ギターの寿命と持続可能な楽器の未来に私たちができること
若かりし頃はよく弾いていたものの、最近は物置や屋根裏にしまったままになっているアギター。
実はアコースティックギターをはじめとした、天然木材で作られた楽器の価格が高騰している事をご存知でしょうか?
今回は、そんなギターの持続可能な未来をテーマに、弾かなくなったギターの新たな使い道を通じて、私たちができることを考えていきたいと思います。
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ギターを未来につなぐ「エボニープロジェクト」
アコースティックギターに触れた事がある方なら、恐らくその名を知らない人はいないであろうギターメーカーのTaylor Guitars。
創設者の1人であるボブ・テイラーは、全世界のギターに使っている木材の森林保護活動や植樹活動を行い、次世代にギターという楽器をつなげる活動を積極的に行っています。
その1つに「エボニープロジェクト」があります。
このプロジェクトが立ち上げたきっかけは、ボブが2011年にカメルーンへ訪れた際のことでした。
カメルーンはエボニーと言われるカキノキ科の常緑高木の主要産地で、現在世界中のエボニーの森が減少する中で、合法的にエボニーを輸出できる唯一の国と言われています。
Taylor Guitarsも長年に渡って、カメルーンからエボニーを輸入していましたが、ある時、エボニーの多くが廃材になっている現実を知ることになります。
というのも、楽器や家具に使用されるエボニーと言えば、日本語で「黒檀(こくたん)」と表記されるように、濃い黒色の木材とイメージされるのが一般的ですが、実はクリーム色やマーブル模様、桃色のものもあり、真黒なものは全体の10%程度しかないと言われています。しかしながら、黒以外のエボニーはこれまで市場価値が認められず、伐採後に廃棄されてしまうことがほとんどでした。
この問題を知った、ボブ・テイラーは即座にすべてのエボニーを同じ価格で買取ることを決定し、フラッグシップモデル814ce ES2に、クリーム色が混ざったエボニーを使用し「スモーキーエボニー」という新たな価値を見出したのです。
この一連の動きがきっかけとなり、「エボニープロジェクト」が始まり、2018年からカメルーンのコンゴ盆地研究所と協力してエボニーの生態に関する研究と植林が進められ、持続可能な楽器作りにつなげています。
ギターに寿命はあるのか?ヴィンテージギターの高い価値
音楽に欠かせないギターの持続可能な未来のために活動されている一方で、音を奏でる機会を失ってしまったギターも存在します。
ここで1つ、ギターにはそもそも寿命というのが存在するのか、という疑問がわいでこないでしょうか。
結論から申し上げると、木製楽器であるギターには寿命は存在しません。
弦やグレットなど劣化や摩耗により交換が必要なパーツはあるものの、適切なメンテナンスを行えば、何十年経っても使用できるどころか、エイジングと呼ばれる木材変化によって、より深みのある音色が生まれることでも知られています[2]。
特にギターの場合には、50年以上前に製造されたものを「ヴィンテージ」と呼び、経年変化による新しいギターには出しえないサウンドに価値を求める方も少なくありません。
持続可能な未来に私たちができること
本記事で取り上げたギター以外にも持続可能な未来を実現するために、世界中で解決しなければいけない、様々な社会課題があります。
こうした課題解決のために私たち個人でできることは限られているかもしれませんが、本記事で取り扱ったギターをはじめとした楽器を通じて社会貢献活動の後押しにつなげることも可能です。
お宝エイドでは、自宅に眠る価値ある物品を通じて、国内外で活動するNPOの支援を行っています。あなたもこの機会に、お役目を終えた楽器を通じて社会貢献の第一歩をはじめてみませんか。
本記事で紹介した「ギターや楽器」をはじめ、お宝エイドでは様々な物品を通じたNPO団体の支援を行うことが出来ます。お宝エイドでは郵送いただいた「お宝」を換金し、ご指定いただいたNPO団体の活動原資として送り届けます。あなたもお宝エイドでの支援活動をはじめてみませんか。
(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考部兼>
[1] Taylor Guitars,「Ebony Project」,available at https://www.taylorguitars.com/ebonyproject/
[2] 鈴木晃弘 著,「クラシックギターのエイジング効果について」,available at https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmedmc/2017/0/2017_425/_pdf
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