15世紀の日本を大きく変えた物の1つと言えば、外国から伝わり発展した鉄砲を語らずして日本の歴史は語ることはできません。

今回はその鉄砲伝来の始まりとなった「火縄銃」について、歴史を紐解きながらその価値についてお伝えしていきます。

火縄銃とは？種子島から瞬く間に広がった鉄砲伝来の歴史

日本における鉄砲の伝来は天文12年8月25日（1543年9月23日）、ポルトガル商人を乗せた中国船が種子島に流れ着きました。

当時の領主であった種子島時尭は、彼らが持っていた2挺の火縄銃を2,000両で購入しました。当時の1両は現在の30万円弱と言われていますから、いかにその価値を感じていたかがうかがいしれます。

時尭は、購入した火縄銃１挺をもとに、鍛冶職人だった八板金兵衛に鉄砲の製造を命じました。種子島では古くから製鉄や鍛治が盛んで、良質な砂鉄が採取できたことから、わずか1年で国産の火縄銃が完成してしまったと言われています。

一方、もう1挺は薩摩藩を経て将軍足利義晴に献上されました。

足利義晴は、現在の滋賀県にあたる近江の国友の刀鍛冶に火縄銃の製造を命じて複製に成功します。その後、かの織田信長によって国友は鉄砲鍛冶の町へと発展し、日本最大の鉄砲生産地となりました。

さらには、大阪の堺や雑賀（現在の和歌山県）でも火縄銃の生産が盛んに行われるようになり、瞬く間にその数は増えていきます。

鉄砲伝来からわずか約30年後の1575年に起きた長篠の戦いでは、3,000挺の火縄銃が使われ、さらにその約40年後の1614年の大坂の陣では、徳川軍が30万挺の火縄銃を保持していたと言われています（※諸説あります）。

そして戦国時代末期には、日本には50万挺をも超える火縄銃が存在しており、1589年に英国がフランスに軍を派遣する際に集めた銃の数は1100挺足らずと言われていますから、当時の日本は、世界でもトップクラスの鉄砲保有国だったことが分かります。

現代ではもう作られていない火縄銃の価値

その後、江戸時代に入ると鎖国の影響や構造上不発率が高かった火縄銃の需要は徐々に減っていき、幕末期以降は海外から伝来した新式銃に取って代わったことで、急速に廃れていきました。

それでも昭和初期までは狩猟用目的として火縄銃の製造を行われていましたが、現在では作られていません。当時50万挺と言われた数は、現在では4万挺ほどしかないとも言われています。

火縄銃は、現在銃としての価値は残されていませんが、日本の歴史を大きく変えるきっかけとなった歴史的価値は失われておらず、その現存数の少なさから1挺あたり数十万円から、物によっては数百万円以上で買取されることもあるとされています。

自宅に眠るお宝を支援の力に

火縄銃だけでなく、時代とともに日本で使用されなくなった銃は、刀剣のように美術品として現在も作り続けられるものもなくなりました。

そのため、火縄銃に美術的価値はありませんが、日本史を語るうえでの貴重な価値は残り続けています。

こうした歴史的価値が残されている物は、火縄銃の他にもたくさんありますが、その価値が眠ったまま、倉庫や蔵にしまわれているケースも少なくありません。

お宝エイドでは、こうした眠ったままになっている“お宝”の価値を目覚めさせ、社会貢献につなげる活動をしています。 本記事で紹介した「火縄銃」をはじめ、お宝エイドでは様々な物品を通じたNPO団体の支援を行うことができます。お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。あなたもお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。

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＜参考文献＞
[1] 鹿児島県，「鉄砲伝来」，available at https://www.pref.kagoshima.jp/aa02/pr/gaiyou/itiban/hatu/teppo.html
[2] 種子島火縄銃保存会，「火縄銃保存会　福井会長インタビュー」，available at https://tanekan.jp/introduce/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%AF%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%80%E7%81%AB%E7%B8%84%E9%8A%83%E3%81%AE%E8%BD%9F%E9%9F%B3/
[3] 白河市公式ホームページ，『市長の手控え帖 No.175「日本は鉄砲大国だった！」』，available at https://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page008998.html