能登半島地震の復興を阻む「災害ごみ」とは?現状と必要とされる支援の力
令和6年1月1日に石川県能登半島を中心に大きな被害をもたらした能登半島地震。本記事公開時点で、発生から丸4ヵ月が経過しましたが、復興に向けて各所の尽力とともに様々な課題も浮き彫りとなっています。
今回は「災害ごみ」をテーマに取り上げ、復興を阻む現状と課題についてお伝えします。
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能登半島地震の復興を遅らせている災害ごみとは?
災害時には、家具や畳の破損による「整理が必要な廃棄物」や、建物の崩壊に伴う「瓦礫」など、多量の廃棄物が出ます。これらは「災害ごみ(正式名称は災害廃棄物)」と呼ばれます。
この「災害ごみ」は、日常生活で出る「生活ごみ」とは異なり、短い期間で大量に発生する特性があります。これを日常の「生活ごみ」と同じ方法で処理すると、大量の廃棄物が街に溢れ、住環境に深刻な問題を引き起こすだけでなく、被災地の回復や再建作業が遅れる可能性があるため、通常の「生活ごみ」とは別に処理しなければいけません。
1番の問題は災害ごみの量です。過去の大地震を例に見てみると、平成7年1月17日に起きた阪神・淡路大震災では1,333万トン、平成23年3月11日の東日本大震災では、その1.6倍にも上る3,100万トンもの災害ごみが発生したと言われています[1][2]。
こうした大量の災害ごみが二次被害をもたらしたり、インフラの復旧を遅らせたりし、復興を阻んでしまうのです。
能登半島地震の災害ごみの現状と課題
石川県の発表によると、今回の能登半島地震で発生した災害ごみの発生推計量は県内全体で約260万トンとされています[3]。
前述した2つの地震と単純比較すれば排出量は少なく見えますが、石川県の年間ごみ排出量の7年分に上るとされています。
特に被害の大きかった奥能登地区だけで見ると穴水町では96年分、能登町では46年分、輪島市で31年分に相当することから、市町で災害ごみの対応が大きく異なる点も課題の1つとされています。
また、災害ごみは避難所から出る生活ごみやし尿なども含まれます。復興が長引くほどに災害ごみの量は増え続けてしまうことも忘れてはなりません。
能登半島地震から早期復興に向けて必要とされる支援の力
現在石川県内では災害廃棄物の仮置き場に日々、大量の災害ごみが持ち込まれています。被災した家々では、軽トラックで10回以上運んでも終わりが見えないなど、災害ごみの撤去に奔走されている状態です。
被災された方々が生活再建に向けてやらなければいけないことは数多く残されており、今は多くの支援の力を必要としています。
現在、被災地では様々な支援が行われていますが、一例として下記のNPO団体が災害発生直後から避難所で水や衛生用品等の物資配布をはじめとした支援活動を行っています。
- 認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン:石川県輪島市を中心に食品・水等の物資配布や炊き出しを実施中
- AAR Japan[難民を助ける会]:輪島市、珠洲市で炊き出し、県内各地の障がい者施設に支援物資配布
- NPO法人フードバンクとやま:水や食品の寄付、現地で炊き出しする団体への食品や備品の寄付
- 公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO):輪島市を中心に生活物資や食料の配布
- 特定非営利活動法人ジャパンハート:能登町、輪島市を中心に要配慮者用支援物資の提供および避難所での医療分野における人的支援
- シャンティ国際ボランティア会:県内で支援物資の配布
いまだ被災地の混乱は収まっていないため、個人としてどのような支援をするのが良いのか、自分には何ができるのか、とお考えの方も多いかもしれません。
お宝エイドでは、上記でご紹介したような、被災地で復旧活動や被災者のサポートを行っているNPOの活動を支援する形で、能登半島地震への支援へとつなげています。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1] 内閣府,「阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】災害廃棄物の処理・処分」,available at https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/data/detail/3-4-2.html
[2]環境省,「東日本大震災における災害廃棄物処理について(概要)」,available at https://www.env.go.jp/council/03recycle/y030-03/y030-03%EF%BC%8Fref011.pdf
[3]石川県,「令和6年(2024年)能登半島地震に係る石川県災害廃棄物処理の基本方針・災害廃棄物処理実行計画」,available at https://www.pref.ishikawa.lg.jp/haitai/r6kihonhoushin.html
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