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物流の2024年問題を賞味期限3分の1ルール見直しから考える

最近ニュースなどで耳にする機会が増えている「2024年問題」。

間接的に私たちの生活にも影響を及ぶことでネガティブな面が注目されていますが、本記事では、2024年問題の解決策の1つとして食品ロスの削減にもつながる「3分の1ルールの見直し」をテーマにお伝えしていきます。

2024年問題で運送・物流業界は何が代わる?

「2024年問題」とは、運送・物流業界での働き方改革関連法の全面施行によって起こると予想される一連の問題を指しています。まず、その背景からおさらいしてみましょう。

2024年に適用される法令とは

日本の運送・物流業界は、長時間労働や休日出勤が常態化しており、労働者の過労死や健康被害が問題となっています。これに対して、日本政府は働き方改革関連法を制定し、2024年4月1日から、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されます[1]。

2024年問題によってどのような影響が出る?

この法改正の施行によって、各所にさまざまな影響が出ると言われていますが、一例としてこのようなことが挙げられます。

  • 運送会社・物流企業の売上減少
  • 配送ドライバーの収入減少
  • 物流コストの増加
  • 物流業界の人材不足
  • サービスの遅延

近年ネット通販やフリマアプリの利用増加に加え、コロナ禍の後押しもあって物流負荷は重くなっている中で、労働者の待遇改善を目的とした改正であるものの、こうした歪が出てきてしまうことが深刻視されています。

2024年問題の解決に賞味期限の3分の1ルールの慣習見直しも

2024年問題を乗り越えるためには、物流や運送業界だけでどうにかできるものではありません。

あらゆる業界との連携が必要となりますが、その解決に向け食品業界の商習慣として続いてきた賞味期限の「3分の1ルール」見直しも注目されています。

3分の1ルールとは

3分の1ルールとは、食品メーカー、卸売業者、小売店の間で、「製造日から賞味期限の3分の1を過ぎた商品は原則として小売店は仕入れない」というルールになります。

例えば、賞味期限6ヶ月の商品は、製造日から2ヶ月を過ぎた場合には、小売店には納品できず、卸売業者はメーカーに返品する形になりますが、賞味期限は十分に残っているものの、正規の価格で販売できなくなってしまいます。

3分の1ルールの見直しがなぜ2024年問題の解決につながるのか

2024年問題の解決に向けて、2023年3月に首都圏の食品大手スーパーのサミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーションの4社が、この3分の1ルールを2分の1ルールに統一することが発表されました[2]。

賞味期限を2分の1ルールに見直しをすることは、卸売業者が小売店に納品できる期間が長くなるため、在庫管理や配送手配に余裕が生まれることで、食品流通の負担軽減につながります。

食品ロス問題について、この機会に改めて考えよう

賞味期限の「3分の1ルール」の見直しによって、配送の負担緩和だけでなく、食品ロス削減効果にもつながると考えられています。

具体的には、小売業界全体で飲料や菓子(賞味期限180日以上)だけでも2分の1に緩和すれば年間4万トンの廃棄を防げるという見解もあります[3]。

「2024年問題」だけで考えると、物流や配送業界の問題として捉えがちですが、視野を広げていけば、2024年問題の解決はさまざまな効果をもたらすことが分かります。

また、3分の1ルール見直しには、私たち消費者の賞味期限の認識を改めることも必要と言えるかもしれません。そのため、この機会に食品ロスの問題も改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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<参考文献>
[1]厚生労働省,「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」,available at https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
[2] 食品新聞 WEB版(食品新聞社),「持続可能な物流構築へ食品スーパー4社が協調 1/2ルールに統一 特売・新商品、6日前計画発注へ」,available at https://shokuhin.net/71798/2023/03/20/topnews/
[3] 東京新聞,「食品ロスの一因…「3分の1ルール」どうして見直すの?<教えてQ&A>」,available at https://www.tokyo-np.co.jp/article/213384

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