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タパスとは?意味や歴史、代表的な種類とスペインでの楽しみ方を解説

スペイン料理店やバルのメニューで見かける「タパス」。

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日本では小さなお皿に盛られた料理をイメージすることが多いものの、具体的にどのような料理を指すのか、ピンチョスやアヒージョとは何が違うのか分からない人もいるでしょう。

タパスは一つの決まった料理名ではありません。

生ハムやオリーブ、スペイン風オムレツ、魚介のマリネ、煮込み料理など、飲み物と一緒に楽しむ小皿料理の総称です。

そこには、料理を少しずつ味わいながら人と会話し、何軒もの店を巡るスペインならではの文化も息づいています。

この記事では、タパスの意味や語源、代表的な種類、地域による違い、スペインのバルでの注文方法を解説します。

家庭でタパスを楽しむための器選びや、手持ちの食材を生かすアイデアも紹介します。

タパスとはスペインの小皿料理の総称

タパスとは、スペインのバルやレストランで提供される小皿料理や軽食の総称です。

オリーブを盛っただけの簡単なものから、肉や魚介を使った手の込んだ温かい料理まで含まれます。

タパスは、材料や調理法によって定義される料理ではありません。

少量の料理を飲み物とともに楽しむという、提供方法や食べ方に特徴があります。

そのため、同じ料理でも大皿で主菜として提供される場合と、小皿に盛ってタパスとして提供される場合があります。

「タパ」と「タパス」の違い

スペイン語では一品の小皿料理を「タパ」、複数形を「タパス」と呼びます。

ただし、日本では単数と複数を厳密に分けず、小皿料理全般をタパスと呼ぶのが一般的です。

例えば、オリーブだけを一皿注文する場合、スペイン語としては一つのタパです。

複数の小皿を並べた場合はタパスとなります。

日本の飲食店で見かける「タパスの盛り合わせ」は、複数の料理を少しずつ組み合わせた一皿を意味することが多いでしょう。

タパスは前菜とは限らない

タパスは日本語で「スペインの前菜」と説明されることがあります。

しかし、必ずしもコース料理の最初に食べるものとは限りません。

数品を軽食としてつまむこともあれば、多くのタパスを注文して夕食にすることもあります。

店を移動しながら、それぞれの名物を一品ずつ食べる楽しみ方もあります。

タパスは前菜を含みますが、前菜だけに限定されない幅広い概念です。

タパスの語源と誕生にまつわる歴史

タパスの単数形である「タパ」は、スペイン語で「ふた」や「覆い」を意味する言葉です。

動詞の「tapar」には、ふたをする、覆うという意味があります。

なぜ「ふた」が小皿料理の名前になったのかについては、いくつもの説があります。

ただし、タパスの起源を一つの出来事に特定できる確実な資料は少なく、有名な逸話の多くは伝承として理解する必要があります。

グラスにパンやハムでふたをしたという説

よく知られているのは、ワインのグラスに虫やほこりが入るのを防ぐため、パン、ハム、チーズなどを載せてふたをしたという説です。

グラスを覆っていた軽食がしだいに工夫され、飲み物に添える小皿料理へ発展したとされています。

当初は簡素な保存食だったものが、店ごとの個性や地域の食材を取り入れ、多彩な料理になったという説明です。

語源とのつながりが分かりやすいことから、タパスの起源を語る代表的な説として広く紹介されています。

国王の命令に由来するという説

スペイン国王が旅の途中で、ワインと一緒に軽食を口にしたことから広まったという説もあります。

また、空腹のまま酒を飲んで酔いすぎることを防ぐため、飲み物には食べ物を添えるよう命じたという伝承も残されています。

どの説が唯一の起源なのかは断定できません。

それでも、タパスがワインなどの飲み物、保存食、宿場や酒場の文化と深く関係しながら発展してきたことは、その特徴を理解する手がかりになります。

代表的なタパスの種類

タパスには、冷たい料理と温かい料理があります。

地域や店によって種類は大きく異なり、伝統的な家庭料理が小皿で提供されることも少なくありません。

オリーブとチーズ

オリーブの実は、最も手軽で基本的なタパスの一つです。

塩水漬けにしたものや、ハーブ、ニンニク、柑橘類の皮などで風味を付けたものがあります。

スペインを代表する羊乳製チーズのマンチェゴも定番です。

そのまま薄く切るほか、オリーブやナッツ、ドライフルーツなどと組み合わせて提供されます。

素材そのものの風味を楽しむ、シンプルなタパスです。

ハモン

ハモンはスペインの生ハムです。

代表的なものには、主に白豚から作られるハモン・セラーノと、イベリコ豚から作られるハモン・イベリコがあります。

薄く切った生ハムは、口の中で脂が溶けることで香りやうま味が広がります。

パンに載せたり、チーズなどと組み合わせたりすることもありますが、単体で小皿に盛るだけでも立派なタパスになります。

トルティージャ・エスパニョーラ

トルティージャ・エスパニョーラは、ジャガイモと卵を中心に作る厚焼きのスペイン風オムレツです。

店や家庭によってはタマネギも加えます。

大きく焼いたものを切り分けて提供するため、冷めても食べやすく、バルの定番料理として定着しています。

内部をやわらかく仕上げるものや、しっかり火を通すものなど、焼き加減にも個性があります。

パタタス・ブラバス

パタタス・ブラバスは、揚げたり焼いたりしたジャガイモに、辛味のあるブラバスソースをかけた料理です。

特にマドリードの名物として知られています。

ソースの配合は店ごとに異なり、トマトやパプリカを使うもの、ニンニク風味のアリオリソースを添えるものなどがあります。

外側の香ばしさと、ソースの辛味を楽しむ温かいタパスです。

ガンバス・アル・アヒージョ

ガンバス・アル・アヒージョは、エビをニンニク、唐辛子、オリーブオイルとともに加熱した料理です。

耐熱陶器の器で熱々のまま提供されることが多く、残った香味油をパンに付けて味わえます。

日本では「アヒージョ」という名称で広く知られていますが、アヒージョとタパスは同じ意味ではありません。

アヒージョはニンニクを効かせた具体的な料理や調理法であり、小皿で提供される場合にタパスの一種となります。

クロケタス

クロケタスはスペイン風のコロッケです。

日本の一般的なコロッケとは異なり、ベシャメルソースをベースにした、なめらかな中身を衣で包んで揚げます。

生ハム、鶏肉、タラ、キノコ、チーズなど、さまざまな食材が使われます。

残った肉や魚を無駄なく活用できる料理として家庭でも作られてきました。

魚介のタパス

海に面した地域が多いスペインでは、魚介を使ったタパスも豊富です。

酢漬けにしたカタクチイワシ、ムール貝、イカのフライ、タコ料理などがあります。

ガリシア地方の料理として知られるプルポ・ア・ラ・ガジェガは、ゆでたタコにオリーブオイル、塩、パプリカをかけたものです。

木の皿に盛られることもあり、素材と器の素朴な組み合わせに土地の食文化が表れています。

タパスとピンチョスの違い

タパスとよく似た言葉に「ピンチョス」があります。

ピンチョスは、パンの上に魚介、肉、野菜などを載せたり、食材を串やようじで留めたりした小さな料理です。

名称は、スペイン語で刺すという意味を持つ言葉に由来します。

特にバスク地方では、店のカウンターに多彩なピンチョスを並べ、客が一つずつ選ぶ文化が発達しました。

タパスは小皿料理全般を指すのに対し、ピンチョスは一個ずつ取り分けやすい形をした料理を指す傾向があります。

ただし、両者の境界は必ずしも明確ではありません。

地域や店によって呼び方が異なり、ピンチョスが広い意味でタパスに含まれることもあります。

地域によって異なるタパス文化

スペインでは、気候や産物、歴史が地域ごとに異なります。

タパスにもその土地の食材と暮らしが反映されています。

アンダルシア地方

南部のアンダルシア地方では、オリーブ、生ハム、魚介のフライ、冷製スープなどが親しまれています。

グラナダなど、飲み物を注文すると無料のタパが付く習慣で知られる都市もあります。

ただし、無料のタパスはスペイン全土に共通するサービスではありません。

有料で好みの料理を選ぶ店も多いため、メニューや注文方法を確認しましょう。

マドリード

首都マドリードでは、パタタス・ブラバス、トルティージャ、イカのフライ、内臓の煮込みなど、多様なタパスが食べられます。

各地方の人や料理が集まる都市であるため、スペイン各地の味に触れやすいことも特徴です。

バスク地方

サン・セバスティアンやビルバオなどがあるバスク地方では、ピンチョス文化が発達しています。

伝統的な保存食を使ったものから、現代的な調理技術を取り入れたものまで幅広く、盛り付けの美しさも重視されています。

ガリシア地方

北西部のガリシア地方は魚介類が豊富です。

タコ、ムール貝、ホタテなどを使った料理が多く、海産物の味を生かした簡潔な調理法が見られます。

タパスは、地域の産業や風土を知る入り口にもなる料理です。

スペインのバルでタパスを楽しむ方法

バルでは、最初にワイン、ビール、シェリー、ベルムットなどの飲み物を選び、それに合わせて一品か二品のタパスを注文します。

一度に多く頼まず、食べ終わったら追加する方法なら、さまざまな料理を無理なく味わえます。

注文時に知っておきたい量の呼び方

店によっては、料理の量を次のように分けています。

  • タパ:一人でも食べやすい小皿の量
  • メディア・ラシオン:ラシオンの半分程度の量
  • ラシオン:複数人で分けられる一皿

量の基準は店によって異なります。

複数の料理を試したいときは、注文前に人数や一皿の大きさを確認するとよいでしょう。

店を巡るタペオという楽しみ方

タパスを食べ歩くことは「タペオ」と呼ばれます。

一つの店で食事を完結させず、それぞれの店で飲み物と名物料理を一品ほど楽しみ、次の店へ移動する方法です。

少量ずつ注文できるタパスだからこそ成り立つ習慣であり、料理とともに街の雰囲気や人との会話を楽しめます。

タパスは単なる小皿料理ではなく、人々の交流を支える食文化でもあるのです。

タパスに使う器の特徴

タパスには、陶磁器の小皿、浅い鉢、木製ボードなど、料理に合わせたさまざまな器が使われます。

器が小さいことで少量ずつ盛り付けやすく、複数の料理を卓上に並べても手に取りやすくなります。

熱い料理に使われるカスエラ

アヒージョや煮込み料理では、「カスエラ」と呼ばれる浅い耐熱陶器が使われることがあります。

調理した器のまま食卓へ出せるため、料理を温かい状態で提供できるのが利点です。

中古の耐熱陶器や長く使っている器を活用するときは、欠け、深いひび、変色、油の染み込みなどを確認しましょう。

特に直火やオーブンで使う場合は、耐熱性や使用可能な熱源が分からない器を加熱しないことが大切です。

家庭では手持ちの小皿を活用できる

家庭でタパスを楽しむために、同じ種類の食器を一式そろえる必要はありません。

豆皿、小鉢、取り皿、木のトレーなど、すでに持っている器を組み合わせて使えます。

形や色が異なる器でも、料理の量を控えめにし、食材の色や高さを意識して盛ると、タパスらしいにぎやかな食卓になります。

使わずにしまっていた小皿や受け継いだ器を、再び日常で活用する機会にもなるでしょう。

家庭でタパスを楽しむコツ

家庭では、すべての料理を一から手作りする必要はありません。

オリーブ、生ハム、チーズなど、盛り付けるだけで食べられるものに、温かい料理を一品加えるだけでも十分です。

例えば、余ったジャガイモはトルティージャに、少量のキノコや魚介はアヒージョにできます。

残ったパンにはトマトやオリーブオイルを合わせ、野菜はマリネにすると無駄なく使えます。

作り置きや缶詰も、小皿に移してハーブ、レモン、オリーブオイルなどを添えれば、見た目と風味が変わります。

ただし、残り物を使う場合は保存温度や消費期限を確認し、加熱が必要な食材には十分に火を通してください。

味の組み合わせでは、塩味のあるもの、酸味のあるもの、温かいもの、冷たいもの、歯応えのあるものを少しずつ用意すると変化が生まれます。

一品の量を増やすよりも、無理のない範囲で種類を増やすことがタパスらしい食卓を作るポイントです。

タパスに関するよくある疑問

タパスは一口サイズの料理ですか?

一口で食べられる料理もありますが、すべてが一口サイズとは限りません。

アヒージョや煮込みのように、フォークやパンを使って何口かに分けて食べる料理もタパスに含まれます。

タパスは冷たい料理ですか?

オリーブ、生ハム、マリネなどの冷たいタパスと、揚げ物、卵料理、煮込み、アヒージョなどの温かいタパスがあります。

冷たい料理だけを指す言葉ではありません。

お酒を飲まなくても楽しめますか?

タパスは酒類と深い関係がありますが、お酒を飲まなくても楽しめます。

炭酸水、ジュース、ノンアルコール飲料などと合わせられるほか、昼食や軽食、ホームパーティーの料理にも適しています。

日本の居酒屋料理と同じですか?

少量の料理を複数注文し、飲み物や会話と一緒に楽しむ点は日本の居酒屋文化と似ています。

一方、使われる食材、料理の歴史、店を何軒も巡る習慣などには違いがあります。

身近な文化との共通点を感じながら、スペインの土地ごとの背景にも目を向けると理解が深まります。

まとめ

タパスとは、スペインのバルなどで飲み物とともに楽しまれている小皿料理の総称です。

特定の一品を意味するのではなく、オリーブや生ハムから、トルティージャ、クロケタス、アヒージョ、魚介料理、煮込み料理まで幅広く含まれます。

その魅力は料理の多様さだけではありません。

少量ずつ味わい、会話を楽しみ、店を巡りながら地域の味に触れるという過ごし方にもあります。

タパスを知ることは、スペインの食材、器、風土、人々の交流を知ることにもつながります。

家庭でも、手持ちの小皿や余っている食材を生かせば、気軽にタパスの考え方を取り入れられます。

料理や器を新たにそろえることだけを考えず、今あるものを工夫して使い、多彩な味を少しずつ楽しんでみてはいかがでしょうか。

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KOBIT編集部:Fumi.T)

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