タコスとは?起源や歴史、トルティーヤの種類、ブリトーとの違いを解説
タコスとは、トウモロコシや小麦粉から作る薄い生地「トルティーヤ」に、肉、魚介類、豆、野菜などの具材をのせ、サルサや薬味と一緒に食べるメキシコ料理です。
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一般的にはトルティーヤを二つ折りにして食べますが、具材や形に厳密な決まりがあるわけではありません。
日本では、パリパリに揚げた生地にひき肉、レタス、トマト、チーズを詰めた料理として知られることがあります。
しかし、メキシコで広く親しまれているのは、焼いて温めたやわらかいトルティーヤを使うタコスです。
牛肉や豚肉だけでなく、魚介類、内臓、豆、キノコ、ジャガイモなども具材になります。
タコスの魅力は、一つの決まったレシピに収まらない多様性にあります。
土地の食材、家庭の味、屋台ごとの調理法が反映されるため、同じ名前のタコスでも地域や店によって味わいが異なります。
タコスを構成する4つの要素
タコスは、主にトルティーヤ、具材、サルサ、薬味から成り立っています。
それぞれの組み合わせによって、香りや食感、辛さが変化します。
トルティーヤ
トルティーヤはタコスの土台となる薄い生地です。
単なる具材の包みではなく、原料由来の香りや焼き目が料理全体のおいしさを左右します。
小ぶりなトルティーヤを2枚重ねて使うこともあります。
これは具材の水分や重さで生地が破れるのを防ぎ、食べやすくするためです。
ただし、必ず2枚使うという決まりはありません。
具材
具材には、焼いた牛肉、煮込んだ豚肉、鶏肉、魚、エビ、豆、野菜などが使われます。
肉の種類だけでなく、焼く、煮る、蒸す、揚げるといった調理法によっても異なるタコスになります。
日本で見かける味付けしたひき肉も具材の一つですが、タコスに必須ではありません。
チーズやレタスを使わず、肉、玉ねぎ、香草だけで仕上げるシンプルなタコスも一般的です。
サルサ
サルサはスペイン語でソースを意味します。
トマトやトマティーヨ、唐辛子、玉ねぎ、ニンニクなどを組み合わせて作られ、具材に辛さ、酸味、香ばしさを加えます。
赤いサルサだけでなく、緑色のサルサや、刻んだ生野菜を混ぜたものなど、種類はさまざまです。
唐辛子を使っていても、すべてのサルサが非常に辛いわけではありません。
薬味
刻んだ玉ねぎ、香草、ライムなどは、タコスを仕上げる重要な存在です。
玉ねぎは歯触りを加え、香草は爽やかな香りを与えます。
ライムの酸味には、脂の多い肉の後味を軽くする役割があります。
香草が苦手な場合は量を減らしたり、別の葉野菜を使ったりしても構いません。
食べる人がサルサや薬味を自由に足せることも、タコスの楽しさです。
タコスの起源と歴史
タコスの正確な起源や名称の由来については諸説があり、一つに断定することはできません。
ただし、その土台となるトウモロコシの食文化は、ヨーロッパ人がアメリカ大陸へ到来する以前からメソアメリカに存在していました。
トウモロコシを主食としてきた文化
現在のメキシコを含むメソアメリカでは、古くからトウモロコシが重要な作物でした。
トウモロコシを加工して生地にし、薄く成形して焼いたものと、さまざまな食材を一緒に食べる習慣が、今日のタコスにつながったと考えられています。
伝統的なコーントルティーヤ作りでは、トウモロコシをアルカリ性の水溶液で加熱処理する「ニシュタマリゼーション」という工程が用いられます。
この工程には、トウモロコシを生地に加工しやすくし、独特の香りや食感を引き出す役割があります。
スペイン到来後の食材との融合
16世紀以降、スペイン人によって豚、牛、小麦、乳製品などが持ち込まれました。
トウモロコシ、唐辛子、トマトといった土地の食材に、外来の肉類や小麦などが組み合わされ、現在につながる多彩な料理が形成されていきます。
タコスも、異なる時代や文化の影響を受けながら変化してきた料理です。
そのため、古くからの食文化を基盤としつつ、現在も新しいスタイルが生まれ続けています。
メキシコの身近な日常食として発展
タコスは、屋台、市場、食堂、レストラン、家庭などで食べられる身近な料理です。
小さなトルティーヤに具材をのせる形式は、手早く提供しやすく、複数の味を少しずつ楽しむのにも向いています。
地域で手に入る食材を取り入れやすい柔軟性も、タコスが広く親しまれてきた理由の一つです。
沿岸地域では魚介類、牧畜が盛んな地域では肉類というように、土地ごとの食文化が反映されています。
アメリカを経由して世界へ
メキシコからアメリカへ渡った人々の食文化や外食産業を通じて、タコスはアメリカでも広まりました。
その過程で、揚げたハードシェル、味付けしたひき肉、レタス、トマト、チーズなどを組み合わせるスタイルが普及します。
こうしたアメリカ式のタコスは日本にも伝わり、タコスに対する代表的なイメージの一つになりました。
現在では、メキシコ式、アメリカ式、各国の食材を取り入れた創作タコスが世界各地で楽しまれています。
トルティーヤの主な種類
タコスの風味を大きく左右するのがトルティーヤです。
代表的なものには、コーントルティーヤとフラワートルティーヤがあります。
コーントルティーヤ
コーントルティーヤは、トウモロコシを主原料とするトルティーヤです。
香ばしく、トウモロコシならではの風味があります。
メキシコの多くの地域でタコスに使われており、肉、魚、豆、野菜など幅広い具材と合わせられます。
焼きたてはやわらかいものの、冷めたり乾燥したりすると硬くなり、折ったときに割れやすくなります。
食べる前に温め、乾かないように布巾などで包んでおくのがポイントです。
フラワートルティーヤ
フラワートルティーヤは、小麦粉を主原料とする生地です。
コーントルティーヤよりもしなやかで破れにくく、比較的大きく作りやすい特徴があります。
メキシコ北部やアメリカ南西部の食文化と深い関係を持ち、タコスのほか、ブリトーやファヒータなどにも使われます。
コーントルティーヤとフラワートルティーヤのどちらが優れているというものではありません。
地域性、具材、食感の好みによって使い分けられます。
ハードシェル
ハードシェルは、トルティーヤを折り曲げた形で揚げたり焼いたりし、硬く仕上げたものです。
パリパリとした食感が特徴で、ひき肉、レタス、チーズなどを詰めるアメリカ式のタコスによく使われます。
一方、メキシコで日常的に食べられるタコスには、やわらかいトルティーヤを使うものが多くあります。
したがって、タコスは硬い料理とは限りません。
代表的なタコスの種類
タコスの名称には、具材だけでなく調理法が表れていることがあります。
代表的な種類を知ると、メニューを選ぶ際にも役立ちます。
カルネ・アサーダ
カルネ・アサーダは、焼いた牛肉を使うスタイルです。
香ばしく焼いた肉を細かく切り、玉ねぎ、香草、ライム、サルサなどと組み合わせます。
肉の味を生かした比較的シンプルな構成が特徴です。
タコス・アル・パストール
アル・パストールは、香辛料などで味付けした豚肉を重ね、回転させながら焼いて薄く切り分けるスタイルです。
中東から渡った人々の回転焼き料理の影響を受け、メキシコで独自に発展したとされています。
店によってはパイナップルを添え、豚肉のうま味に甘味と酸味を加えます。
ただし、味付けや付け合わせは地域や店によって異なります。
カルニータス
カルニータスは、豚肉を時間をかけてやわらかく調理したものです。
部位によって脂の量や食感が異なり、ほぐれる肉と香ばしい部分を一緒に楽しめます。
玉ねぎやサルサの酸味ともよく合います。
バルバコア
バルバコアは、肉をじっくりと蒸し焼きにする伝統的な調理法、またはその方法で調理した肉を指します。
使われる肉や具体的な作り方は地域によって異なります。
長時間の加熱で生まれる、やわらかな食感と濃厚なうま味が特徴です。
魚介類のタコス
メキシコの沿岸部では、魚やエビなどの魚介類を使ったタコスも親しまれています。
焼いた魚を使うもののほか、衣を付けて揚げた魚にキャベツ、ソース、ライムなどを合わせるスタイルもあります。
肉料理の印象が強いタコスですが、魚介類との相性も良く、さっぱりとした味から食べ応えのある味まで幅広く楽しめます。
豆や野菜のタコス
豆、ジャガイモ、キノコ、カボチャ、サボテンの若い茎などもタコスの具材になります。
豆をつぶして塗ったり、野菜を焼いてサルサと合わせたりすれば、肉を使わなくても満足感のある一品になります。
残った野菜や少量の料理をトルティーヤにのせて活用しやすいことも、タコスという料理の魅力です。
ただし、作り置きを使う場合は、保存状態や消費期限を確認し、十分に再加熱しましょう。
タコスとブリトーなどの違い
タコスと似た料理には、ブリトー、ケサディーヤ、ナチョスなどがあります。
地域や店によって例外はありますが、一般的な違いを押さえておきましょう。
タコスとブリトーの違い
タコスは、比較的小さなトルティーヤに具材をのせ、二つ折りにして食べるのが一般的です。
端は閉じず、具材が見える状態で提供されることも多くあります。
ブリトーは、大きめのフラワートルティーヤで具材全体を包み込む料理です。
肉、豆、米、野菜などをまとめて包むことがあり、タコスよりも一個当たりのボリュームが大きい傾向にあります。
タコスとケサディーヤの違い
ケサディーヤは、トルティーヤにチーズなどを挟み、焼いて仕上げる料理です。
チーズが溶けるまで加熱することが大きな特徴で、具材をのせて食べるタコスとは調理工程が異なります。
タコスにもチーズを使う場合がありますが、必須ではありません。
反対に、ケサディーヤは名称や地域による違いがあるものの、一般的にはチーズとの結び付きが強い料理です。
タコスとナチョスの違い
ナチョスは、トルティーヤチップスにチーズ、肉、豆、サルサなどをのせる料理です。
具材の種類が似ていても、トルティーヤで具材を包むタコスとは、土台の形や食べ方が異なります。
タコスとファヒータの違い
ファヒータは、焼いた肉や野菜、またはそれらをトルティーヤに包んで食べる料理を指します。
熱い鉄板で具材が提供され、食卓で各自がトルティーヤに包むスタイルもよく見られます。
完成した小さな一品として提供されることが多いタコスとは、盛り付け方や食べ方に違いがあります。
家庭でタコスを楽しむ方法
家庭でタコスを作る場合、すべての材料を本場と同じようにそろえる必要はありません。
トルティーヤ、具材、サルサまたは好みのソース、薬味を用意すれば、基本的な形を楽しめます。
トルティーヤを適切に温める
市販のトルティーヤは、食べる直前にフライパンで両面を短時間ずつ温めます。
温めすぎると水分が抜けて割れやすくなるため、やわらかさが戻る程度を目安にしましょう。
温めたトルティーヤは重ね、清潔な布巾などで包んでおくと乾燥を防げます。
電子レンジを使う場合は、購入した製品の表示に従ってください。
具材を詰め込みすぎない
具材が多すぎると、生地が破れたり、持ち上げたときに中身がこぼれたりします。
小さなトルティーヤには少量の具材をのせ、足りなければ複数個食べるのが適しています。
肉や魚は中心部まで十分に加熱し、生の食材に触れた包丁やまな板を、そのまま加熱後の食材に使わないことも大切です。
身近な食材も活用できる
焼いた鶏肉、豚肉、白身魚、豆、キャベツ、トマトなど、身近な食材でもタコスを作れます。
冷蔵庫に少量ずつ残った食材を組み合わせやすく、食品を無駄なく食べ切る方法としても役立ちます。
ただし、タコスにすれば古くなった食材を安全に食べられるわけではありません。
におい、見た目、保存温度、期限を確認し、安全性に不安がある食品は使用しないでください。
タコス作りに使われる道具とその価値
タコスはフライパン、包丁、まな板、ボウルなど、一般的な調理器具だけでも作れます。
一方、専用の道具を使うと、トルティーヤやサルサを作る工程そのものを深く楽しめます。
トルティーヤプレス
トルティーヤプレスは、生地の玉を上下の板で挟み、均一な薄さに押し広げる道具です。
木製、アルミ製、鋳鉄製などがあり、重量や扱いやすさが異なります。
鋳鉄製は重さがあるため安定しやすく、丈夫なものは手入れをしながら長く使えます。
中古品を選ぶ際は、板の歪み、ひび、蝶番やレバーの緩み、強いさびがないかを確認しましょう。
生地を直接挟まず、食品用のシートを間に置くと衛生的に使いやすくなります。
コマル
コマルは、トルティーヤや唐辛子などを焼くために使われる平らな調理板です。
土製や金属製があり、現代では鋳鉄のフライパンや平らな鉄板で代用することもできます。
鋳鉄製の道具は熱を蓄えやすい一方、使用後に水分を残すとさびやすいため、洗浄後はよく乾かします。
製品の材質と説明書に合った手入れを行うことが、長く使うポイントです。
モルカヘテ
モルカヘテは、唐辛子やトマトなどをすりつぶし、サルサを作るために使われる石臼状の道具です。
材料を完全なペーストにせず、適度な粒感を残して仕上げやすいという特徴があります。
似た外観でも装飾用や食品用途に適さない製品があるため、入手時には用途と材質を確認する必要があります。
中古品は欠け、ひび、汚れ、においの付着を確認し、安全性が判断できないものを食品調理に使わないようにしましょう。
タコスに関するよくある疑問
タコスはすべて辛い?
タコスそのものが必ず辛いわけではありません。
辛さの多くはサルサや唐辛子入りの調味料によるものです。
辛いものが苦手な場合は、サルサを別添えにして少量ずつ試すとよいでしょう。
タコスには必ずチーズが入る?
チーズは必須ではありません。
メキシコでは、肉、玉ねぎ、香草、サルサなどで構成されるタコスも数多く見られます。
チーズやレタスをたっぷり使うものは、アメリカ式タコスの代表的なスタイルです。
タコスとトルティーヤは同じもの?
同じものではありません。
トルティーヤはトウモロコシや小麦粉から作る薄い生地であり、その上に具材をのせたり包んだりした料理がタコスです。
トルティーヤはブリトーやケサディーヤなど、タコス以外の料理にも使われます。
ソフトタコスとハードタコスはどちらが本物?
メキシコでは、やわらかいトルティーヤを使うタコスが広く親しまれています。
一方、ハードシェルを使うタコスは、アメリカで発展したスタイルとして定着しています。
料理は人の移動や土地の食材によって変化するため、一方だけに価値があると考えるより、それぞれの歴史と特徴を知ることが大切です。
まとめ
タコスとは、トルティーヤに肉、魚介類、豆、野菜などをのせ、サルサや薬味と一緒に食べるメキシコ料理です。
硬いシェルとひき肉だけに限らず、やわらかなコーントルティーヤを使ったものをはじめ、地域ごとに多彩な種類があります。
タコスの背景には、古くから続くトウモロコシの食文化と、時代を通じて持ち込まれた食材や調理法の融合があります。
カルネ・アサーダ、アル・パストール、魚介類のタコスなどを食べ比べれば、その多様性を実感できるでしょう。
家庭では身近な調理器具と食材でも楽しめますが、トルティーヤプレスやコマルなどの道具を取り入れると、作る工程への理解も深まります。
丈夫な道具を適切に手入れし、食材を無駄なく安全に使いながら、自分に合ったタコスを楽しんでみてください。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
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