思います。

もしも、あなたの中で村上隆の作品を手放そうとお考えであれば、価値を感じる方のもとへ繋いでいってはいかがでしょうか。

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（KOBIT編集部：Fumi.T）