日本にスラム街は存在する?「ドヤ街」と呼ばれる場所との違い
「スラム街」という言葉は耳にしたことがあると思いますが、「日本にスラム街があるのか?」と聞かれると疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言えば、現在の日本にはスラム街と呼べる場所は存在しません。ただし「ドヤ街」という愛称が未だに残るスラムに似た場所は現在もいくつか存在しています。
そこで今回は、スラム街とドヤ街の違いを知りながら、日本の貧困問題の現状を考えていきたいと思います。
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「スラム街」と「ドヤ街」の違い
スラム街とは、都市部で生活に困窮した貧民層で形成された地区のことを言います。
過度に人口が密集しているが水道・ガス・電気といった公共サービスや著しく衛生状態・治安が悪い居住地域で、世界的な基準から言えば、現在の日本にスラムは存在しません。
ドヤ街とは、終戦後高度経済成長期の日本において、日雇い労働者が多く集まる場所のことを言います。簡易宿所が多く立ち並ぶ地域として形成されていったことから「宿(ヤド)」の逆さ言葉として「ドヤ」と呼ばれるようになったと言われています。
スラム街とドヤ街は、貧しい層が集まる場所という点では共通していますが、ドヤ街は公共サービスや宿泊所、飲食店もあるなど、「街」としての機能は保たれている点で海外のスラムとは異なります。
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日本三大ドヤ街と現在(いま)
高度経済成長期の日本には、東京、大阪、名古屋などをはじめとした、各地方主要都市にドヤ街が多く存在しました。
その中でも1960年代以降に日本の三大ドヤ街と呼ばれるようになったのが、東京都の台東区と荒川区にまたがって存在していた「山谷(さんや)」、大阪府大阪市の「西成区(にしなり)」、神奈川県横浜市の「寿町(ことぶきちょう)」です。
いずれも2000年代以降はドヤ街としての規模は縮小していると言われていますが、いまだに簡易宿所で暮らす方や後にアパートになった場所で暮らしている方もおり、その多くが生活保護受給者と言われています。
まとめ
日本にはスラム街は存在しませんが、「ドヤ街」という場所はいまだに存在しています。
かつてのような喧嘩や重犯罪といった治安の悪さはほとんど見られなくなったものの、現在のドヤ街には高齢化と貧困という新たな課題が存在しています。
超高齢社会に突入している日本では、現在のドヤ街のような地域が増えていくことも考えられるかもしれません。
こうした問題を通じて、改めて「住み続けられるまちづくり」に目を向け、私たちができることを考えてみてはいかがでしょうか。
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