2023.05.12

6月の誕生石 3種類の宝石に込められた意味と石言葉

全12回に渡って、各月の誕生石の意味や石言葉を毎月お届けするシリーズ企画。

第6回目の今回は「6月の誕生石」の特徴や価値についてご紹介します。

6月の誕生石に選定されている3種類の宝石の特徴

6月の誕生石に選定されている宝石は、ムーンストーンと真珠（パール）、そしてこれら以外に、2021年に63年ぶりの誕生石改定でアレキサンドライトが追加され、現在は3種類となっています[1][2]。

それぞれの誕生石の特徴をまとめましたので、順番に見ていきましょう。

アレキサンドライトは、1830年にロシアのウラル山脈で発見された珍しい宝石です。その名前は、当時のロシア皇太子アレクサンドル2世に由来しています。

アレキサンドライトは、クリソベリルという鉱物の一種で、ベリリウムとアルミニウムの酸化鉱物からできた宝石です。

その輝きは、昼間は青緑色や暗緑色に、夜間は赤色や紫色に見えるなど、光の当たり方によって色が変わるという不思議な特徴を持ち、「昼のエメラルド、夜のルビー」とも呼ばれています。

また、その希少性から「世界三大希少石」にも選ばれており、特にロシア産のアレキサンドライトは高品質でありながらほとんど産出されないため、非常に価値が高いとされています。

ムーンストーンは、フェルスパー（長石）という鉱物の一種で、透明度の高いものにカボションカット（丸みのあるカット）を施すことで、青色や白色のシラー効果（光が屈折して虹色に見える現象）が現れます。

月の光を閉じ込めたような神秘的な輝きを持つことから和名では「月長石」と呼ばれ、特に青色のシラー効果を持つものはブルームーンストーンと呼ばれ、高い価値があります。

古代から月の象徴として崇められてきた宝石で、インド、スリランカ、ミャンマーなどが産地として有名ですが、日本でも木崎湖や人喰谷などで採れることでも知られています。

古代から悪霊を祓い、予知能力を高め、ストレスを和らげ、愛をもたらすと信じられてきたことから、女性にとっては、月のサイクルと同調することで、感情や体調のバランスを整えるパワーストーンとしても親しまれてきました。

真珠（パール）は、貝が体内に入った異物を包み込んで作る球状の宝石です。

真珠には自然に生成されるものと、人工的に異物を入れて作る養殖真珠があります。日本は真珠の産地として古くから有名でしたが、明治期にミキモト（旧御木本真珠店）の創業者である御木本幸吉が世界初の真珠養殖を成功して以降、販売シェア世界一を継続しています。

貝の種類や産地、生成過程によって色や形は異なり、一般的なイメージで知られる白やクリーム色の他にも、ピンクや黒色もあります。また、形も完全な球形から楕円形や扁平形など様々あることでも知られています。

真珠は上品でエレガントな印象を与えるだけでなく、「涙の象徴」として葬儀の場で身に着ける宝石でもあり、真珠のネックレスを祖母や母から代々受け継いできたご家庭も多いかもしれません。

6月の誕生石であるアレキサンドライト、ムーンストーン、真珠（パール）にはそれぞれこのような石言葉があります。

これまで6月の誕生石は、どちらかと言えば清楚で純粋無垢な女性を象徴する意味が共通して込められていましたが、新たにアレキサンドライトが誕生石として加わったことで、「女性の強さ」という面も加わりました。

また、「人生を良い方向へと導いてくれる宝石」という意味でも共通した石言葉を持っていますので、若かりし頃からお守り代わりとして大切にされてきた方も多いのではないでしょうか。

生まれ月の宝石全てには意味があり、その誕生石を身に着けていると幸せが訪れると現在まで語り継がれてきました。

もし、生前整理や断捨離をきっかけに、あなたがこれまで身に着けてきた宝石を手放そうと思っているならば、その宝石に込められた幸せと価値を次の方につなげてみてはいかがでしょうか。

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（KOBIT編集部：Fumi.T）

＜参考文献＞
[1] 一般社団法人日本ジュエリー協会，「誕生石」，available at https://jja.ne.jp/aboutjewellery/aboutjewellery_inner04.html
[2] 一般社団法人日本ジュエリー協会，「誕生石の改訂について」，available at https://jja.ne.jp/news/news20211221.html