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チャイとは?ミルクティーとの違いや歴史、スパイス、作り方を詳しく解説

日本で「チャイ」といえば、スパイスの香りが漂う甘く濃厚なミルクティーを思い浮かべる人が多いでしょう。

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しかし、チャイは本来、特定のレシピだけを指す言葉ではありません。

チャイは、ヒンディー語をはじめとする複数の言語で、広く「茶」を意味する言葉です。

インドだけでなく、中央アジアや中東などの広い地域で、発音の近い言葉が使われています。

そのため、現地でチャイと注文しても、必ずスパイス入りのミルクティーが出てくるとは限りません。

日本のカフェや専門店でチャイと呼ばれている飲み物の多くは、より正確には「マサラチャイ」です。

マサラは、複数の香辛料を組み合わせたものを表します。

茶葉、ミルク、砂糖にカルダモンやシナモンなどを加えて煮出すのが、よく知られているスタイルです。

ただし、使用する茶葉やスパイス、甘さ、煮出し方は地域や家庭によって異なります。

一つのレシピだけが正解なのではなく、作る人や土地ごとに味が変わることが、チャイの大きな魅力です。

チャイとミルクティーの違い

チャイと一般的なミルクティーには、どちらも紅茶とミルクを使うという共通点があります。

明確な境界が設けられているわけではありませんが、抽出方法やスパイスの有無などに違いが見られます。

抽出方法の違い

一般的なミルクティーは、ティーポットなどで紅茶を抽出し、後からミルクを加えて作ります。

茶葉の繊細な香りや渋みを生かしながら、ミルクで口当たりをまろやかにする飲み方です。

一方、チャイは鍋を使って作ることが多く、水で茶葉やスパイスを煮出した後、ミルクと砂糖を加えてさらに加熱します。

茶葉をしっかり抽出するため、ミルクやスパイスを入れても紅茶の存在感が残ります。

もっとも、茶葉、ミルク、砂糖を加える順番は作り手によってさまざまです。

すべての材料を一緒に煮る方法もあれば、スパイスだけを先に煮出す方法もあります。

スパイスの有無

日本でチャイと呼ばれる飲み物には、カルダモンやシナモンなどのスパイスが入っているのが一般的です。

ただし、本来の意味でのチャイは茶全般を表すため、スパイスが入っていないものもあります。

スパイス入りのチャイを明確に表現したい場合は、マサラチャイと呼ぶのが適切です。

なお、英語圏などで見かける「チャイティー」は、言葉の意味だけを見れば「お茶のお茶」という重複した表現になりますが、現在ではスパイス入りミルクティーを表す名称として定着しています。

ロイヤルミルクティーとの違い

日本で親しまれているロイヤルミルクティーも、鍋で茶葉を抽出し、ミルクをたっぷり使って作ることがあります。

そのため、チャイとよく似ています。

一般的には、ロイヤルミルクティーはスパイスを必須とせず、紅茶とミルクの調和を楽しむ飲み物です。

マサラチャイはスパイスの香りと甘みを含めた一体感を楽しむもの、と考えると違いを理解しやすいでしょう。

チャイの歴史とインドの暮らし

チャイの背景には、インドの茶栽培と紅茶の流通が深く関係しています。

古代から現在と同じマサラチャイがインド全土で飲まれていた、と単純に捉えることはできません。

茶栽培の拡大と紅茶の普及

19世紀以降、イギリスの植民地支配のもと、インドではアッサムやダージリンなどを中心に茶の生産が拡大しました。

当初、生産された茶は主に国外へ輸出されていましたが、やがてインド国内でも紅茶の販売促進が行われるようになります。

紅茶が庶民の生活へ浸透する過程で、ミルクや砂糖、身近な香辛料を加える飲み方が広がりました。

少量の茶葉から濃く満足感のある一杯を作れることも、煮出すスタイルが普及した理由の一つと考えられています。

チャイワラが支える街角の文化

インドの駅、市場、路地などでは、チャイを作って販売する人を見かけます。

こうした売り手は「チャイワラ」と呼ばれます。

鍋で次々とチャイを煮出し、小さなグラスやカップに注いで提供する光景は、インドの日常を象徴するものの一つです。

チャイは喉を潤すだけでなく、仕事の合間に休憩したり、人と会話したりするきっかけにもなります。

高価な嗜好品というより、暮らしや交流に結び付いた身近なお茶です。

チャイに向いている茶葉

チャイには、ミルクやスパイスに負けない、しっかりした風味の紅茶が向いています。

高価な茶葉を使えば必ずおいしくなるわけではありません。

煮出したときに十分なコクと色が出るかどうかが重要です。

アッサムティー

チャイによく使われるのが、インド北東部のアッサム地方で生産される紅茶です。

一般にコクが強く、麦芽を思わせるような甘い香りを持ち、ミルクとの相性に優れています。

ただし、アッサムという産地名が付いていても、製法や茶園、収穫時期によって味は異なります。

チャイ用には、繊細な香りだけを楽しむものより、濃く抽出できる商品が使いやすいでしょう。

CTC製法の茶葉

日常的なチャイには、CTC製法で作られた茶葉が広く使われています。

CTCとは、茶葉を押しつぶし、引き裂き、丸める工程を表す英語の頭文字です。

完成した茶葉は細かな粒状で、短時間でも色と味が濃く出ます。

CTC茶葉はミルクや砂糖を加えても紅茶の風味が残りやすく、鍋で煮出すチャイに適しています。

専門店のほか、輸入食品店などで見つけられることがあります。

手元にCTC茶葉がなければ、一般的なティーバッグや細かめのブレンド紅茶でも代用可能です。

まずは日常使いの紅茶で試し、好みに応じて茶葉を変えるとよいでしょう。

代表的なスパイスと香りの特徴

マサラチャイに使うスパイスの種類や配合に、絶対的な決まりはありません。

一種類だけでも作れますし、複数を組み合わせれば複雑な香りを楽しめます。

カルダモン

カルダモンは、爽やかさとほのかな甘さを感じさせる香りが特徴です。

マサラチャイを印象付ける代表的なスパイスで、緑色のさやを軽く割り、中の種ごと煮出します。

香りが強いため、最初は少量から試すのがおすすめです。

パウダーも使用できますが、カップの底に粉が残りやすい点に注意しましょう。

シナモン

シナモンは、甘く温かみのある香りを加えます。

スティックならゆっくりと穏やかに香りが出やすく、パウダーなら短時間で風味を付けられます。

入れすぎるとシナモンの味が全体を覆うため、少量で十分です。

クローブ

クローブは、甘さの中に鋭さを感じさせる強い香りを持っています。

数粒加えるだけでもチャイの輪郭がはっきりします。

一方で、量が多いと刺激的になりやすいため、二人分なら一粒から試してもよいでしょう。

ショウガ

生のショウガを薄切りにしたり、つぶしたりして加えると、爽快な辛みが生まれます。

乾燥ショウガやパウダーでも代用できますが、生のものとは香りや刺激の出方が異なります。

黒こしょう

黒こしょうは、後味を引き締めるスパイスです。

粒を軽くつぶして少量加えると、ピリッとした刺激が加わります。

クローブと同様に存在感が強いため、入れすぎには注意が必要です。

基本的なチャイの作り方

ここでは、家庭にある小鍋で作れる基本的なマサラチャイを紹介します。

分量はあくまで目安です。

茶葉の種類や好みに合わせて調整してください。

二人分の材料

  • 水:200ミリリットル
  • 牛乳:200ミリリットル
  • 紅茶の茶葉:小さじ2杯程度
  • 砂糖:小さじ2~4杯
  • カルダモン:2粒
  • シナモンスティック:小さめ1片
  • 生のショウガ:薄切り2~3枚
  • クローブ:好みで1粒

牛乳と水の比率を一対一にすると、濃厚さと飲みやすさを両立しやすくなります。

より濃厚にしたい場合は牛乳を増やし、軽い口当たりにしたい場合は水を増やします。

作り方の手順

  1. カルダモンのさやをスプーンの背などで軽くつぶします。
  2. 小鍋に水、カルダモン、シナモン、ショウガ、クローブを入れます。
  3. 火にかけ、沸騰したら弱火にして数分間煮出します。
  4. 茶葉を加え、紅茶の色と香りが十分に出るまで煮ます。
  5. 牛乳と砂糖を加え、弱火から中火で温めます。
  6. 鍋の縁まで泡が上がってきたら、吹きこぼれる前に火を弱めます。
  7. 茶こしを通してカップへ注ぎます。

牛乳を加えた後は急に泡が上がることがあります。

加熱中は鍋から離れず、大きめの鍋を使うと吹きこぼれを防ぎやすくなります。

味を調整するポイント

味が薄いときは、牛乳を増やす前に茶葉の量や抽出時間を見直します。

渋みが強すぎる場合は、茶葉を減らすか、煮出す時間を短くしましょう。

スパイスが強すぎるときは、次回から種類や量を減らします。

すべてのスパイスをそろえる必要はありません。

カルダモンとショウガだけでも、香りのよいチャイを作れます。

砂糖には、甘みを加えるだけでなく、茶葉の渋みやスパイスの刺激をまとめる役割もあります。

無糖でも飲めますが、少量の砂糖を加えた場合との違いを比べると、チャイにおける甘さの役割を理解しやすいでしょう。

チャイ作りに使える道具

チャイを作るために、高価な専用品を新しくそろえる必要はありません。

家庭にある小鍋、茶こし、スプーン、カップがあれば始められます。

使われていない調理器具を見直すことも、モノを有効に活用する方法の一つです。

小鍋やミルクパン

注ぎ口の付いたミルクパンは、完成したチャイを注ぎやすい道具です。

ただし、一般的な片手鍋でも問題ありません。

吹きこぼれを防ぐため、作る量に対して余裕のある大きさを選びましょう。

ステンレス製の鍋は丈夫で手入れしやすく、日常的なチャイ作りに向いています。

ホーロー鍋はにおいが移りにくい一方、強い衝撃で表面が欠けることがあります。

アルミ鍋は軽く熱伝導に優れていますが、変色やへこみの状態を確認しながら使うことが大切です。

茶こし

茶こしは、細かな茶葉と砕いたスパイスを取り除くために使います。

CTC茶葉やパウダースパイスを使う場合は、目の細かいものが便利です。

網が破れていると茶葉が通り抜けるため、使用前に状態を確認しましょう。

スパイスをつぶす道具

乳鉢やスパイスミルがあれば、ホールスパイスの香りを引き出しやすくなります。

しかし、専用の道具がなくても、スプーンの背や麺棒などで軽くつぶせます。

細かな粉にする必要はなく、さやや粒に割れ目を入れるだけでも十分です。

中古の調理器具を活用する際の注意点

リユース品や譲り受けた調理器具を使う場合は、見た目だけでなく安全性と衛生状態を確認します。

鍋では、持ち手の緩み、底の大きな変形、深いさび、内面コーティングの剥がれなどがないかをチェックしましょう。

茶こしは、網の破損や枠からの外れがないかを確認します。

カップには、飲み口付近の欠けや深いひびがないことが重要です。

食品に触れる道具は素材に合った方法で十分に洗浄し、不安のあるものを無理に再使用しないようにします。

使用後の鍋は、ミルクや茶葉が固まる前に洗うと手入れが簡単です。

洗った後はよく乾燥させ、焦げやさびを防ぎましょう。

素材に適さない研磨剤や金属たわしは、表面を傷付けることがあるため注意が必要です。

チャイのアレンジ方法

基本の作り方を覚えたら、季節や好みに応じたアレンジも楽しめます。

アイスチャイ

アイスチャイは、氷で薄まることを考え、茶葉とスパイスをやや濃く抽出します。

完成後に粗熱を取り、氷を入れたグラスへ注ぎましょう。

牛乳を使った飲み物なので常温で長時間放置せず、作ったものは早めに飲み切ります。

植物性ミルクを使うチャイ

牛乳の代わりに、豆乳やオーツミルクなどを使うこともできます。

製品によって甘さや濃度が異なるため、砂糖の量を調整してください。

植物性ミルクは加熱によって分離する場合があるので、沸騰させ続けず、様子を見ながら温めます。

スパイスを一種類だけ使う

複数のスパイスを組み合わせると華やかな香りになりますが、一種類だけを使うと、それぞれの個性が分かりやすくなります。

カルダモンだけなら爽やかに、ショウガだけならすっきりと刺激的に仕上がります。

チャイに関するよくある疑問

チャイにはカフェインが入っている?

紅茶を使った一般的なチャイにはカフェインが含まれています。

含有量は茶葉の種類、量、抽出時間、飲む量などによって変わります。

カフェインが気になる場合は、飲む量や時間帯を調整するほか、カフェインを減らした茶葉を選ぶ方法があります。

チャイは必ず甘い?

砂糖をしっかり加えたチャイは広く親しまれていますが、必ず甘くしなければならないわけではありません。

家庭では無糖や控えめな甘さにもできます。

ただし、砂糖を減らすと渋みやスパイスの刺激が目立ちやすくなるため、茶葉とスパイスも合わせて調整しましょう。

ホールスパイスとパウダーはどちらがよい?

ホールスパイスは香りが比較的穏やかに出て、茶こしで取り除きやすいのが特徴です。

パウダーは手軽で短時間でも香りが付きますが、入れすぎると粉っぽくなることがあります。

初めて作る場合は、量を調整しやすいホールスパイスがおすすめです。

作ったチャイは保存できる?

チャイは牛乳を含むため、作り置きよりも飲む分だけ作るのが基本です。

保存する場合は常温で放置せず、清潔な容器に移して速やかに冷蔵し、状態を確認して早めに飲み切りましょう。

香りの面でも、できたてのほうがスパイスと紅茶の個性を楽しめます。

まとめ|チャイは暮らしの中で育った多彩なお茶

チャイは本来、広く茶を意味する言葉です。

日本で一般的な、スパイス入りの甘いミルクティーはマサラチャイと呼ばれます。

茶葉、ミルク、砂糖、スパイスを鍋で煮出すのが基本ですが、材料や配合に唯一の正解はありません。

チャイの魅力は、高価な茶葉や専用器具がなくても作れることです。

家庭で使われている小鍋や茶こしを活用し、カルダモンやショウガなど、手に入れやすいスパイスから試せます。

使われていなかった道具にも、再び日常で役立つ価値を見いだせるでしょう。

茶葉の濃さ、ミルクの量、スパイスの種類、甘さを少しずつ変えながら、自分に合った一杯を探す時間もチャイの楽しみです。

その背景にある歴史や暮らしを知れば、香り豊かな一杯をより深く味わえます。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

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