能登半島地震での炊き出しで見えたジェンダーバイアスの課題と解決への道
令和6年1月1日に発生した能登半島地震から半年を迎え、甚大な被害を受けた能登地方の復興プランがいよいよ本格的に動こうとしている状況です。
そんな前進が見える一方、被災地の現場では、「炊き出し」をはじめとした、避難所における女性の役割と負担の課題が浮き彫りになりました。
今回は、そんな災害時におけるジェンダーバイアスをテーマにお伝えします。
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災害時の炊き出しは、なぜ女性がやるものになってしまっているのか?
はじめに、みなさんは災害時の「炊き出し」と聞くとどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか?
主にテレビなどで報道される炊き出しの様子は、芸能人や著名人が現地に赴いて行うものが多いことから、外部のボランティアの協力によるものとしてのイメージが強いかもしれません。
しかし実際は、こうしたボランティアの方々の協力を毎日、毎食に渡って得られるものではなく、被災者の方々が協力して行うことの方が多いのが現状なのです。
そして、今回の能登地震においては、この炊き出しを担っていたのは主に女性で、ボランティアが入る前のピーク時には1日7時間も炊き出しに使っていた方もいらっしゃった事がヒアリング調査で明らかになりました[1]。
この要因としては、いまだ古き慣習として根付よく刷り込まれている「女性は家事を担うもの」というジェンダーバイアスに加え、女性の意見が反映しにくい地域構造にあると言われています。
内閣府の調査では、防災・危機管理部局に配置されている女性職員の割合は、石川県全体で7.0%、今回の地震で被害の大きかった能登地方の9市町村に目を向けてみると、わずか1人だけとなっています[2]。
こうした現状が今回の震災によって表面化したと言っても良いのかもしれません。
被災地の復興は「協力」が必要。復興支援のために私たちができること
災害時、そしてこれから復興を目指す被災地にとって、人と人との協力は必要不可欠です。男女それぞれが持つ能力を発揮することは大事な一方で、男女だからあるいは性的マイノリティだからという判断で、時として災害弱者になってしまうことを私たちは理解しなければいけないのではないでしょうか。
また、復興への「協力」は被災した自治体や被災者間だけでなく、外部間との「協力」も不可欠です。
現在、被災地では様々な支援が行われていますが、一例として下記のNPO団体が災害発生直後から避難所で水や衛生用品等の物資配布をはじめとした支援活動を行っています。
- 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン:石川県輪島市を中心に食品・水等の物資配布や炊き出しを実施中
- AAR Japan[難民を助ける会]:輪島市、珠洲市で炊き出し、県内各地の障がい者施設に支援物資配布
- NPO法人フードバンクとやま:水や食品の寄付、現地で炊き出しする団体への食品や備品の寄付
- 公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO):輪島市を中心に生活物資や食料の配布
- 特定非営利活動法人ジャパンハート:能登町、輪島市を中心に要配慮者用支援物資の提供および避難所での医療分野における人的支援
- シャンティ国際ボランティア会:県内で支援物資の配布
いまだ被災地の混乱は収まっていないため、個人としてどのような支援をするのが良いのか、自分には何ができるのか、とお考えの方も多いかもしれません。
お宝エイドでは、上記でご紹介したような、被災地で復旧活動や被災者のサポートを行っているNPOの活動を支援する形で、能登半島地震への支援へとつなげています。
お宝エイドでは様々な物品を通じたNPO団体の支援を行うことが出来ます。お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。あなたもお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。
(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1] 公益財団法人 ほくりくみらい基金,「能登半島地震の女性の経験と思いに関するヒアリング調査報告書をまとめました」,available at https://hokuriku-mf.jp/news/noto_josei_survey/
[2]内閣府,「ガイドラインに基づく地方公共団体の取組状況調査(令和4年)」,available at https://www.gender.go.jp/policy/saigai/fukkou/chousa_r04.html
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