郵便ポストの削減が本格化?手紙やハガキの必要性もなくなるのか
突然ですが、あなたは月に何回郵便ポストを利用するでしょうか?
「そう言えば、久しくポストに投函した記憶がない」
「そもそも、家の近くに郵便ポストがどこにあるか分からない」
ひょっとすると、このような方も少なくないのかもしれません。
2022年度の郵便物の総数はピーク時の2001年度と比べて45.1%も減少しています。こうした現状から、総務省は郵便ポストの削減も含め、郵便ポストの設置基準の見直しに向けた議論をはじめました。
今回は、そんな郵便ポスト利用の現状と課題についてお伝えしていきます。
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月に1通も投函されないポストもある?郵便ポスト利用の現状
2023年3月31日現在、郵便ポストの設置本数は全国で17万5,145本あります。日本郵便が行った調査によると、全国の郵便ポストのうち、およそ4本に1本は1か月あたりの投函量が30通以下という現状が明らかになりました。
(出典:郵便差出箱(郵便ポスト)の現状-日本郵便[1])
このうち、人口密度の低い地方を中心に、約4%はほとんど利用されていないことから、郵便ポストを削減すべきではないか、という議論が本格的に始まったのです。
ユニバーサルサービスゆえに抱える郵便の課題
郵便はこれまでユニバーサルサービスとして、私たちの生活に密着してきました。
ユニバーサルサービスとは、社会全体で均一に維持され、誰もが等しく利用できるサービスのことで、電気・ガス・水道・電気通信といったインフラ、保健医療や警察・海上保安庁・消防への緊急通報も相当します。
このユニバーサルサービスゆえに、郵便ポストの利用状況に関わらず、すべての郵便ポストで原則毎日収集が行う必要があることで、日本郵政が抱える人材不足やコストの課題にもつながっています。
デジタル社会には手紙やハガキの必要性ないのか?
こうした郵便ポストの利用減少の背景には、デジタル社会によるコミュニケーション手段の変化が大きく影響しています。
2018に日本郵便が行ったアンケートによると、コミュニケーション手段として頻度が高かったのは、LINE、Instagram、Facebook、X(旧Twitter)といったSNSが中心で、手紙やはがきは、2~3ヶ月に1度、半年に1回程度、年に1回程度と回答した方が80%を超える結果となりました[2]。
また、2023年用の年賀葉書の当初発行枚数は16億4000万枚でしたが、これは年賀状発行がピークと言われた2003年の44億5936万枚よりも6割以上減少していることからも、テキストベースにおけるコミュニケーションは数字上では衰退の一途をたどっていると言えるかもしれません。
しかし、手紙やはがきの必要性が完全になくなってしまったのかと言えば、決してそうではありません。デジタル社会においてもなお書籍が求められているように、手書きでこそ伝えられる気持ちや本質があります。
また、はがきや手紙に貼る切手には、下記の記事で触れたように、社会貢献につながる使い道も存在します。
利用状況やコミュニケーションの変化によって、削減や移設などによる郵便ポストの精査は必要だと思います。
しかし、それ以前に、私たちが培ってきた「手紙文化」をどのような形で後世につなげていくのか、それこそが持続可能な社会には必要と言えるのではないでしょうか。
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(KOBIT編集部:Fumi.T)
<参考文献>
[1] 日本郵便,「郵便差出箱(郵便ポスト)の現状」,available at https://www.soumu.go.jp/main_content/000893688.pdf
[2] 日本郵便,「郵便事業の課題について」,available at https://www.soumu.go.jp/main_content/000585318.pdf
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